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十八世中村勘三郎 十三回忌追善 中村勘九郎 中村七之助 中村勘太郎 中村長三郎「陽春歌舞伎特別公演 2024」中村勘九郎 中村七之助「春暁歌舞伎特別公演 2024」中村勘九郎 中村七之助 合同取材会

2024年01月19日18時15分 / 提供:PR TIMES

オフィシャルレポート到着

2024年3月26日(火)から4月1日(月)まで、全国6カ所で「陽春歌舞伎特別公演2024」を、4月4日(木)から24日(水)までは全国15カ所で「春暁歌舞伎特別公演2024」を開催する中村屋の巡業公演。その合同取材会が1月11日、都内で行われた。今回は「十八世中村勘三郎 十三回忌追善」と銘打ち、ゆかりの演目を揃えた記念の公演。各演目の見どころと、20年という節目を迎えた心境を、中村勘九郎と中村七之助が語った。

[画像: https://prtimes.jp/i/41063/561/resize/d41063-561-2b5696bc379d954dabd7-0.jpg ]

――2005年から始まった巡業公演も、今年で20年目となります。振り返っていかがですか?

勘九郎「おかげさまをもちまして、この巡業公演も20年となりました。こうして続けていられますのも、お客様やスタッフ、ご声援をくださる皆さまのおかげとありがたく、感謝しております。今回は父の十三回忌追善も兼ねてやらせていただくのですが、もう13年という気持ちと、まだ13年という気持ち、いろんな感慨が自分の中にあります。今後も父が愛した歌舞伎を受け継ぎ、繋いでいけたらと思っています」

七之助「今年は2月の歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』に引き続き、3月の名古屋平成中村座、この巡業公演、そして10月までと、1年を通して追善興行をさせていただきます。何卒ご声援のほど、よろしくお願いいたします」

――毎年人気の公演ですが、全国を訪れる巡業公演ということで、何かご苦労などはありますか?

勘九郎「この公演を始めたのが21、2歳の時ですから、それから20年。いま42歳になりまして、昨秋の公演では、各地に移動するうちに腰痛になるという経験を初めてしました(笑)。ただ不思議なんですが、役者というものは板の上に立ったらもう大丈夫になってしまうんですよ。お客様が入ってくださって、反応してくださって、拍手をいただくと、もう疲れなんて吹っ飛んでしまう。今回も楽しみに来てくださるお客様のために、最新の健康グッズを揃えて挑みたいと思います(笑)」

七之助「特に苦労というのはないのですが、各地の劇場や芝居小屋に行くと、舞台の間口が変わるので毎回確認するのは少し大変ですね。ただ、そういうちょっとした芝居小屋の違いが、逆に楽しみだったりするんですよ」

――恒例のトークコーナーは今回も健在。各地の劇場でおふたりと客席がやりとりする“質問コーナー”が人気ですね。

勘九郎「トークコーナーで、『今回初めて歌舞伎をご覧になる方、手を挙げてくださ~い』と言うと、7割くらいの方が手を挙げられるんです。やっぱり最初に見るものってとても大切ですし、初めて歌舞伎を観て『やっぱりよくわからなかった、つまらなかった』となるのは絶対に嫌なので、質問コーナーではこちらからもいろいろとお聞きしています(笑)」

七之助「トークコーナーは、お客様と対談をしているような気持ちになりますね。お客様との会話に出たお店には、実際にごはんを食べに行ったりしています。そんな風に各地で交流するのが楽しみなんです」

――『陽春特別公演』では、トークコーナーに続いて『鶴亀』の上演です。

勘九郎「中村小三郎と中村仲弥、中村仲四郎が出演いたします。歌舞伎舞踊の代表的な作品ですし、鶴と亀が帝の長寿と弥栄を讃えて舞うおめでたい作品です。お弟子さんたちも様々な舞台に出演して、表現方法をどんどん身に付けてきていますので、今回もしっかりと踊りを見せられることと思います」

――続いて『舞鶴雪月花(ぶかくせつげっか)』。十七世勘三郎のために作られた演目で、「舞鶴(ぶかく)」というのは十七世の俳名なのですね。

七之助「私は“桜の精”をさせていただくのですが、春から秋、冬へと、ひと幕を通して季節の移ろいを描く、視覚的にもとても美しい作品です。歌舞伎舞踊の面白さが詰まった、見応えある舞踊です」

勘九郎「私は今回初めて“雪達磨”を踊るのですが、祖父に当て書きされただけに、とても人間らしいというか、チャーミングで情に溢れた踊りなんです。そこはやっぱり中村屋らしい踊りなんだなっていうのは改めて感じますし、難しいですが、楽しんで踊りたいですね」

――勘九郎さんの息子、勘太郎さんと長三郎さんは“松虫”に扮して踊ります。

勘九郎「2人とも初めて松虫を踊るのですが、勘太郎は、舞台での“目”がね、最近ますます父に似てきました。あの覇気をまとえる“目”は、なかなかないのではないかと思います。長三郎のほうは独特な感性を持っているので、松虫の可愛らしくて不思議な振付も、『彼ならやってくれる』と思っています。祖父や父から受け継いだものを、こうやって繋げていけるのは嬉しいことですね」

七之助「2月の歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』の『猿若江戸の初櫓』で、勘太郎は歌舞伎座で初めて主役を勤めますし、長三郎は『連獅子』の仔獅子の精を初役で勤めます。その1ヶ月で彼らがどこまで大きくなるか、その成果をもって3~4月の巡業公演にどう挑むか。その成長ぶりを楽しみにしています」

