2022年12月21日15時40分 / 提供:PR TIMES
~毛髪成分の健康検査への活用を目的に2020年より共同研究を実施~
毛髪・美容・健康のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 津村 佳宏)は、2022年11月18日(金)~11月21日(月)にメルボルンコンベンションアンドエキシビションセンター(オーストラリア、ビクトリア州、メルボルン)で開催された第12回世界毛髪研究会議「World Congress for Hair Research(WCHR2022)」において、公益財団法人かずさDNA研究所との共同研究成果として、毛髪中の代謝物質に関するマルチオミクス解析の研究成果を発表いたしました。
毛髪は伸長の過程で生体成分を取り込み、それらが長期間にわたり安定的に存在するため、毛髪成分を解析して、健康指標に役立てる研究が世界中で行われています。しかし、これまでに毛髪成分を網羅的に解析して、経時的な安定性を評価した報告はほとんどなく、未だ健康指標としての利活用が進んでいない状況です。
そこで当社では2020年より、毛髪成分の健康検査への活用を目的に、毛髪成分を正確に測定するための方法を探る研究を、世界初のDNA専門研究機関であるかずさDNA研究所と共同で行っています。今回はその研究成果の途中報告を、WCHR2022で行いました。WCHR2022は隔年で開催され、世界中の毛髪・皮膚分野の医師や研究者が一堂に会し、講演やポスターセッションによりその研究成果を発表する、毛髪研究の世界最先端の学会です。
会期中の11月20日(日)にかずさDNA研究所 生体分子解析グループ グループリーダーの池田 和貴先生が口頭発表を行いました。
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■発表概要
演題
「マルチオミクス※解析による毛髪中の健康指標分子の探索」
原題:Exploring Health Indicator Molecules in Hair by Multi-omics Analysis
※マルチオミクスとは、生体内の機能を担うさまざまな分子について、網羅的に探索研究する学問分野で、例え
ば脂溶性代謝物(脂質)・親水性代謝物・タンパク質を解析対象とするものとして、リピドミクス・メタボロミ
クス・プロテオミクスに分類される。
演者
公益財団法人かずさDNA研究所
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生体分子解析グループ グループリーダー
池田 和貴先生
講演内容
毛髪は伸長の過程で生体成分を取り込み、それらが長期間にわたり安定的に存在する“メモリー”組織として期待されている。このため、毛髪成分を解析して、健康指標に役立てるような仕組みづくりが世界中で行われている。しかしながら、これまでに毛髪成分を網羅的に解析して、経時的な安定性を評価した報告はほとんどなく、未だ健康指標としての利活用が進んでいない。
本研究では、健常な男性と女性(各3名)の毛髪について、根元(1か月前相当)、中間(6か月前相当)、毛先(12か月前相当)に切り分け、毛髪の成分のマルチオミクス解析を行い、同定された分子の経時的な安定性を検討した。
その結果、メタボロミクスでは95分子、リピドミクスでは466分子、プロテオミクスでは6,840分子(合計7,401分子)もの同定に世界に先駆けて成功した。また、これらの安定性に関して、アミノ酸などの親水性代謝物は、根元と比較して中間・毛先で顕著に減少していることが明らかとなった。一方で、脂質やタンパク質は、根元・中間・毛先で大きな差異のないものが多く、将来的に健康指標として活用できる可能性が示唆された。
今後はこれらの候補分子について、血中濃度や健康診断情報などとの相関解析も進め、ヘルスケアシステムの実用化に向けて取り組む予定である。
学会概要
学会名称:第12回世界毛髪研究会議 [The 12th World Congress for Hair Research]
会 期:2022年11月18日(金)~11月21日(月)
会 場:Melbourne Convention and Exhibition Centre
(オーストラリア、ビクトリア州、メルボルン)
会 頭:Prof. Rodney Sinclair
アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、毛髪に関連した多種多様な研究に積極的に取り組んでおります。
その研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、研究成果を発表していくことは、毛髪関連業界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消だけでなく心身の健康にも寄与し、当社のCSR(企業の社会的責任)であると考えております。
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