2025年07月09日14時00分 / 提供:DreamNews
化粧品グレードポリグリセリル脂肪酸エステルは、グリセリン由来の多価アルコールと植物由来の脂肪酸から合成される非イオン界面活性剤であり、天然由来成分として高い安全性と安定性を併せ持つことから、化粧品業界で幅広く使用されている。特に、乳化剤や可溶化剤としての役割が重要で、クリーム、ローション、クレンジングオイルなどの処方に適しており、肌にやさしく刺激性が低いという特徴がある。動物由来成分や石油系成分を避けたいという消費者のニーズにも合致しており、ナチュラル志向の化粧品に不可欠な素材となっている。
この成分の開発は、環境負荷を抑えた製造プロセスと機能性の両立を軸に進んでおり、多様な炭素鎖長やグリセリン重合度の調整により、粘度、乳化安定性、皮膚感触などを細かく制御する技術が成熟しつつある。また、他の植物由来成分との相溶性も良好であり、ヴィーガン対応やエコサート認証といったクリーンビューティー関連規格にも対応しやすい点が市場での評価を高めている。抗酸化成分や保湿成分との相乗効果を活かした製品設計も進められており、原料の単なる補助的役割にとどまらず、処方の中核を担う成分としての存在感を強めている。
LP Information調査チームの最新レポートである「グローバル化粧品グレードポリグリセリル脂肪酸エステル市場の成長2025-2031」によると、2025年から2031年の予測期間中のCAGRが6.0%で、2031年までにグローバル化粧品グレードポリグリセリル脂肪酸エステル市場規模は5.9億米ドルに達すると予測されている。
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