2023年07月17日10時00分 / 提供:ウーマンエキサイト
■前回のあらすじ
事故から1年が経過しても、加害者から謝罪のひとつもありませんでした。加害者に逃亡の恐れがないことから、逮捕はされないそうです。ですが、夫の顔には今も消えない傷が残っていて…。
■突然やってきたハガキ
事故から1年半近くたち、相手には請求できないだろうし事故を思い出すから…と、レシートも処分してしまった頃、加害者の自賠責保険から36,000円が振り込まれるというハガキがやってきました。
これは慰謝料扱いで、怪我の程度と入院・通院期間で計算されるようです。
こちらは諦めて何もアクションを起こしていなかったので、1年半がたち、やっと加害者側が動いてくれたのかもしれません。
しかし、夫や私たち家族が受けた精神的なショックやダメージを考えると36,000円というのは、なんとも切ない金額でした。
これがたとえ10倍であっても、100倍であっても、この切なさやもどかしさは消えなかったと思います。
私たちは何より、「傷つけてしまってごめんなさい、これから気をつけます」という、加害者の謝罪が欲しかったのかもしれません。
そして今、夫の身体に残るのは、頬の3本の傷だけ。
ところが、子どもたちも事故のことを忘れつつある頃…また夕飯時に、夫の帰りを待っていると、スマホが鳴りました。
画面には“警察署”という文字。
前回の事故とは違う管轄の警察署です。
“まただ……!”
一気に私の心臓はバクバクと拍動し、冷汗が吹き出します。
また、事故だ…。
もう、二度目はない…もう、今度はダメだ…。
皮肉にも、その日は事故のあった日と同じ、木曜日でした。
■過去のつらい記憶
恐る恐る通話ボタンを押し、震える声で応対すると…。
『すみません、間違い電話だったようです』
間違いかい!!
ホッとしながら、私は泣きました。
思い出すのは、亡くなった父が警察署に安置されていたこと。
長いひきこもり生活からの社会復帰を支えてくれた友人が社会復帰早々、亡くなった連絡を受けたこと。
もう、あんな思いしたくはない…。
私は声の震えがおさまった頃、やっとリビングに戻り、先ほどの間違い電話のことを笑って話すことができました。
とはいえ、人生で家族や大切な人たちとの別れは避けられません。
そう思うと、つらくて、怖くて、不安でたまらないのですが、今まだ目の前にいて、笑顔で私に駆け寄ってくれる家族を、そのぬくもりを、今まで以上に大切にしようと思いました。
そして、持病で何度もくじけそうになった私も、精いっぱい生きてやろうと思うのでした。
■事故被害で得た教訓
今回、突然起きた事故では、身内だけでなく、SNSのフォロワーさんにもたくさんの励ましとアドバイスをいただきました。その中でも一番の教訓は「弁護士特約はつけたほうがいい!」ということ。
私と夫は任意保険には加入済みでしたが、シンプルプランで弁護士特約をつけていませんでした。これをつけていると、事故の被害に遭った際にも弁護士費用なしで、弁護士さんに助けていただくことができるそうです。更新時、しっかりつけました。弁護士特約。
また、大まかに決めていた保険内容も、今回の事故があり、熟読するようになりました。確認してみれば、こうして被害に遭った際に助かる内容も…。
もちろん補償を増やせばかかる金額も上がり、生活と補償のバランスを考えなければいけないのですが、もし自分が加害者になってしまった場合にも、被害者の方に同じような思いをさせないためにも、しっかりと任意保険には加入していようと思いました。
今年に入り私がもらい事故に遭った際も、まさに任意保険さまさまで、スムーズなやり取りができました。それから、もともと夫婦そろって運転は慎重な方でしたが、今回の事故をきっかけに、さらに運転に慎重になりました。
歩いているときも、青信号だけを信じず必ず周りを確認し、子どもの手は放さない。運転時にはしつこいくらい周囲に注意を払い、横断歩道の近くでは車の流れよりも歩行者の保護を優先します。それでも周りに車がある限り、起こってしまうのが交通事故です。
もし事故が起こってしまっても被害が少なくなるように、誰の命も失わないように。これからも、鉄の塊を動かす緊張感を忘れず、運転していこうと思っています。
※本記事はあくまで筆者の体験談です。交通事故後の対応はケースによって都度異なります。詳しくは専門機関にご相談ください。