2025年07月01日14時05分 / 提供:Digital PR Platform
麻布大学獣医学部・動物応用科学科・伴侶動物学研究室の今野晃嗣講師、城崎マリンワールド(兵庫県豊岡市)の佐々木雅大氏、木下日波乃氏による共同研究グループは、「ハマ」と名づけられた飼育下のトドがヒトの動作を「模倣」する能力をもつことを世界で初めて明らかにしました。
人間の子どもは誰かの真似をしながら多くのことを学びますが、ヒト以外の動物は他個体の動作そのものを模倣することが得意ではありません。しかし最近、Do As I Do(まねして)トレーニングという教育手法が開発され、この手法を用いると、イヌやネコといった伴侶動物やシャチやベルーガなどの飼育下の鯨類でも、一部の個体では他個体の動作を「模倣」できるようになることがわかりました。
そこで共同研究グループは、城崎マリンワールドで暮らしている「ハマ」という名のトド(メス・現在14歳)を対象にDo as I doトレーニングを行い、トドが飼育員の人物の動作と同じような動作を「模倣」できるかどうかを調べました。その結果、ハマはDo as I doトレーニングのルールをすぐに学習し、Do as I doでトレーニングしたことのない動作をヒトが行ったときでも、自分がこれまでに学習した動作のなかからヒトの動作と似たような動作を選んで「模倣」することができました。さらに驚くべきことに、過去に一度も教えていない動作をヒトがやって見せたところ、ハマはそのうち2種類のまったく新しい動作についても「模倣」することができました。
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