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アンシス、理化学研究所の協力によりスーパーコンピュータ「富岳」上のシミュレーション・解析ソフトウェアの商用利用を実現

2025年10月15日11時04分 / 提供:Digital PR Platform

ハイライト

Ansys FluentとAnsys LS-DYNAが「富岳」で利用可能に
Ansys、「富岳」で10億セルのCFDシミュレーションを実行

シノプシスの一部であるAnsysは本日、理化学研究所(以下、理研)の協力によりスーパーコンピュータ「富岳」上で動作する流体シミュレーションソフトウェア「Ansys Fluent」と衝突シミュレーションソフトウェア「Ansys LS-DYNA」を産業界で商用利用できるようにしたことを発表しました。
Ansys:https://www.ansys.com/ja-jp
理化学研究所:https://www.riken.jp/
Ansys Fluent:https://www.ansys.com/ja-jp/products/fluids/ansys-fluent
Ansys LS-DYNA:https://www.ansys.com/ja-jp/products/structures/ansys-ls-dyna

従来、「富岳」上で動作する当社のこれらの商用CAE製品は、主に研究目的や性能検証の一環としての利用が中心でしたが、今回の大規模ノードへの最適化と商用利用できる体制整備により、「富岳」の特長を活用したシミュレーションが可能となり、さまざまな産業分野にわたる新製品開発などの商業利用にも本格的に大規模利用ができるようになりました。「富岳」の超高速コンピューティング能力を活用することで、企業は製品の安全性と信頼性を高めながら、開発サイクルを大幅に短縮することができます。

文部科学省 研究振興局 計算科学技術推進室の栗原潔 室長は次のようにコメントしています。
「富岳」が、Ansysソフトウェアを通じてより大規模な産業界の実課題解決に活用されることは、日本の計算科学基盤の活用の大きな前進です。この度の成果により、産業利用が一層拡大することで、さまざまな分野での我が国のイノベーション創出や社会的課題解決につながることを期待しています。」

Ansys LS-DYNAは、「富岳」と同じアーキテクチャを共有するArmベースの富士通スーパーコンピュータPRIMEHPC FX1000およびFX700をサポートする、商用化された最初のCAE構造シミュレーションソリューションです。両社は、「富岳」で使用されているように、ARMコアを搭載した富士通のFXプロセッサで動作する他のソルバー製品のサポートを強化するために取り組んできました。このプロジェクトは、主に「富岳」での商用CAE製品の性能を検証するための研究とテストに焦点を当てました。

理化学研究所計算科学研究センター運用技術部門 庄司 文由部門長は次のようにコメントしています。
「Ansys FluentおよびLS-Dynaが「富岳」上で、最大級の規模で実用的に実行可能となったことは、「富岳」の応用範囲を拡大し、ひいては産業利用ユーザーによる「富岳」を用いた先端的な成果創出がさらに促進されるものと期待しております」

この最新の発表は大きな進歩を示しています。理化学研究所との協業により、Ansys FluentとAnsys LS-DYNAが「富岳」上で動作するCAE製品のラインアップに追加され、産業界で広く商用に利用可能になりました。

Ansys、「富岳」で10億セルのCFDシミュレーションの実行に成功
Ansysは、川崎重工業株式会社が提供する実規模の天然ガス焚きガスタービン燃焼器モデルの大規模な数値流体力学(CFD)シミュレーションを、Ansys Fluent を使用して成功裏に完了しました。「富岳」で実行されたシミュレーションは、10億メッシュセルの規模に達し、ARM64ベースのアーキテクチャにおけるFluentの高い拡張性と堅牢なパフォーマンスを実証しました。

川重テクノロジー株式会社取締役ソリューション事業部長洲川誠一様は次のようにとコメントしました。
「我々はこれまで燃焼器の数値解析に数多く取り組んでまいりましたが、燃焼現象の考慮となると化学反応の複雑さが計算コストの障壁となり、火炎構造の解明に苦慮してきました。今回の超大規模解析は、実機燃焼器における詳細な火炎構造を高精度に捉えようとするものであり、これにより燃焼機器設計への大きな知見が得られると確信しています。そして人類がエネルギーを得る根源的な手法である「燃焼」において、シミュレーションが新たな価値の創造に貢献することを願ってやみません」

Ansys Fluentは、高度な物理モデリング機能と業界をリードする精度で知られる主要な流体シミュレーションソフトウェアです。クラス最高の物理モデルを備えており、大規模で複雑なモデルを効率的かつ正確に分析できます。圧力ベースのソルバーと密度ベースのソルバーの両方をサポートしているため、幅広い流れ領域に適用できます。このプロジェクトでは、モデルが非圧縮性流体の挙動を示すと想定されたため、圧力ベースのソルバーが選択されました。本シミュレーションで使用した燃焼モデルは、ARM64アーキテクチャに最適化されており、「富岳」上での安定した効率的な大規模並列計算が確認されました。

「脱炭素化に向けた世界的な取り組みが続く中、忠実度の高い大規模なシミュレーションに対する需要が急速に高まっています」と、Ansys, part of Synopsysの流体ビジネスユニットのバイスプレジデントであるジョン・ストークスは述べています。「このマイルストーンは、Ansys Fluentがパフォーマンスだけでなく、規模と適応性において、将来のシミュレーションの課題に対処する準備ができていることを証明しています」

ANSYS Fluent を「富岳」にプリインストールすることで、高度なシミュレーション機能を必要とする研究者やエンジニアのアクセスが簡素化されます。今後、Ansysは、高性能CFDの限界を押し広げるための継続的な取り組みの一環として、「富岳」で20億、30億、さらに多くのメッシュセルのシミュレーションを実施する予定です。

Ansysのマルチフィジックスソルバー LS-DYNAは、落下試験、衝撃と貫通、破壊、衝突、乗員の安全などのアプリケーションで使用される主要な陽解法シミュレーションソフトウェアです。多数の要素、接触定式化、材料モデル、その他の制御機能を使用して、短期間の極端な荷重に対する材料応答をシミュレートし、複雑なモデルの詳細な管理とシミュレーションを可能にします。

高く評価され、広く採用されているこれら2つの製品は、「富岳」の信頼性の高い超高速コンピューティングプラットフォーム上で一般的な商業開発に利用できるようになったことで、企業はイノベーションを加速し、より適切で迅速な意思決定を行い、安全で信頼性の高い製品の開発を合理化し、市場投入までの時間を大幅に短縮することができます。

さらに、理研、シノプシスによるグリーンコンピューティングへの強い取り組みと相まって、顧客はCAEワークロードをよりエネルギー効率の高いスーパーコンピュータにオフロードし、エネルギー消費とコストを削減できます。これにより、お客様のCO₂排出量とコンピューティングの総所有コストの削減をサポートします。

[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2541/119518/300_214_2025100613300268e345cabc8c5.jpg

燃焼器を含む天然ガス焚きガスタービンの全体図
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シノプシスについて
シノプシス(Nasdaq: SNPS)は、シリコンからシステムまで、お客様のAI活用製品の迅速なイノベーションを支援するエンジニアリング・ソリューションのリーディング・カンパニーである。業界をリードするシリコン設計、IP、シミュレーションならびに解析ソリューション、そして設計サービスを提供している。幅広い業界のお客様と緊密に連携して、R&D能力と生産性の最大化を支援。今日のイノベーションを可能にし、明日の創造力の火をつける。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jp
より入手可能。

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関連リンク
Ansys Simulation World 2025 Japan
https://www.event-entry.net/ansys/

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