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「お受験やめてもいい?」いじめが原因で塾が嫌いになった娘の本音<お受験戦争 10>【ママ友トラブル図鑑 Vol.31】

2025年08月18日10時00分 / 提供:ウーマンエキサイト

■いじめをきっかけに、塾に通いたくなくなった娘

玄関を出てからの道のり、私は無言だった。

優花も何も話さない。二人の間に沈黙だけが残り、ただ足だけが家に向かって歩いていた。

その日の夜。夕飯を終えたあと、優花がぽつりと呟いた。

唐突な一言に、私は箸を持ったまま動けなかった。

「塾、嫌になっちゃった?」

「……うん。芽依ちゃん、私にすごく意地悪なんだけど、でも辛そうなの。優花ががんばってるの、いけないのかなって思っちゃう…」

目を伏せて、唇をかむ娘の姿が痛かった。
その瞳には、幼いながらも、我慢と諦めの色が滲んでいた。

「でも…麻里ちゃんとは同じ学校行きたいし…」

声がかすれて、最後は聞き取れなかった。

■受験は塾に通わないとできないもの?

リビングのソファでテレビを見ていた夫も、そのやり取りを聞いていたようで、静かにこちらを振り返った。

「……千尋。お受験って、塾に通わなきゃできないのか?」

その言葉に、私ははっとした。

塾は手段であって、目的じゃない。
私が見ていたのは“方法”ばかりで、優花の気持ちをきちんと見ていなかったんじゃないか。

私はゆっくりと優花の隣に座って、優しく背中を撫でた。

「優花、ママね、もうちょっとだけ聞いてもいい?」
「優花は、どうしたいの? お受験そのものをやめたい? それとも…あの塾がイヤ?」

優花は少し考えてから、ぽつんと答えた。

「麻里ちゃんと、同じ学校行きたい。でも…あの塾は、もう行きたくない」

私は、その言葉にすべての答えを見た気がした。
胸の奥が、すうっと軽くなる。

「そっか。じゃあ、塾はやめよう。優花が辛いのに、無理して通わせる理由なんてないもん」

驚いた顔をした優花に、私はにっこりと笑って見せた。

「おうちで、ママと一緒に勉強しよう?」

優花の目に、涙が溜まり――やがて安心したように、ふわっと笑った。

※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。

(ウーマンエキサイト編集部)

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