2025年06月26日10時04分 / 提供:Digital PR Platform
あおり運転の厳罰化を盛り込んだ「改正道路交通法」の施行から5年
事故やトラブルに備え、ドライブレコーダーの利用率は66.6%と上昇傾向
チューリッヒ保険会社(東京都中野区、日本における代表者および最高経営責任者:西浦 正親)は、今年で8回目となる「あおり運転実態調査」を行い、普通自動車免許と自家用車を所有し、週1回以上運転をしている全国の18~69歳の男女2,230人にご回答いただきました。
本年は2020年6月30日に施行された、あおり運転の厳罰化を盛り込んだ「道路交通法」の改正から5年の節目です。今回の調査では、この5年以内にあおり運転をされた経験があると回答したドライバーは34.5%でした。
5年以内にあおり運転をされた経験があると回答したドライバー413人のうち、2020年6月末に施行された道路交通法の改正を知っていると回答したドライバーは90.1%と大多数を占めました。あおり運転に遭わないための工夫と、あおり運転をしていると誤解されないために気を付けていることとして、いずれも「車間距離をしっかりとる」の回答が最も多く、周囲に配慮した運転を心がけているドライバーが多い結果となりました。さらに、あおり運転を防止するために有効だと思う施策として、「更なる厳罰化」という回答が最多の73.1%となりました。
また、自家用車にドライブレコーダーを取り付けていると回答したドライバーは2,230人中66.6%と過半数を占め、利用率は年々上昇しています。ドライブレコーダーを利用している理由として、最も多かった回答は「事故やトラブルの発生時に自分が不利にならないようにするため(89.3%)」でした。一方で、ドライブレコーダーを利用していない理由は、「機器の購入や取り付けに費用がかかるため(60.4%)」、「設置を検討中である(40.6%)」、「取り付けが面倒なため(19.3%)」と続き、ドライブレコーダーの有用性は認識されながらも、コストや手間が導入の障壁となっていることがうかがえました。
本調査では、専門家の見解も交えながら、最新のあおり運転の実態と、あおり運転に遭わないための工夫や、遭ってしまった場合の対処法、またドライブレコーダーの利用状況などを明らかにし、その結果を発表します。当社は今後もドライバーの皆さまが安全にカーライフを楽しめるよう情報発信を続けてまいります。
【調査結果要約】
<あおり運転に関する調査>
1. 5年以内にあおり運転をされた経験があると回答したドライバーは34.5%
2. 2020年6月末に施行された「改正道路交通法」への法改正を知っていると回答したドライバーは90.1%
3. あおり運転を防止するために有効だと思う施策は、「更なる厳罰化」が最多の73.1%
4. 遭遇したあおり運転は、「後方から激しく接近された」が最多の84.3%。あおり運転された際の対処方法は、「道を譲った(51.1%)」、「何もしなかった(28.8%)」が上位
5. あおり運転をされたきっかけに思い当たることがないドライバーは63.9%。思い当たることがあると答えたドライバーが考えるきっかけとしては、「スピードが遅かった(30.2%)」、「制限速度で走っていた(26.8%)」と、走行速度に関する回答が多い結果に
6. あおり運転をされないための工夫は、「車間距離をしっかりとる(59.8%)」、「ウィンカーは早めに出す(42.1%)」。一方で、あおり運転をしていると周囲に誤解されないために気を付けていることは、「車間距離をしっかりとる(82.8%)」、「無理な追い越しや割り込みをしない(57.6%)」となった
※項目2~6の対象は、5年以内にあおり運転をされた経験があると回答したドライバー413人
<ドライブレコーダーの利用に関する調査>
7. 自家用車にドライブレコーダーを取り付けていると回答したドライバーは66.6%
8. ドライブレコーダーを利用している理由として、最も多かった回答は「事故やトラブルの発生時に自分が不利にならないようにするため(89.3%)」。ドライブレコーダー導入のきっかけは、「自動車事故やあおり運転のトラブルに関する報道やSNSの発信を見たため」が最多の56.8%
9. ドライブレコーダーを利用していない理由は、「機器の購入や取り付けに費用がかかるため(60.4%)」、「設置を検討中である(40.6%)」、「取り付けが面倒なため(19.3%)」と続き、ドライブレコーダーの有用性は認識されながらも、コストや手間が導入の障壁に
※項目8の対象は、ドライブレコーダーを利用していると回答したドライバー206人。項目9の対象は、ドライブレコーダーを利用していないと回答したドライバー207人
