2024年11月01日11時00分 / 提供:Digital PR Platform
DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:池田尚志、以下「当社」)は、米国SandboxAQ(本社:米国カリフォルニア州、以下「SandboxAQ社」)及び米国Amazon.com Inc.(本社:米国ワシントン州、以下「Amazon社」)と「ハイパフォーマンスクラウドコンピューティングによる高精度量子化学計算手法の材料開発への適用」に関する共同研究成果を、Amazon社のウェブサイトにて発表しましたのでお知らせします。
化学分野における新たな先端材料の開発には、計算科学技術、特に高精度な量子化学計算の活用が不可欠です。例えば、化学反応の加速や選択性のコントロールのためには、触媒が重要な役割を担います。しかしながら、触媒は複雑な電子配置を有する遷移金属元素*¹を含むため、計算科学による触媒活性の定量的な予測や、現実的なサイズの触媒を精密に設計することは困難です。こうした課題解決を目的に、当社は、SandboxAQ社及びAmazon社と、触媒などの遷移金属錯体の電子構造を、分子スケールで正確に明らかにするための共同研究を2022年に開始しました。
本研究により、SandboxAQ社が提供するクラウドサービスQEMIST Cloudを、Amazon社のハイパフォーマンスコンピュータ(AWS)*²上で動作させることで、これまでにない10^270の電子配置を含む現実系の遷移金属錯体の高精度量子化学計算*³に成功しました。そして、本手法を用いて遷移金属錯体の異なるスピン状態間のエネルギーを評価し、汎用的に利用されている従来の計算手法*⁴ではエネルギーの記述が不十分であることを明らかにしました。
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