2025年08月23日10時00分 / 提供:ウーマンエキサイト
■不合格に怒り狂う塾いじめ首謀者ママ
「は? 関係ないでしょ、あなたには!」
「ありますよ。あなたのその態度、全部見てきました。芽依ちゃんが合格できなかったのは、芽依ちゃんのせいじゃない」
瑛子の顔が引きつる。
芽依はその場でぎゅっと目を閉じていたが、千尋の言葉に、ゆっくり目を開けた。
どこか、解放されたような、泣きそうな顔。
「子どもたちは、親のために受験するわけじゃありません。あなたのために、娘さんが頑張らなきゃいけなかった理由なんて、どこにもないはずです」
一瞬、瑛子が言葉を失い、握りしめた手が震えていた。
■受験において、本当に大切なものとは?
その時、小さな声がした。
「……優花ちゃん」
少し赤くなった目。けれど、その奥にあるのは、素直な気持ちだった。
「ごめんね……いじわるして……」
優花は驚いたように瞬きをして、それからにこっと笑った。
「ううん。お勉強、いっぱい教えてくれてありがとう。楽しかったよ」
芽依の目に、ふっと涙が浮かんだ。
その場にいた誰もが、きっと何かを理解した。
軽く優花の肩に手を添え、それから静かにその場を離れる。
小さな背中を、春の陽が優しく照らしていた。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)