2024年11月29日18時30分 / 提供:ぴあニュース
リドリー・スコットの『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』は“超大作”という言葉がふさわしいノンストップのエピックアクション! が、そうありつつも決して大味になっていないのは、脇にユニークなキャラクターを配しているからだろう。主人公ルシアス(ポール・メスカル)を最強のグラディエーターに仕立て上げるミステリアスな奴隷商人マクリヌス(デンゼル・ワシントン)の存在だ。
奴隷からグラディエーターとなり、それから奴隷商人にのし上がったという男。サイコパスとしか思えない残忍で冷酷な双子のローマ皇帝に巧みに取り入ってジワジワと宮廷内で力を伸ばし、その一方で、妻を殺した将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)への復讐に燃えるルシアスには先の皇帝マルクス・アウレリウスの言葉を引用して「最大の復讐は相手を赦すこと」と、あたかも諭すような言葉を囁く。そしてルシアスが、その賢帝と謳われるアウレリウス(1作目ではリチャード・ハリスが演じていた)と、伝説の英雄マキシマス(ラッセル・クロウ)の血を引いていることを知ると、「血縁でなくとも皇帝になれるのはローマ帝国だけだ」云々とも言ってみせる。