2025年12月22日14時00分 / 提供:Digital PR Platform![]()
第48回日本分子生物学会年会並びに第3回日本化粧品技術者会学術大会におけるポスター発表のご報告
ちふれホールディングス株式会社(本社:埼玉県川越市、代表取締役社長:片岡 方和)は、第48回日本分子生物学会年会(2025年12月3日~5日)*1において、「トラネキサム酸とナイアシンアミドによる相加的なメラニン生成抑制効果」、第3回日本化粧品技術者会学術大会(2025年12月8日~10日)*2において、「美白有効成分ナイアシンアミドの新規作用機序の発見」についての研究成果を発表したことをご報告いたします。
■発表タイトル
第48回日本分子生物学会年会
和文名:トラネキサム酸とナイアシンアミドによる相加的なメラニン生成抑制効果
英文名:Additive melanogenesis inhibitory effect of tranexamic acid and niacinamide
第3回日本化粧品技術者会学術大会
和文名:美白有効成分ナイアシンアミドの新規作用機序の発見
英文名:Discovery of a novel mechanism of action of niacinamide, an active ingredient in skin
whitening
■本研究の目的
シミ・ソバカスの発生プロセスは『刺激応答』、『メラニン合成』、『メラニン排出』に分けられ、これらのプロセスに最適なアプローチを取る成分を選択して組み合わせることで、個人差のある多様な肌状態に対して優れた美白化粧品を設計する事が出来ます。
美白有効成分として、トラネキサム酸は『刺激応答』にアプローチし、ナイアシンアミドは『メラニン排出』にアプローチすることが知られていますが、詳細な調査の結果、ナイアシンアミドがメラニンの合成過程に対する効果をもつ可能性があると分かりました。
本研究では、ナイアシンアミドの新たな美白作用機序を解明し、さらにトラネキサム酸とナイアシンアミドを併用することで、単独での配合時と比較し、有効な効果が得られるのかを検証しました。
■本研究で対象とした素材
1.トラネキサム酸
• 情報伝達物質の生成阻害に基づくメラニン合成抑制が知られている。
• 効果・効能:抗炎症、美白
2.ナイアシンアミド
• メラノソーム移送阻害に基づくシミ・ソバカスの予防が知られている。
• 効果・効能:美白、シワ改善
■研究成果
①メラニン合成関連タンパク質の発現変動
メラニン合成に関連する酵素チロシナーゼの発現は、ナイアシンアミドの添加により減少しました
(図1A) 。この効果は、ヒートショックプロテインの一種であるHSP70の発現をナイアシンアミドが
促進することに基づくことを発見しました(図1B)。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2936/125145/300_208_202512191457556944e9634da84.png
図1.A:チロシナーゼの発現量変化、B:HSP70の発現量変化
②メラニン合成の相加的な抑制
ヒト由来細胞を用いた皮膚モデルにおいて、ナイアシンアミドの添加によりメラニン合成が抑制されまし
た。また、トラネキサム酸とナイアシンアミドを併用すると、単独で添加した場合よりもメラニン合成の
強い抑制が認められました(図2)。
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2936/125145/300_236_202512191458586944e9a243dfd.png
図2.ヒト皮膚モデルにおけるナイアシンアミド及びトラネキサム酸の美白効果
本研究により、トラネキサム酸とナイアシンアミドの併用がシミ・ソバカスの発生プロセスに多角的に
アプローチすることができ、個人差のある多様な肌状態に対して優れた美白化粧品を設計出来ることが示
唆されました(図3)。
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2936/125145/300_123_202512191459566944e9dc73325.png
図3.トラネキサム酸とナイアシンアミドによる美白アプローチ
■今後の展望
本研究成果を活かし、今後も社会の変化や生活者のニーズにお応えするべく、研究を重ね、新たな
商品の開発に向けて取り組んでまいります。
*1…生物に関係する研究者や技術者が学術情報を交換し、学術文化の発展を図ることを目的として「日本分子生物学会」が年に一度主催する学術大会
*2…化粧品に関係する研究者や技術者が学術情報を交換し、学術文化の発展を図ることを目的として「日本化粧品技術者会」が年に一度主催する学術大会
※掲載内容は発表日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、予めご了承ください。
本件に関するお問合わせ先
ちふれホールディングス株式会社 広報部 広報課 長野・福角