2025年08月16日10時00分 / 提供:ウーマンエキサイト
■教室のドアの前で、衝撃的なやりとりが…
「今日は、早めに迎えに行こう」
芽依ちゃんに無視されると言った日からは、塾の話をほとんどしなくなった。
今は「ふつうだった」の一言だけ。
しかし、明らかに普段と違う…天真爛漫なあの子に暗い影が付き纏う。
その原因はーー
教室のあるビルに着き、階段を静かに上る。
授業が終わる少し前。そっとドアの前に立つと、中から子どもたちの声が漏れていた。
「……ほんと、調子にのってるよね」
「芽依ちゃんのジャマして1位になったくせに」
私は一瞬、耳を疑った。
「そんなこと言わないでよ……」
優花の声。かすれて、か細く、震えていた。
「じゃあ、これやってよ」
ドサッ、と何かが床に落ちる音。続いて、芽依の声が聞こえた。
「全部片づけて。どうせヒマでしょ?うちのママが言ってたもん、あんなのただのまぐれだって。優花ちゃんはお受験落ちるって」
その瞬間、頭の中が真っ白になった。
私は迷わず、ドアを開けた。
■まさか、娘がいじめられていた…?
「芽依ちゃん……今の、なに?」
教室の空気が凍りついた。
芽依ちゃんは驚いたようにこちらを見たあと、すっと視線をそらした。
優花はうつむいたまま、床に落ちたプリントを拾おうとしていた。
「優花、大丈夫?」
私が駆け寄ると、優花は一瞬、私の顔を見上げた。そして目に涙をためながら、かすかに首を横に振った。
もう、見て見ぬふりなんてできなかった。
私は優花の手を取り、その場から連れ出した。
その背中に芽依ちゃんの視線が突き刺さっていたけれど、振り返らなかった。
階段を降りながら、心臓の音が耳の奥で響いていた。
そして、その翌日。
私は瑛子さんに話をしようと決めたのだった――。"
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)