【調査概要】
調査タイトル:あおり運転に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2025年5月23日~5月30日
調査対象:全国の普通自動車免許と自家用車を所有し、週1回以上運転をしている18~69歳の男女2,230人
【出典について】本調査内容を転載される場合は、出典がチューリッヒ保険会社であることを明記くださいますよう、お願いいたします。
<あおり運転に関する調査>
1. 5年以内にあおり運転をされた経験があると回答したドライバーは34.5%
5年以内にあおり運転をされた経験があると回答したドライバーは34.5%でした。また、5年以上前も含めて、過去にあおり運転をされた経験があるドライバーは52.4%と約半数を占める結果となりました。
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【九州大学 志堂寺教授の見解】
あおり運転の厳罰化以降となる、5年以内にあおり運転を受けたと回答したドライバーは34.5%でした。最近の状況を示す半年以内においては15.2%です。また、TV、新聞、SNSでは危険なあおり運転に関する情報が今でも次々と出てきています。これらを勘案すると、現在でもあおり運転が横行している危険な状態であると言って良いのではないかと思います。あおり運転の多くは、後ろの車がぴったりと車間を詰めてくるタイプのあおり運転です。あおられたという意識はドライバーの主観的な判断ですが、あおり運転に関する情報が多く流れ、あおり運転に対して以前よりも敏感に感じるようになっている現在では、あおっていると思われないような運転が必要です。あおり運転と感じられないためにはどの程度の車間が必要かは明確ではありませんが、前の車のドライバーからすると後続車が大きな車であればあるほど接近してくると圧迫感を強く感じます。事故防止の観点からは、前の車が通過した地点を基準に一般道路で2~3秒の時間差が生じるように走行するのが望ましいと言われていますので、これを目安に運転すると良いと思います。
2. 2020年6月末に施行された「改正道路交通法」への法改正を知っていると回答したドライバーは90.1%
2020年6月末に、あおり運転の厳罰化を盛り込んだ「改正道路交通法」が施行されました。5年以内にあおり運転をされた経験があると回答したドライバー413人のうち、この法改正を知っていると回答したドライバーは90.1%と大半を占めました。またこのうち、法改正によってあおり運転の危険性に対する意識が高まったと回答したドライバーは85.7%でした。
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3. あおり運転を防止するために有効だと思う施策は、「更なる厳罰化」が最多の73.1%
あおり運転を防止するために有効だと思う施策を聞いたところ、「更なる厳罰化」という回答が最多の73.1%でした。次いで、「高速道路や幹線道路での常時監視カメラの拡充(44.8%)」、「ドライブレコーダー設置の義務化(44.3%)」となりました。
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【九州大学 志堂寺教授の見解】
あおり運転を防止するために有効だと思う施策を尋ねる質問項目でもっとも多く選択されたのは「更なる厳罰化」でした(73.1%)。2020年の改正道路交通法では、あおり運転を「妨害運転」と規定し、罰則として「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、著しい危険を生じさせた場合は「最高で5年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科すとしていますので、あおり運転を防止するためにはこれをさらに厳しくすべきであるというご意見です。一方、「高速道路や幹線道路での常時監視カメラの拡充」、「ドライブレコーダー設置の義務化」、「パトロールの強化」は、あおり運転を見逃さない施策の強化ですが、それぞれ40%前後となっています。あおり運転の被害に遭った経験を持つドライバー達は、あおり運転を見逃さない、見つけたら厳罰に処するという強い対応が有効だと考えています。私個人としては、ドライブレコーダーの義務化あるいはそれに近い状態を作ることが有効ではないかと考えています。現在、ドライブレコーダーの普及率はかなり高くなっています。一定数以上の普及があり、その記録を簡単に活用できるようなシステムを構築できれば、ほとんどのあおり運転を見つけることができるようになると思われます。
