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植物間の塩ストレス情報伝達を地上と地下で同時解明 ― 受信者の遺伝的距離に応じて異なる伝達機能 ―

2025年09月03日14時00分 / 提供:@Press

概要



京都大学、弘前大学、名城大学、イスラエル・ベン=グリオン大学、福島大学の研究チームは、日本の在来植物であるオオバコ(Plantago asiatica)が塩ストレスを受けた際に、地上と地下の両方を通じてストレス情報を他の個体に伝達していること、さらに情報が伝わる相手が地上部と地下部で異なることを明らかにしました(図1)。塩ストレス情報は、地下部の根を介した場合、同じ親個体由来のきょうだい個体間で伝達されやすい一方、地上部の空気(揮発性化合物など)を介した場合は、遺伝的な差異に関係なくすべてのオオバコ個体に伝わり、塩ストレスに対して有効と考えられる気孔を閉じる反応を誘発することが分かりました。これらの結果は、地上部と地下部の情報伝達がそれぞれ異なる機能をもつことで複雑な個体間の情報伝達が行われている可能性を示しています。今後は、このような情報のやりとりがオオバコの生存や成長、そして集団全体のストレス耐性にどのように影響しているのかを詳しく調べることで、植物の集団レベルでのストレス耐性機構の解明が期待されます。

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