2023年07月15日10時00分 / 提供:ウーマンエキサイト
■前回のあらすじ
一向に進まない加害者側との交渉。しかし、事故発生時に夫を目撃し、介抱してくれた方々が警察署に出向き証言してくれたため、事故の原因は車側にあることが明確になりました。
■傷を負いながらも仕事復帰
信号無視の車に横断歩道ではねられた夫。骨折はなかったものの、顔面の痛みと腫れはなかなか引きませんでした。内出血で赤黒くなっていることもあり、歩いていると二度見されることもしばしば…。
それでも日常は戻りつつあり、夫は2週間後、仕事復帰をしました。
普段から、過剰なほどに愛情をもって患者さんと接していた夫。その変わり果てた顔に、患者さんたちにも盛大に心配されたようです。
病気や事故で入院している患者さんの日常生活を取り戻すために働いていた理学療法士の夫が、痛む身体で患者さんと接する。
ちょっと頼りないかもしれませんが、これで夫も、リハビリを怖がる患者さんの気持ちが少しわかったかもしれません。
■怯えていた息子にも変化が…
そして息子も、少しずつ目の前のその人が父親であると理解してきたようで、やっと一緒にお風呂に入ることができました。お風呂に入ってしまえばこっちのもので、あの頃と変わらない楽しそうな声が、浴室から漏れていました。
あと一歩間違えていたら、この日常が失われていたのだと思うと、とても怖くなります。しかし悲しいことに毎日のように交通事故は起こっていて、命を落としてしまうケースも…。その命の数だけ、失われてしまった幸せな日常があるのだと思うと、胸が苦しくなりました。
毎日必要になる包帯とガーゼ、軟膏薬は自費で購入していたのですが、のちのち請求できるかもしれないということで、そのレシートは保存していましたが、加害者側からは、相変わらず何の連絡もありませんでした…。
次回に続く(全11話)毎日10時更新!
※本記事はあくまで筆者の体験談です。交通事故後の対応はケースによって都度異なります。詳しくは専門機関にご相談ください。