4. 遭遇したあおり運転は、「後方から激しく接近された」が最多の84.3%。あおり運転された際の対処方法は、「道を譲った(51.1%)」、「何もしなかった(28.8%)」が上位
遭遇したあおり運転について聞いたところ、「後方から激しく接近された」という回答が最多の84.3%、次いで、「左側から追い越された(26.6%)」、「必要のないハイビームをされた(25.2%)」となりました。また、あおり運転をされた際の対処方法としては、「道を譲った」が最多の51.1%、次いで「何もしなかった(28.8%)」、「他の道に逃げた(22.5%)」となり、あおり運転に遭遇しても、冷静に対応するドライバーが目立つ結果となりました。
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5. あおり運転をされたきっかけに思い当たることがないドライバーは63.9%。思い当たることがあると答えたドライバーが考えるきっかけは、「スピードが遅かった(30.2%)」、「制限速度で走っていた(26.8%)」と、走行速度に関する回答が多い結果に
あおり運転をされたきっかけについて、思い当たることがないと答えたドライバーが63.9%と過半数を占めました。思い当たることがあると答えたドライバーに、きっかけと考えられる運転行動を聞いたところ、「スピードが遅かった(30.2%)」、「制限速度で走っていた(26.8%)」、「車線変更をした(23.5%)」、「追い越しをした(22.8%)」と続き、運転速度に関する回答が多い結果となりました。
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6. あおり運転をされないための工夫は、「車間距離をしっかりとる(59.8%)」、「ウィンカーは早めに出す(42.1%)」。あおり運転をしていると周囲に誤解されないために気を付けていることは、「車間距離をしっかりとる(82.8%)」、「無理な追い越しや割り込みをしない(57.6%)」となった
あおり運転をされないように工夫していることを聞いたところ、「車間距離をしっかりとる(59.8%)」、「ウィンカーは早めに出す(42.1%)」、「ドライブレコーダーを前後『2ヵ所』以上に設置した(39.0%)」と続きました。「ドライブレコーダーを前方『1ヵ所』に設置した」も20.1%の回答があり、安全運転を心がけるとともに、ドライブレコーダーを設置することで、あおり運転をされないよう対策している回答が目立ちました。
一方で、あおり運転をしていると周囲に誤解されないために気を付けていることは、「車間距離をしっかりとる(82.8%)」、「無理な追い越しや割り込みをしない(57.6%)」、「周囲をよく見て、相手に譲る(45.8%)」と続き、車間距離や周囲への配慮に関する回答が高い傾向にありました。
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【九州大学 志堂寺教授の見解】
ドライバーはあおり運転をされたくないと思うと同時に、自分があおり運転をしていると誤解されたくないとも思っています。「あおり運転をしている」と誤解されないために気をつけていることに関する質問の結果は、「車間距離をしっかりとる」がもっとも多くなりました(82.8%)。どんなあおり運転をされたかという質問に対しては、「後方から激しく接近された」が84.3%でしたので、その体験を元に前を走るドライバーからあおり運転をしていると誤解を受けないように気を遣っていると思われます。2番目に多く選ばれたのは「無理な追い越しや割り込みをしない」でした(57.6%)。これは相手の車の前に出るときの注意です。TVやSNSでは、車が急に前に入ってきて、そこから急ブレーキなどの危険な行為に及ぶ動画がいくつも紹介されています。6割近いドライバーは、最初の段階である、急に前に入ってくるという場面を作らないように気をつけているようです。
<ドライブレコーダーの利用に関する調査>
7. 自家用車にドライブレコーダーを取り付けていると回答したドライバーは66.6%
自家用車にドライブレコーダーを取り付けていると回答したドライバーは2,230人中66.6%となり、昨年2024年に実施した調査での63.1%から3.5ポイント上昇しました。ドライブレコーダーについて調査を開始した2021年からの結果を比較してみると徐々に割合が上昇しており、ドライブレコーダーの利用率が高まっていることがわかります。
