2025年08月09日05時10分 / 提供:PR TIMES
SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 洋史、以下 SAPジャパン)は、本日、SAP(R) Business Data Cloud (SAP BDC)の一般提供開始と、SAP(R) Business AIの主要アップデートを発表しました。新たに強化されたSAP BDCのインテリジェントアプリケーション機能に加え、自然言語生成型AIコパイロット「Joule(ジュール)」のエージェント機能の拡張により、日本企業の生産性と意思決定の質の向上を力強く支援します。
SAP BDCは、SAPおよび非SAPのシステムに存在するビジネスデータを単一の基盤上で統合・管理できるフルマネージドSaaS型のデータプラットフォームです。SAP(R) Datasphere、SAP(R) Analytics Cloud、SAP(R) Business Warehouseなどが統合されており、部門間で整合性のあるデータ活用を可能にします。今回、Databricksとの機能統合により、ゼロコピーでのデータ連携が実現し、SAPデータを複製することなく、リアルタイムでの分析活用が可能になりました。
さらに、SAPジャパンは、データとAIを組み合わせて業務プロセスを最適化する、事前構築済みのアプリケーション群「Intelligent Applications」を2025年後半より順次提供開始します。Intelligent Applicationsは、「Cloud ERP Intelligence」「Customer Intelligence」「Finance Intelligence」「Spend Intelligence」など、幅広い領域をカバーします。たとえば「People Intelligence」は、人事部門およびビジネスリーダーによる戦略的な意思決定やエンゲージメント向上、コンプライアンス強化を支援する専用パッケージとして提供されます。従業員スキルや組織構成、エンゲージメント指標などの情報をもとに、後任計画やチーム再編、人材投資の最適化といった意思決定を支援する機能が組み込まれており、人材戦略の高度化と組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。さらに、SAP(R) Sustainability Control Tower、SAP(R) 360 Customer、SAP(R) Spend Control Towerなど、既存のSAPアプリケーションもSAP BDC上でIntelligent Applicationsとして強化され、より高度な可視化とインサイトの提供を実現します。あわせて、SAP(R) Business Suite全体を対象とした数百のデータプロダクトも2025年末までに順次提供される予定であり、企業全体におけるデータ活用の高度化と業務変革を一層加速します。
SAP Business AIに関する最新アップデートでは、AIをより実践的に活用し、ユーザー体験と業務効率を高める多くの新機能が追加されています。
Jouleに新たに追加された「Analytical insights」機能は、SAPアプリケーション内の業務フロー上で、自然言語による質問に即座に対応し、文脈に即した分析結果を提供します。たとえば「先月の営業成績上位3名は?」や「今月の販売手数料の合計は?」といった問いに対し、ダッシュボードを開くことなくインサイトを提示でき、これにより分析に要する操作の最大80%削減を見込み、意思決定の迅速化とユーザー体験の向上を実現します。さらに、「SAP Joule action bar」を発表し、WalkMeの技術との統合により、ユーザーの行動や業務コンテキストをリアルタイムで分析し、必要な情報やアクションを先回りして提案する「常時稼働型」のAIアシスタントへと進化します。
また、SAPソリューションの導入・開発現場で活用できる「SAP(R) Joule for Consultants」の正式提供を開始しました。20万ページ以上のSAPドキュメントや2億5千万行のABAPコードなどでトレーニングされた専用モデルにより、プロジェクトにおけるコーディングや設計の理解が加速され、再設計にかかる手間を削減。これにより、プロジェクト全体の実行速度は最大14%向上し、1日あたり平均1.5時間の作業時間短縮が見込まれています。
さらに、Microsoft 365 CopilotおよびTeamsとの連携により、Jouleの活用領域はSAP外の業務環境にも広がっています。Teams内でのJouleチャット、OutlookやSharePointなどのMicrosoftデータへのアクセス、Copilotとの双方向統合により、部門を横断したAI活用を促進します。
SAPは40以上のJouleエージェントを発表しており、その一部はすでに一般提供を開始しています。たとえば、経費処理業務においては「Expense Report Validation Agent」が入力ミスや漏れを自動検知し、レポート作成にかかる時間を最大30%短縮します。「Accounts Receivable Agent」は債権情報を分析し、回収遅延や未収リスクの低減を支援します。また、「Field Service Dispatcher Agent」や「Maintenance Planner Agent」など、サプライチェーン領域におけるAIエージェントも順次リリースされており、リアルタイム分析に基づいた自動スケジューリングや保全業務の効率化を実現します。
これらのJouleエージェントは、SAPが提供するAI基盤「AI Foundation」上で稼働し、SAP(R) Business Technology Platform(SAP(R) BTP)上で250以上の既存AIシナリオに加えて、新たに1,600以上のJouleスキルが組み込まれています。SAPは2025年末までに400超のAIシナリオを提供予定であり、あらゆる業務領域でAIの実装を加速します。
開発者向けには、ノーコードでAIスキルを構築できる「Joule Studio」の機能をリリースしました。SAP(R) Build上でのJouleのカスタムスキル開発と、SAPのGenerative AI Hubとの連携により、業務要件に応じた柔軟なAIスキル開発が可能になります。2025年末までにカスタムAIエージェント開発もサポート予定です。Generative AI Hubでは、SAP独自のAIモデルに加え、OpenAI GPT-4.1、Google Gemini 2.5 Pro、Anthropic Claude Opus、Mistral Small 3.1などの外部大規模言語モデル(LLM)にも対応しており、ユースケースごとに最適なモデルを選択・活用できる環境を提供します。
さらに、複数のLLMに対応したプロンプトの自動最適化を行う「Prompt Optimizer」が早期アクセス(EA)プログラムとして提供開始されており、年内の一般提供に向けて準備が進んでいます。この機能により、開発者は特定のAIモデルに依存することなく、要件に応じて複数モデル間でスムーズに切り替えることができ、AI活用の柔軟性と拡張性が大幅に向上します。
業種別のAI機能も拡充されています。ライフサイエンス業界向けには「SAP(R) Cell and Gene Therapy Orchestration」がAI例外管理機能とともに提供され、治療スケジュールの遅延検知と速やかに対応を支援します。財務・経理領域では、「SAP(R) Document and Reporting Compliance」とJouleの連携により、電子帳票のエラー内容を自然言語で提示し、対応工数を最大80%削減を見込みます。人事領域では、「SAP SuccessFactors(R)」と連携した生成AI機能が拡充されました。「Explain Pay」では、給与明細に関する従業員の疑問にJouleが速やかに自然言語で回答し、問い合わせ件数の削減と従業員の納得感向上に寄与します。「Interview Feedback Insights」は、採用面接におけるフィードバックを自動要約し、評価の一貫性と意思決定の迅速化を支援します。また、「Performance & Goals Agent」では、マネージャーが部下との1on1に向けてパフォーマンスデータをもとに具体的な対話ポイントや次のアクションを得られるため、パフォーマンス管理の質を高めると同時に、エンゲージメントや定着率の改善にも貢献します。
SAPジャパンは今後も、あらゆる業務領域に生成AIとビジネスデータを組み込み、企業の業務変革と意思決定の進化を支援し続けます。
以上
SAPジャパンについて
SAPジャパンは、SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。http://www.sap.com/japan
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