2025年09月22日18時10分 / 提供:PR TIMES
ソーシャルメディアを通じて障害への理解を深め、日本の魅力を発信
日本をテーマに活動するハワイ在住のコンテンツクリエイターであり、視覚障害(※1)のあるトニー・R・ベガ(Tony R. Vega)は、2025年9月末から約1か月をかけて山口県岩国市から鹿児島中央駅まで約500kmを単独徒歩で旅する「九州チャレンジ」に挑みます。この様子は、ソーシャルメディアを通じて日々発信され、視覚障害者が直面する困難やその乗り越え方、また道中で出会う人々からのサポートなどの実体験が、世界中に共有されます。
※1 「障碍」または「障がい」という表記は、視覚障害を持つ方が利用する音声読み上げソフトウェア等を使用する際に正しい音声に変換されないケースがあるため、本プレスリリースではベガ本人の同意の元で「障害」という表記で統一します。
また、米国視覚障害者委員会(American Council of the Blind、ACB)の加盟団体であるハワイ視覚障害者協会(Hawaii Association of the Blind、HAB)が公式スポンサーとなっており、2026年3月に行われるHAB大会にはベガがスピーカーとして登壇し、スピーチを通じてハワイの視覚障害者コミュニティにもこの挑戦の模様が共有されます。
本チャレンジは、視覚障害者であるベガ自身が単独での徒歩の旅に挑み、またその様子を発信することで、視覚障害者が直面する様々な困難について人々の関心を促し、また障害に関わらず自身の限界に挑もうとする人々の背中を押すために実施されます。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/169951/1/169951-1-78564bb021178f6346661f1f2a381bd3-2025x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2024年に行った「宮島チャレンジ」のゴールの様子(広島県廿日市市宮島町の厳島神社)
「九州チャレンジ」詳細
トニー・R・ベガは、18才で遺伝子性の視神経症により視力の大部分を失いますが、アメリカと日本の両国で語学教師として勤務したり、ハワイで発行された雑誌の編集長を務めるなど、視覚に障害を抱えながらも様々な挑戦をしてきました。
今回行う「九州チャレンジ」は、視覚障害当事者であるベガが日本を旅する「ブラインド・ジャパン・プロジェクト」の最初の取り組みとして実施されている、単独徒歩での日本縦断プロジェクトの最後の区間です。2023年に「東海道チャレンジ」、2024年に「宮島チャレンジ」を達成しており、今回このルートを制覇すれば総距離は約1400kmとなります。ベガは、一連の単独徒歩の旅を通じて、1.視覚障害に関する認識の向上に寄与すること、2.視覚障害者が直面する困難とその乗り越え方に関する理解の向上に寄与すること、3.人々が自身に挑戦する気持ちを後押しすること、4.日本について、特に人々のやさしさと広範囲に発展している公共交通網について世界に発信すること、を目指しています。
ベガの行う徒歩による旅は、1日目の目標地点に到達したら電車やバスといった公共交通機関を使って宿泊地に移動、翌日はまた公共交通機関を使って前日の終了地点に移動し、そこから2日目の目標地点まで歩く、という行程を繰り返して行われます。大まかなルートは事前に決定しますが、視覚障害を持つベガにとっては、注意書きや看板を見つけて情報を得ることは難しく、想定以上に移動に時間がかかることも少なくないため、一日の移動距離は必要に応じて変更されます。今回の九州チャレンジでは、9月29日に山口県岩国市の岩国駅を出発し、大まかな予定では10月4日に嘉川駅(山口県山口市)、10月12日に門司駅(福岡県北九州市)、10月20日に八代駅(熊本県八代市)、最終地点の鹿児島中央駅には10月27日から29日の間での到着を目指します。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/169951/table/1_1_fb36ec432182ad63f712620b486a3979.jpg?v=202509220646 ]
トニー・R・ベガからのコメント
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/169951/1/169951-1-20199e86b3b89d703493fae01822dfdf-800x800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
トニー・R・ベガ
「2003年、突然視力の大部分を失ったとき、私は『自分の人生はこれで終わってしまった』と本気で思いました。しかし、2006年に初めて日本を訪れた際に鹿児島を訪ねる機会があり、その時にやはり私は日本が好きだと感じ、日本語をもっと勉強しようと決意しました。少しずつ日本語が話せるようになり、その結果日本への留学や日本で働くことも経験できました。そして2023年に「東海道チャレンジ」、翌年に「宮島チャレンジ」という、視覚に障害のある私にとっては本当にチャレンジングな活動に挑みました。そして今年、19年ぶりに鹿児島に戻ります。人生には大変なこともありますが、歩き続けたからこそ、良いこともたくさんありました。今回の九州チャレンジも困難はあると思いますが、鹿児島まで歩き続けます。頑張ります。」
