2025年09月03日14時45分 / 提供:@Press
阪急文化財団が運営する逸翁(いつおう)美術館は、現在の阪急阪神東宝グループの創業者である小林一三(こばやしいちぞう)(1873~1957)の雅号「逸翁」を冠し1957年に開館(2009年に現在地に移転)、逸翁が収集した5,500件の美術工芸品や約22,000枚の役者絵等の歌舞伎関連資料などをもとに、年数回の企画展を開催しています。
逸翁美術館が所蔵する重要文化財16件のうちのひとつ「芦引絵(あしびきえ)」は、室町時代に流行した稚児物語を絵画化した作品です。物語は、比叡山延暦寺の僧が、東大寺の聡明な少年を見初めるところより始まり、その後の二人の別離と邂逅とを描きます。
室町時代末期に比叡山で五巻の「芦引絵」が作られ、それを模写させたという記録がありますが、いずれも現存しません。この絵巻はそれらを写して現在に伝える、唯一の貴重な作品となります。
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