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アゾール系抗真菌薬はマルチキナーゼ阻害薬による表皮細胞障害を抑制する

2025年05月08日12時40分 / 提供:PR TIMES

― 手足症候群の新しい治療法の開発に役立つ可能性 ―

順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所・順天堂かゆみ研究センターの加藤塁 大学院生、鎌田弥生 准教授、高森建二 所長らの研究グループは、分子標的型抗がん剤*1の一種であるマルチキナーゼ阻害薬(MKI)*2のソラフェニブ*3による皮膚障害にアゾール系抗真菌薬*4が細胞保護作用を示すことを解明しました。MKIの副作用は、手掌や足底などに過角化や痛みのある水疱が出現する手足症候群(HFSR)*5を高率に発症することが知られています。しかしながら、その発症機序や根本的な治療法は明らかにされていませんでした。研究グループはソラフェニブによる表皮細胞障害の発症機序には炎症性サイトカインの分泌促進やアポトーシス阻害因子cIAP-1*6の発現低下によるアポトーシス*7の促進が関与しており、アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール*8が細胞障害を抑制することを解明しました。また、外用薬のケトコナゾール*9をHFSR患者の病変部に塗布すると、症状が改善することも明らかになりました。本成果はこれまで対症療法しかなかったHFSRに対し、アゾール系抗真菌薬投与による治療法の可能性を示すものです。本論文はActa Dermato-Venereologica誌のオンライン版に2025年4月28日付で公開されました。
本研究成果のポイント

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