過去のチャレンジ
2023年に京都の三条大橋から東京の日本橋まで約500kmの道のりを歩く「東海道チャレンジ」、2024年には同じく京都の三条大橋から山口県の岩国駅まで約400kmを歩く「宮島チャレンジ」を行いました。これら2回のチャレンジに関連したコンテンツは、累計で10万人以上に視聴・閲覧され、多くの人々に視覚障害当事者の体験や挑戦の意義を伝えてきました。
また、これまでの挑戦は数多くのスポンサーに支えられて実現しており、累計で1万米ドル以上の支援を得てきました。今回の「九州チャレンジ」は、ハワイ視覚障害者協会に加え、初めて企業スポンサーの支援を受けて実施されます。訪日外国人に向けた日本国内用のSIMカードやWi-Fiを取り扱っているモベル・コミュニケーションズ・リミテッド(※2)の日本ブランド 「Mobal(モバル)」 が、チャレンジ期間中のインターネット接続を提供します。ベガの徒歩による旅には白杖とともにスマートフォンの地図アプリが不可欠であり、同社が提供する安定したインターネット環境は、より確実性の高いナビゲーションおよびソーシャルメディアでのリアルタイム配信をサポートします。
※2 モベル・コミュニケーションズ・リミテッドは1989年に英国で創業した通信会社です。Mobal(モバル)は、アフリカのマラウィで学校の建設や学校および保育所での給食提供を通じてすべての子どもたちが教育機会が得られる環境をつくるほか、雇用の創出と地域の発展といった活動を、利益の一部を使って積極的に行っています。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/169951/1/169951-1-5bb61d6bf6e59a289d7d4395d6ec28ae-3900x2925.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2023年に行った「東海道チャレンジ」ゴールの様子(東京都中央区の日本橋)
過去の単独徒歩旅チャレンジ詳細:
トニー・R・ベガ ウェブサイト(英語)
https://tonyrvega.com/
過去の単独徒歩旅チャレンジの様子:
YouTubeチャンネル内「Tokaido Challenge(東海道チャレンジ)」 再生リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7ALB_S1KyWunL6kIbGu_Vtmswe1qxlHq
今後の展望について
単独徒歩での日本縦断プロジェクトは、ブラインド・ジャパン・プロジェクトの最初の取り組みであり、2025年の九州チャレンジを以て完結します。2026年にはブラインド・ジャパン・プロジェクトの次の取り組みが始まり、ベガが来日して新たなチャレンジと情報発信を行っていきます。
なお現在は、東京から本州最北端の大間岬(青森県下北郡)まで1200kmをタンデム自転車で走破するチャレンジを検討中です。まずはハワイ視覚障害者協会の活動として、ハワイ州内でタンデム自転車での旅に挑戦する予定です。
トニー・R・ベガ 略歴
ハワイ在住のコンテンツクリエイターで、日本をテーマにしたメディア事業「JapanKyo(ジャパンキョウ)」の創設者。記事執筆や動画制作、ポッドキャスト制作など幅広く活動している。また、ハワイ視覚障害者協会(Hawaii Association of the Blind)理事の一員。視覚障害者・弱視者の権利向上と啓発活動にも積極的に取り組んでいる。
- 幼少期に日本のアニメを見たことで日本のコンテンツと日本語に興味を持つ。
- 2003年、レーベル遺伝子性視神経症(LHON)により、18才で視力の大部分を失い、中心視野を喪失。読み書きや運転など日常生活に不自由が生じるほどの弱視状態となる。
- 大学在学中に関西外国語大学に1年間留学し、2010~2013年にはJETプログラム参加者として兵庫県神戸市で英語を指導。また神戸市立盲学校での勤務経験も持つ。
- 帰国後にハワイ大学マノア校大学院に進学、日本語と言語学の修士号を取得。
- 2017~2022年、ハワイで日本文化・語学雑誌 『Wasabi Magazine』 編集長を務める(現在は廃刊)。
- 現在は、日本語および言語学の修士号と日本のアニメに関する深い知識を生かして「アニメ言語学者」として日本・日本語・アニメをテーマにしたポッドキャストやYouTube動画の制作を行うほか、日テレWandsのXスペースではホスト兼通訳を担当している。
ウェブメディア「JapanKyo」(英語): https://japankyo.com/
X(旧Twitter)アカウント: https://x.com/thevegatony
Instagram アカウント: https://instagram.com/tonyrvega
取材に関して
トニー・R・ベガに関する取材をご希望の場合は、プレスリリース問い合わせ先までご連絡ください。九州チャレンジの開始前、実施中、終了後の本人へのインタビューにも、日本語で対応可能です。
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