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食用昆虫に含まれる機能性脂溶性成分と脂質異常症改善作用を解明

2025年10月24日14時20分 / 提供:Digital PR Platform

「食用昆虫トノサマバッタ粉末には植物ステロールなど機能性脂質が高含有される。雄の脂質異常症モデルラットの脂質代謝と腸内細菌叢を改善し、超悪玉脂質の血中濃度を顕著に低下させる」ことを国際学術誌Food Chemistry: Molecular Sciences誌に報告しました。

北里大学獣医学部動物資源科学科の栄養生理学研究室の落合優准教授、本学科卒業生の高橋侑女さん(感染制御科学府修士課程/大村智記念研究所微生物機能学研究室を今年度9月に修了)らは、食用昆虫トノサマバッタ粉末にはオメガ3脂肪酸が結合した様々なリン脂質種や植物ステロール類など脂質代謝を改善する機能性脂質を多く含むことを明らかにし、脂質異常症モデルラットにおいて肝臓および血中の脂質代謝関連指標が全面的に改善され、かつ脂質代謝の改善に寄与するアッカマンシア属の占有率を雄特異的に上げることを明らかにしました。本研究成果は国際誌Food Chemistry: Molecular Sciences誌(インパクトファクター:4.7)に掲載されました(2025年9月25日付)。本研究は、長崎県立大学看護栄養学部の城内文吾教授との共同研究であり、本学科の鈴木喜博講師、高橋辰行講師、長竿淳准教授、本学科修士課程(獣医学系研究科動物資源科学専攻)を2023年度に修了した峰夏南さんとの共同で実施した結果です。

脂質異常症は日本国内で401万人(男性125万人、女性276万人)(2025年1月、厚生労働省)が罹患する代表的な疾患であり、合併症の進展にもつながります。スタチンやエゼチミブなど高コレステロール血症を改善する医薬品化合物は開発され、天然食品素材の中でも数多くの成分に脂質代謝を改善する作用があることが報告されておりますが、代替食料資源として期待される食用昆虫や昆虫由来成分を用いた検討例は数少ないのが現状です。しかし、トノサマバッタをはじめとする数種類の食用昆虫には、動物資源としては貴重なオメガ3脂肪酸を豊富に含むなど、脂質異常症の予防・改善に有効な成分が含まれること(2021年)をこれまでの著者らの研究で明らかにしており、以前の研究(2022年)において、雄の健常ラットにおいて脂質代謝を改善する可能性を示唆する成果を公表しました。しかし一方で、同効果の雌雄差、脂質異常症モデル動物への効果、効果を導き出す作用機序については不明な点が多く残されていました。

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