2025年02月18日20時05分 / 提供:Digital PR Platform
麻布大学(学長:川上泰、本部:神奈川県相模原市)獣医学部 動物繁殖学研究室の川田由以研究員(同大学大学院博士前期課程修了)、同獣医学部 影山敦子特任助教、野口倫子准教授、村上裕信准教授、寺川純平講師、伊藤潤哉教授、柏崎直巳教授らの共同研究グループは、マウス個体とマウス・ヒト子宮内膜細胞を用いた研究により、妊娠の最初のステップである胚着床には、子宮内膜細胞への亜鉛の取り込みが必須であることを初めて明らかにしました。本研究は、徳島文理大学薬学部病態分子薬理学研究室の深田俊幸教授との共同研究です。
現在、不妊症が大きな社会問題となっており、体外受精などの生殖補助医療技術が不妊治療として用いられていますが、出産に至る割合は低いことが知られています。その原因の一つとして不育症(妊娠は可能なものの流産や死産を繰り返す)が考えられており、胚の染色体異常などが原因として考えられていますが、母体側の要因は明らかになっていませんでした。また、必須ミネラルの一つである亜鉛が体内で不足すると妊娠しにくい状態をもたらすことが知られていましたが、亜鉛の詳細な役割も分かっていませんでした。
本研究グループは、母体側の亜鉛に着目し、子宮内膜細胞に取り込まれた亜鉛(イオン)が、女性ホルモンであるプロゲステロンの働きに欠かせないことをマウス個体とマウス・ヒト子宮内膜培養細胞を用いた解析により、世界で初めて明らかにしました。 この研究は、日本学術振興会科学研究費基盤研究(B)、基盤研究(C)、新学術領域研究(全能性プログラム:デコーディングからデザインへ)、文部科学省私立大学ブランディング事業、麻布大学ヒトと動物の共生科学センターの助成による成果です。
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