2025年03月17日12時00分 / 提供:ぴあニュース
映画の未来を拓き世界へ羽ばたこうとする、若くて新しい才能に対して贈られる映画賞『大島渚賞』。3月17日(月) の授賞式に先駆け、3月16日に東京・丸ビルホールで『第6回大島渚賞 記念上映会』が開催され、大島渚監督作品『愛のコリーダ』上映後に、本作主演の藤竜也と大島渚賞審査員長で映画監督の黒沢清が登壇してトークイベントが行われた。
この日観客と一緒に映画を鑑賞していた黒沢は「藤さんが演じる吉蔵という役は、本当にシンプルに見えるが、その裏にはある種の虚無が広がっていって。それがやるせない感じ。まさに藤竜也さんのハマり役」とほれぼれした様子。そして大島渚監督が1961年から1973年にかけて創作の拠点としていた独立プロ「創造社」を解散させてから一歩を踏み出した時期に、フランスのアルゴス・フィルムと大島渚プロダクションの合作映画として製作された作品が『愛のコリーダ』であったことを踏まえ、「まさに当時の大スターであった藤竜也を迎えた映画ということで、日本映画の新しい方向性を示す作品であり、新しい大島渚のスタートとなった映画だったと思う」と指摘した。