2025年02月19日08時05分 / 提供:Digital PR Platform
4つの永久磁石を組み合わせると(図1)、中心の2つの磁石の隙間で水などの反磁性物質(※)の浮上が可能になることを、基幹工学部応用化学科の池添教授がシミュレーションと実験によって示しました(図2)。同等の実験を行うには、これまでは数千万~数億円の装置が必要とされていましたが、本研究の手法を使えば、市販の数百円の永久磁石(ネオジム磁石)を組み合わせるだけで極めて簡単に実現できます。
この技術を応用すれば、将来的には、宇宙で行われる実験の予備実験や材料プロセスの研究など、様々な実験が地上で手軽にできるようになると期待されており、米国物理学協会(American Institute of Physics, AIP)の論文誌への掲載(Appl. Phys. Lett. 125, 264102 (2024))や、応用物理学会での表彰など、学術界からも高く評価されております。
物体を浮上させる技術として、超電導、超音波浮上、光ピンセット、高周波電磁浮遊炉など様々な技術が開発されていますが、そのほとんどが、浮上位置を制御するための精密電子機器や、極低温・高強度レーザーなどの特殊な場を必要とします。一方、本研究で開発された永久磁石による磁気浮上技術は、安価な磁石を4つ組み合わせただけの単純な構造体で物体の浮上状態を実現できるだけでなく、「物体の浮上状態を維持するためのエネルギー消費がゼロ」という極めて優れた特徴を持っています。
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