2025年05月01日17時40分 / 提供:PR TIMES
~ 新規治療「腸内細菌療法」の確立に向けて ~
順天堂大学 大学院医学研究科腸内細菌療法リサーチセンターの石川大 センター長、医学部消化器内科学講座の永原章仁 教授、とメタジェンセラピューティクス株式会社の山田拓司 最高科学顧問らによる研究グループは、潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)の新たな治療法として注目されている「腸内細菌叢移植療法(Fecal Microbiota Transplantation:FMT)」について、治療効果およびその効果に関与する「良いドナー」の条件、ならびに患者とドナーの腸内細菌叢*1のマッチングの重要性を明らかにしました。潰瘍性大腸炎は、原因不明の慢性炎症性腸疾患であり、厚生労働省指定の難病です。その発症には腸内免疫と腸内細菌叢のバランス異常が関係しているとされており、健康なドナーから提供される腸内細菌を移植するFMTが新たな治療選択肢として期待されています。
本研究では、2014年から実施されてきたFMTの臨床研究に参加した97例の潰瘍性大腸炎患者のデータを詳細に解析しました。その結果、FMTの治療効果は患者の病勢の重症度や過去の薬剤使用歴と関連していることが明らかになりました。また、治療効果が高かったドナーには特定の有用菌種*2が存在しており、さらにそのドナーと患者の腸内細菌叢の構成が類似している場合、治療効果が高い傾向があることが確認されました。
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