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豪シドニーにて送信電力200mWのWi-Fi HaLowを用いた、約6kmの長距離音声通信に成功

2025年11月25日18時15分 / 提供:PR TIMES

~次世代規格の2026年度国内市場投入を見据え、通信エリアの大幅拡大を実証~

株式会社ビーマップ(本社:東京都千代田区、代表取締役:杉野文則、以下ビーマップ)は、オーストラリア・シドニーにおいて、次世代Wi-Fi規格「Wi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)」(以下Wi-Fi HaLow)の高出力(200mW)モードを用いた実証実験を行い、これまで日本国内で実用に供されているWi-Fi HaLowの一般的な通信距離とされる約1kmを大幅に上回る、約6km離れた拠点間での長距離音声通信に成功したことをお知らせいたします。

■背景と目的
現在、日本国内の電波法において、Wi-Fi HaLowの送信出力は最大20mWに制限されています。一方、総務省では現在、広帯域小電力無線システム(IEEE 802.11ahシステム)の850MHz帯における送信出力を200mWへ引き上げる技術検討が進められています。この制度改正により、通信エリアは約3倍に拡大し、より広範囲での長距離通信が可能になると期待されており、2026年度には日本国内市場でも電波出力の規制緩和と対応製品の導入が見込まれています。
当社では、国内市場の規制緩和に先駆け、既に200mWの送信出力が許可されているオーストラリア(920MHz帯を使用)にて実証実験を実施しました。この実験は、高出力化による長距離通信の実効性を検証するとともに、国内市場解禁に向けた知見を蓄積することを目的としています。

■実験の概要
本実験では、シドニー市内の高台に位置するポート・ジャクソン湾を望むホテルの7階にアクセスポイントを設置し、対岸のワトソンズベイ(Watsons Bay)に端末を配置して通信試験を行いました。
・実施場所:オーストラリア・シドニー(ポート・ジャクソン湾周辺)
・使用機材:Morse Micro 社(※1)製 Wi-Fi HaLow 向け最新 SoC「MM8108」搭載評価キット
「MM8108-EKH01-01」
・使用アプリ:セーバー株式会社(※2)開発 Wi-Fi HaLow最適化インカムアプリケーション

※実験場所の地図
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18483/236/18483-236-854de712050e9e03bb489b91bb71ecfd-1269x791.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

(C) OpenStreetMap(https://www.openstreetmap.org/copyright)

・地図上白線の左下地点:ホテル7階にアクセスポイントを設置
・地図上白線の右上地点:ワトソンズベイ付近に端末を配置
・白線間の距離5.8kmの通信に成功

※ホテル7階(地図上白線の左下地点)に設置したアクセスポイント
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18483/236/18483-236-63dbe9334b218373f2f912bac332f042-1260x945.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

※ワトソンズベイ付近に設置した端末(地図上白線の右上地点)と、
そこから5.8km先の対岸にあるホテル(地図上白線の左下地点)を望む
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18483/236/18483-236-ef18781315f6075e59107dc443a53956-646x862.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

■実験結果…5.8km、平均通信速度500kbpsの長距離安定通信に成功
実験の結果、直線距離で約5.8km離れた地点において、平均通信速度500kbpsを記録し、安定した通信を確立しました。これは現在、日本国内で実用に供されるWi-Fi HaLowの通信距離、約1kmを約6倍と大幅に上回る距離となります。
また、音声通信試験においては、セーバー株式会社(※2)が開発したWi-Fi HaLowの特性に最適化されたインカムアプリケーションを使用しました。その結果、明瞭な音質での通話に成功し、音声品質を測る指標であるMOS(平均オピニオン評点)において、「3相当(通常の会話に支障がないレベル)」を確認いたしました。
これにより、送信出力200mWにおける通信エリアの拡大および長距離映像・音声伝送の実用性が実証されました。

■今後の展開
当社は、今回の実証実験で得られたデータとノウハウを活かし、2026年度に見込まれる日本国内における電波出力の規制緩和に向け、長距離・広範囲をカバーする産業用ネットワークソリューションや防災通信システムなどの製品開発・提案を加速させてまいります。

■当社代表取締役社長 杉野 文則よりコメント
皆さんは、何故、通信でオーストラリアと思うでしょうが、Wi-Fiの分野では世界的な技術企業が多く、Morse Micro社の本社があるシドニーのウォータールー(Waterloo)エリアは、世界的な先進企業が密集している地域です。通信業界最大手シスコが買収したMerakiにも縁のある場所です。
当社は、このWi-Fi HaLowについて、3つの分野で期待しております。
1つめは、地方での民間利用です。日本の国土の3割から4割が電波空白地帯です。私は所用で度々北海道へ行きますが、北海道では、高速道路を走っていても、突然電波が届かなくなることがあります。このようなエリアで、高速ではなくとも、なんとかインターネットができる環境があれば、農作業、熊対策等様々な用途があると考えております。
2つめは、防災対策です。日本は災害の多い国です。私は、無線LANビジネス推進連絡会の理事として00000JAPAN(大規模災害や通信障害発生時に、通信事業者が無料で開放する公衆無線LAN(Wi-Fi)サービス)を担当していた時期がありましたが、災害が起きた場所では通信が遮断され、十分な情報が届かずに事故に繋がるケースがありうること、災害が落ち着いた後にネットに繋がらず避難生活が精神的な余裕につながらず心の病になってしまうことがしばしばあります。災害時に、アクセスポイントを活用して、ネット環境が維持されることが望まれます。一方、弊社は各自治体から大型予算を頂き、防災対策システムを構築しております。その際に重要なのが通信基盤です。災害時のこの通信システムの有効性を政府・自治体に理解いただき可能であれば特区等からでも導入を進めたいと考えております。
3つめは防衛です。オーストラリアは日本と密接な協力関係にあります。
現在の防衛は通信が重要になってきております。一定エリアの通信の確保も可能です。
ドローンは現在国内では制約が多く十分な距離を飛ばすことが不可能です。昨今の防衛用ドローンは敵方の妨害によりGPSでの制御は難しくなっております。この技術により、一定エリアにおいてアクセスポイント(無線ルーター)を介さずに、無線通信機器同士が直接接続して通信し、制御し合うアドホック通信にも応用可能かと考えております。

なお、米国では1Wの出力が認められております、将来、500mW出力がMorse Micro社から提供された時には、サイパン全島が一つのアクセスポイントでカバーできることから、早々に実験をアメリカ政府自治領北マリアナ諸島自治連邦区政府のご協力の下進めたいと思っております。

・シドニー(左)とサイパン(右)における、各電波出力帯の到達範囲想定図
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18483/236/18483-236-544facf553bf274ff152f803efb69f2f-532x503.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/18483/236/18483-236-8b12f98a820e39f89de2cee1b578e72e-591x553.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

(C) OpenStreetMap(https://www.openstreetmap.org/copyright)

(※1)…Morse Micro社について
本社:オーストラリア・シドニー
CEO:Michael de Nil
日本窓口 : 大石義和 (執行役員)
URL:https://www.morsemicro.com/ja/

(※2)…セーバー株式会社について
本社:愛媛県松山市
代表取締役:二宮 宏
URL:https://www.saver.jp/

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