2025年07月20日18時00分 / 提供:ウーマンエキサイト
■保険を見直した時にされた追加の提案が、全ての始まり
主人公の益田マキさんは、有名な保険会社のファイナンシャルプランナーであるサトウさんに、8年前からお世話になっていました。
マキさんが結婚した時から相談するようになり、長女の妊娠や出産、夫が転職するタイミングでも、相談に乗ってもらっていました。
新たに保険を見直したマキさんに、何やら追加で提案があるというサトウさん。これが、マキさんが巻き込まれる詐欺の始まりでした。
サトウさんは、元証券会社勤務で、投資信託の運用担当もしていました。今でも個人で運用していて、お世話になっているお客さんにだけ、運用代行の話をしているとのこと。金利が10%というのもあり、気になるマキさんですが……。
サトウさんに預けてみないかと提案されている額は、100万円。運用が失敗したり、会社ではなく個人で預けることに不安を覚えるマキさんに対し、サトウさんは、この話は誰にでもしているわけではないと言います。
■資産運用の話は内緒にしたほうがいい……?
マキさんには、サトウさんの話を信じた理由がありました。
サトウさんは、腰の低い初老の男性。しっかりした保険会社に勤めていることや、資産運用の相談をしてアドバイスをもらっていたこともあり、信頼していました。
しかし、どうしても、この人が返してくれなかったらどうなるのか、という不安は拭いきれませんでした。
第二子の出産を控えているマキさんへのお祝いとして、資産運用の話をしたというサトウさん。その真っ直ぐな姿に、マキさんはサトウさんに資産を預けることに不安を感じた自分を、恥ずかしく思いました。
サトウさんは、様々なやり取りを書面で残し、自身の身分証明書となる運転免許証のコピーと、何かあったとき用に血縁者の名前と連絡先も渡してくれました。そして最後に、サトウさんはマキさんにとあるお願いをします。
ふと、マキさんは、どうしてサトウさんが自分に対してここまでしてくれるのか疑問に思いました。するとサトウさんは、「綺麗な人に弱い」「微力ながら応援したくなる」という理由で、マキさんにこの話をしたと言います。
■長年の付き合いがあると、まさか騙そうとしてるなんて思わない
この作品は、どれだけ気をつけていても、誰もが詐欺にあう可能性があることを描いています。
作者のますまゆさんも、「長年の付き合いがあるとまさか騙そうとしてるなんて思わない」とあとがきに書かれていますが、長年相談に乗ってもらっていた、有名な保険会社のファイナンシャルプランナーが、自分を相手に詐欺をしようとしているなんてことは考えないと思います。
しっかりとした肩書と、長年の付き合いが、マキさんの判断を鈍らせていることは作品内でも描かれていますが、これは誰しもに当てはまることなのではないでしょうか。
金利が10%であることや、周りの人や保険会社には内緒にしていてほしいとお願いされたことで、それは詐欺だと気付くものだろうと思うかもしれません。しかし、もし自分が信頼している人から持ちかけられた話だとしたら、どうでしょうか。
この作品のマキさんと同じように、相手に対して不安に思ったことを恥じて、話に乗ってしまうということが、絶対に起きないとは言えないように思います。
普段生活をしている中で、詐欺のニュースをたびたび目にします。しかし、自分が詐欺被害にあうかもしれない、ということを常に意識している人は、そこまで多くないのではないでしょうか。この作品のマキさんも、その中の一人だったのだと思います。
この後、マキさんはサトウさんにお金を預けますが、やがて詐欺であることが発覚していきます。そしてその手口は、恐ろしいほど巧妙でした。マキさんは詐欺にあったお金を取り戻そうとしますが、大変な困難が待ち受けています。
話の続きが気になる方や、詐欺被害の実態を知りたい方は、ぜひ最初からチェックしてみて下さい。
産前産後100万円詐欺られました。 1話目を見る
(ねむみえり)