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8. ドライブレコーダーを利用している理由として、最も多かった回答は「事故やトラブルの発生時に自分が不利にならないようにするため(89.3%)」。ドライブレコーダー導入のきっかけは、「自動車事故やあおり運転のトラブルに関する報道やSNSの発信を見たため」が最多の56.8%
ドライブレコーダーを利用しているドライバー206人を対象にその理由を聞いたところ、「事故やトラブルの発生時に自分が不利にならないようにするため」という回答が最多の89.3%となりました。また、ドライブレコーダー導入のきっかけは、「自動車事故やあおり運転のトラブルに関する報道やSNSの発信を見たため(56.8%)」、「防犯対策のため(48.1%)」、「周囲で事故やトラブルにあった話を聞いたため(38.3%)」と続き、日々の報道やSNSなどの発信に触れ、事故やトラブルに対して、ドライバーの自身の身を守る意識が高まっていることがうかがえる結果となりました。
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9. ドライブレコーダーを利用していない理由は、「機器の購入や取り付けに費用がかかるため(60.4%)」、「設置を検討中である(40.6%)」、「取り付けが面倒なため(19.3%)」と続き、ドライブレコーダーの有用性は認識されながらも、コストや手間が導入の障壁に
ドライブレコーダーを利用していないドライバー207人を対象にその理由を聞いたところ、「機器の購入や取り付けに費用がかかるため」という回答が最多の60.4%でした。次いで、「設置を検討中である(40.6%)」、「取り付けが面倒なため(19.3%)」となり、ドライブレコーダーの利用による、事故やトラブル発生時の備えやトラブルの抑止といった効果は認識されながらも、コストや手間が導入の障壁となっている実態がうかがえる結果となりました。
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【九州大学 志堂寺教授の見解】
ドライブレコーダーを利用している理由ならびに、導入のきっかけについての質問に対する回答の傾向を見ていくと、ドライバーは、さまざまな情報を元に自分を守らなければならないという気持ちになってドライブレコーダーを使っていることがわかります。一昔前であれば、情報は乏しくかつ自衛する手段はありませんでした。ドライブレコーダーの導入にコストはかかりますが、車の購入価格、維持費と比較するとごくわずかで、それならばドライブレコーダーを設置して安心を得たいというドライバーが増えてきています。
一方、ドライブレコーダーを利用していない理由としては、コスト面で躊躇していることがうかがえます。購入前にはドライブレコーダーの記録が必要となるような事態が発生するかどうかはわかりません。わからないことに対しては、お金は出したくないと考えているのだろうと思います。2番目に多かったのは「設置を検討中」でした(40.6%)。詳細はわかりませんが、もう少し安くなるのを待っている、もうすぐ車を買い換えるのでその時にと思っているなどが考えられます。検討中を選択したドライバーはドライブレコーダーのメリットは理解していると思われ、そのうちの何割かは、条件が整えばドライブレコーダーを設置するのではないかと思われます。
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【志堂寺 和則 九州大学大学院システム情報科学研究院教授】
1962年生まれ。九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。九州大学助手、長崎大学講師、九州大学助教授、准教授を経て現在に至る。専門は、交通心理学、ヒューマンインタフェース。実車やドライビングシミュレータを用いたドライバーの運転行動の計測や運転適性の研究に従事。著書には、『交通心理学』(北大路書房 分担)、『交通心理学入門』(企業開発センター 分担)、『交通事故防止の人間科学』(ナカニシヤ出版 分担)、『ヒューマンインタフェース』(コロナ社)、『レクチャー ヒューマンコンピュータインタラクション』(数理工学社)、『大切な親に、これなら「決心」させられる! 免許返納セラピー』(講談社 監修)などがある。
チューリッヒ保険会社について
チューリッヒ保険会社(チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド)は、チューリッヒ・インシュアランス・グループのアジアにおける重要拠点として、1986年、日本に設立されました。当社は、ダイレクトビジネス、提携ビジネスなど、複数のチャネルを通じて個人のお客さまに幅広い保険サービスを提供しています。