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【コロナ後遺症の研究成果】最新の空間トランスクリプトーム解析によってコロナ後遺症に有効な治療法の分子メカニズムを解明

2025年03月21日15時45分 / 提供:PR TIMES

コロナウイルスの感染及びその後遺症が世界的に大きな課題となっていますが、そのメカニズムを空間トランスクリプトーム解析によって解析した研究成果を発表しました。

株式会社CyberomiX(サイバーオミックス、京都市)は、日本におけるシングルセル解析の影響力のある科学者(Key Opinion Leader)の一人である渡辺亮が最先端のゲノミクス研究を社会に実装するために創業したスタートアップです。この度、病理とゲノミクスを融合した空間トランスクリプトーム解析の最新のプラットフォームを用いた研究成果を学術論文として出版する運びになりましたので報告します。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した後も、長期間にわたり症状が持続する「long COVID」は世界的な課題となっています。上咽頭はSARS-CoV-2の主要な感染部位であり、long COVIDにおける持続的な炎症の温床となる可能性が指摘されてきましたが、その炎症遷延のメカニズムの詳細は未解明でした。今回、このメカニズムを分子レベルで解明するために、long-COVID患者より得られた上咽頭に対して、2µm四方の解像度をもつVisium HD(10x Genomics)を用いて、空間トランスクリプトーム解析を実施しました。その結果、SARS-CoV-2が上咽頭において免疫応答に影響を与えているシグナルパスウェイを同定し、これらの分子機序が慢性上咽頭炎がlong-COVIDの原因であることが示唆されました。また、日本発祥の治療法である上咽頭擦過療法(Epipharyngeal Abrasive Therapy,EAT)がlong-COVIDの持続的な症状を軽減する治療法として有効である可能性を提示しました。なお、本実験で行われたVisium HDは世界のファーストロットで、このプラットフォームを用いたCOVID-19の研究はこれが初めてとなります。

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