2025年12月15日15時00分 / 提供:@Press![]()
新たな研究方法の導入により、初めて、人間の歯石から直接、キビの消費を示す微量な痕跡が確認された。この発見は、中世ウクライナの食生活に関する前例のない知見を提供するとともに、考古学者が古代の食文化を再構築するために利用可能な方法のレパートリーを広げるものである。
国立文化財機構 奈良文化財研究所、ヨーク大学、ヴィリニュス大学、フロンティア・ラボ株式会社、ウクライナ国立科学アカデミー考古学研究所の研究者らは、ウクライナ中部のオストリフ墓地(西暦10~12世紀)から出土した人骨より採取した歯石に対し、先進的な分析技術である熱脱着ガスクロマトグラフィー・質量分析法(TD-GC/MS)を適用した。
研究チームは、分析対象31個体中8個体から、キビ(Panicum miliaceum)に特に豊富に含まれる分子バイオマーカーであるミリアシンを検出することに成功した。これは世界で初めて人類の歯石から採取された、キビの摂取を示す直接的な生体分子の証拠である。
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