2025年07月09日07時00分 / 提供:E・レシピ
万葉集にも詠まれる「葛」は、和菓子に欠かせない伝統食材。「葛きり」はつるんとした食感が魅力で、夏の涼菓として親しまれています。
今回はその歴史や栄養、そして和洋スイーツからスープやサラダまで全7種のアレンジレシピをご紹介!
■葛きりってどんなもの? 歴史や栄養を解説
葛きりは、葛粉を水で溶いて固めた、透明感と滑らかな口あたりが魅力の和菓子です。葛の歴史は古く、奈良時代にはすでに薬用として用いられていたのだとか。鎌倉・室町時代には中国から伝わった点心とともに和菓子の材料としても広く使われるようになったそうです。
本葛粉には、大豆由来のイソフラボン誘導体が含まれており、体を内側から温めたり、気分を落ち着かせたりする働きがあると言われています。また、鉄分やカルシウムも豊富! 女性や高齢者の栄養補給にも適しています。
これらの栄養成分は、消化にやさしく、離乳食や介護食としても優れた特性を持つ、本葛粉ならではのものです。
なお、茹でた葛きり(100g)のカロリーは約133kcal、糖質は33.3gとやや高めなので、デザートに使う場合は食べすぎに注意しましょう。
■最短10分で完成!葛きりの【デザート】レシピ3選
葛きりのオレンジソース
調理時間わずか10分の時短レシピは、ちょっと甘いものが食べたいときにぴったり。乾燥葛きりはたっぷりのお湯で茹でるのがポイントです。すぐに冷水にとり、水気を切ってからシロップと合わせましょう。オレンジの酸味と爽やかな香りは食後のひんやりデザートにも最適です。
葛きりのオレンジソース
【材料】(2人分)
葛きり(乾燥) 40g
オレンジ 1/2個
砂糖 大さじ 2
水 100ml
ハチミツ 小さじ 1
オレンジ(果汁) 1/2個分
【下準備】
1、葛きりは袋の表示通りにゆでてザルに上げ、冷水でしめて水気をきる。
2、オレンジは皮をむき、1房分ずつ取り出す。
【作り方】
1、耐熱ボウルに<シロップ>の材料を入れ、電子レンジで約20秒加熱する。砂糖が溶けたらオレンジ果汁を加え、冷蔵庫で冷やす。
2、器に葛きりとオレンジを盛り合わせ、(1)を注ぐ。
【このレシピのポイント・コツ】
電子レンジは600Wを使用しています。
手づくり黒蜜の葛きり
葛きりと言えば黒蜜、という方は多いのではないでしょうか。黒糖やハチミツなどがあれば、簡単に黒蜜が作れますよ。トロリと濃厚な蜜をぷるんとなめらかな葛きりにかければ、どこか懐かしい和スイーツの完成です。抹茶をかけても◎。
手づくり黒蜜の葛きり
【材料】(2人分)
葛きり(乾燥) 20g
砂糖 大さじ 1.5
水 大さじ 2
ハチミツ 小さじ 2
黒糖 小さじ 2
きな粉 適量
【作り方】
1、葛きりは袋の表示通りにゆでてザルに上げ、冷水でしめて水気をきる。
2、小鍋に<黒蜜>の材料を入れ、弱火にかける。材料が全て溶け、沸騰したらすぐに火から下ろす。粗熱を取る。
黒糖が焦げやすいので弱い火で穏やかに沸騰させてください。
3、器に葛きりを盛り、<黒蜜>をかけ、お好みできな粉をのせる。
【このレシピのポイント・コツ】
乾燥の葛きりは製品によって加熱時間が異なるので袋の表示をご参照ください。
抹茶ミルク葛きり
なめらかな抹茶ミルクと葛きりの和洋折衷なマリアージュが絶品です。抹茶はダマにならないよう、少しずつ熱湯を混ぜましょう。よく冷やすとより風味が増すので、夏のおもてなしデザートにもおすすめです。
抹茶ミルク葛きり
【材料】(2人分)
葛きり(乾燥) 40g
ゆで小豆(缶) 大さじ 3~4
牛乳 300ml
抹茶 小さじ 1
砂糖 大さじ 1
熱湯 大さじ 2
【下準備】
1、葛きりは袋の表示通りにゆでてザルに上げ、冷水でしめて水気をきる。
【作り方】
1、<抹茶ミルク>を作る。抹茶と砂糖を混ぜ、熱湯を少しずつ加えて混ぜる。さらに牛乳を加えてよく混ぜる。
2、器に葛きりとゆで小豆を盛り、(1)の<抹茶ミルク>を注ぐ。
■意外なおいしさ! 葛きりの【スープ&サラダ】レシピ4選
くずきりサラダ
貝われ菜やカニ風味カマボコなど、冷蔵庫にある材料でサッと作れる簡単レシピです。葛きりはくせがないため、さっぱりとした和風サラダを食べたいときにもってこい。ごまドレッシングやポン酢との相性も抜群です。冷蔵庫でしっかり冷やしてから召し上がってくださいね。
葛きりの中華サラダ
鍋料理で少しだけ残った葛きりはサラダに活用するのがイチオシ。風味豊かな中華ドレッシングと好相性です。辛いのが好きな方はサラダ油を減らしてラー油を足してもOK。キュウリ・パプリカ・ミョウガなど、お好みの野菜でアレンジしてみましょう。
葛きりの中華スープ
チキンスープの素をベースにした中華スープは味がピタリと決まるので、失敗しにくいです。ボリュームがあるため、軽めの主食代わりにも最適。葛きりをスープに使うときは、少しかために戻すと食感良く仕上がります。
葛きり入り卵スープ
ふわふわ卵と葛きりのつるんと食感が楽しいスープは、やさしい味わいにホッとします。白ネギのほかに、ニンジンやエノキなどを加えて具だくさんにしても良いですね。葛きりはどんな具材にも合わせやすいので、冷蔵庫の残り野菜で、ぜひアレンジを試してみてくださいね。
■葛きりはデザートにもおかずにも大活躍!
葛きりは、日本で古くから親しまれてきた伝統的な和菓子です。黒蜜やきな粉をかける定番の和スイーツとしてはもちろん、シロップや牛乳など洋風の味付けとも相性が良く、現代的なアレンジも自在。
また、葛きり自体に強い味がないため、サラダやスープなどさまざまな料理に合わせやすく、意外なおかずとしても重宝します。
茹でた葛きりがくっついてしまっても、水に通すと元通りになるので安心。朝のうちに茹でておき、帰ってからスープに加えたり、ドレッシングで和えたりと、手軽にアレンジを楽しんでみてくださいね。
(ともみ)