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【大阪大学】部分的な酸欠状態が、大腸がんを悪性化させる ― 酸素不足はがんにとってむしろ好都合!?

2025年05月16日14時05分 / 提供:Digital PR Platform

大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)の原田昭和特任助教(常勤)、菊池章特任教授(常勤)らの研究グループは、大腸がんの表面近くの一部の場所で炎症を背景に酸欠状態が起きると、がんの成長を助けることを世界で初めて明らかにしました。これまで、がん細胞も正常の細胞と同じく、血管から酸素を受け取って勢いよく増えていると考えられてきました。つまり酸素が足りないと、がんの成長にブレーキがかかると思われていました。今回、研究グループは、大腸がんの局所的な酸欠状態に注目し、酸素が足りなくなることでがん細胞の周りを取り囲む線維芽細胞(せんいがさいぼう)*¹ が「悪玉」へと変化し、がんの成長にブレーキをかけるのではなく、むしろがんの成長が進むという仕組みを解明しました。大腸がんの治療には、がん細胞を酸欠状態にする薬が治療に使われることがあります。しかし、場合によってはがんを悪化させることがあり、今回の結果はそうした矛盾の理由を説明できることから、新たな治療法の開発につながることが期待されます。本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」に2025年4月17日に公開されました。

【研究成果のポイント】
●炎症関連線維芽細胞が酸素不足により「悪玉」となり、大腸がんの成長を助長していることを発見。

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