――『春暁特別公演』のほうは、トークコーナーの後、『若鶴彩競廓景色(わかづるいろどりきそうさとげしき)』の上演です。

勘九郎「中村仲助と中村仲侍が鳶頭に、中村仲之助と、紀伊国屋の澤村國久さんが芸者に扮して踊ります。廓情緒たっぷりに描かれる「にわか(俄獅子)」という踊りがあるんですけれども、この踊りをベースに振り付けを行いますので、ぜひ注目してください。鳶頭と芸者の爽やかな、粋な踊りになっていると思います」

――続いては、『舞鶴五條橋(ぶかくごじょうばし)』。こちらも「舞鶴(ぶかく)」と付いた演目で、初演では十七世勘三郎と十八世勘三郎(当時は五代目勘九郎)が親子共演して話題となった、ゆかりの作品。武蔵坊弁慶は勘九郎、常盤御前は七之助、そして牛若丸は中村鶴松という配役です。

七之助「牛若丸と武蔵坊弁慶が出会う五條橋のシーンは有名ですが、この作品では常盤御前と牛若丸の親子の物語も描かれます。前半は親子の別れ、後半は迫力ある立廻りと、2つの魅力が味わえるのが見どころなんですよ」

勘九郎「今回は父の追善ということで、中村屋に深いゆかりのある踊りを選ばせていただきました。『舞鶴雪月花』も『舞鶴五條橋』も本当に素晴らしい作品なので、祖父や父の踊りをヒントに、少しでもうまく表現できたらいいなと思っています」

――各地の伝統ある芝居小屋でも上演が予定されています。「芝居小屋」について、どんな想いを抱いていらっしゃいますか?

七之助「芝居小屋を回るっていうのは父が大切にしていたところで、『訪れなければ芝居小屋の命が無くなってしまう』とも言っていました。最初はそういうところで上演するのは難しいのでは?といろいろな方に言われたのですが、父は襲名の時に、各地の芝居小屋を回ることを実現。熊本の八千代座や秋田の康楽館……その土地土地の方が受け入れてくださったことも含めて、それぞれの芝居小屋には深い思い入れがあります」

勘九郎「芝居小屋はもちろん、これだけ各地を回っていると、それぞれの劇場にお世話になった方がたくさんいらっしゃいます。昨年の『錦秋特別公演』では、富山の氷見市芸術文化会館や、金沢の本多の森ホールにもお世話になったばかりなので、このたびの能登半島地震のニュースを目にするたびに、胸が痛む思いでおります。僕たちが出来ることといえば、『少しでもいい舞台をお届けすること』だけかもしれません。それでも、これからも精進して、皆さまのお力に少しでもなれたら……と願っております」

取材・文/藤野さくら 撮影=福岡諒祠(株式会社GEKKO)

公演概要

◆陽春歌舞伎特別公演2024
<演目>
一、トークコーナー
二、鶴亀(つるかめ) 長唄囃子連中
帝 中村 小三郎
鶴 中村 仲弥
亀 中村 仲四郎
萩原雪夫 作
三、舞鶴雪月花(ぶかくせつげっか) 長唄囃子連中
二世 藤間勘祖 振付
十四世 杵屋六左衛門 作曲
桜の精 中村 七之助
松虫 中村 鶴松
松虫 中村 長三郎
松虫 中村 勘太郎
雪達磨 中村 勘九郎
日程:
3月26日(火) 千葉 浦安市文化会館 大ホール
27日(水) 東京 府中の森芸術劇場 どりーむホール
28日(木) 茨城 水戸市民会館 グロービスホール
30日(土) 群馬 高崎芸術劇場 大劇場
31日(日) 宮城 東京エレクトロンホール宮城
4月 1日(月) 静岡 アクトシティ浜松 大ホール

◆春暁歌舞伎特別公演2024
<演目>
一、トークコーナー
二、若鶴彩競廓景色 (わかづるいろどりきそうさとげしき) 長唄囃子連中
鳶頭 中村 仲助
鳶頭 中村 仲侍
芸者 中村 仲之助
芸者 澤村 國久
萩原雪夫 作
三、舞鶴五條橋(ぶかくごじょうばし) 長唄囃子連中
藤間勘祖 振付
十四世 杵屋六左衛門 作曲
武蔵坊弁慶 中村 勘九郎
牛若丸 中村 鶴松
室町次郎 中村 いてう
堀川太郎 中村 山左衛門
常磐御前 中村 七之助
日程:
4月 4日(木) 福岡 キャナルシティ劇場
5日(金) 熊本 八千代座
6日(土) 長崎 長崎ブリックホール 大ホール
7日(日) 佐賀 佐賀市文化会館 大ホール
9日(火) 岡山 岡山芸術創造劇場ハレノワ 大劇場
10日(水) 愛媛 内子座
12日(金) 岐阜 五毛座
13日(土) 岐阜 東座
14日(日) 岐阜 かしも明治座
15日(月) 岐阜 相生座
18日(木) 秋田 小坂町康楽館
19日(金) 秋田 あきた芸術劇場ミルハス 大ホール
20日(土) 岩手 盛岡市民文化ホール 大ホール
21日(日) 福島 けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター) 大ホール
24日(水) 大阪 茨木市文化・子育て複合施設 おにクル ゴウダホール(大ホール)

お問い合わせ: サンライズインフォメーション 0570-00-3337(平日12時~15時)
<企画・制作>株式会社ファーンウッド、株式会社ファーンウッド21
<協力>松竹株式会社
<制作協力>サンライズプロモーション東京
<公式HP>https://nakamuraya-tour.srptokyo.com/

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