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広陵高校出場辞退を受け大会会長の朝日新聞・角田社長、大会副会長の高野連・寶会長が会見

2025年08月11日17時37分 / 提供:ニュースラウンジ

第107回全国高校野球選手権大会を広陵高校(広島県代表)が出場辞退することを発表したことを受け10日兵庫県西宮市で、大会の角田克会長(朝日新聞社社長)と大会副会長の日本高等学校野球連盟(高野連)の寶馨(たからかおる)会長が記者会見を行った。

角田会長
お忙しい中、お集まりいただきまして、誠に恐れ入ります。第107回全国高校野球選手権大会の会長を務めております朝日新聞社の角田でございます。本日付で広島代表の広陵高校から、今大会への出場辞退の申し出があり、大会本部で受理をいたしました。全国から集まった代表校の選手たちが、懸命にプレイを続けている大会中にこのような事態となったことは大変、残念でありますけれども、学校のご判断を受け入れさせていただくということにいたしました。選手をはじめ、大会にかかわるすべての皆様、大会を楽しみにしてくださっているファンの皆様にご心配、ご迷惑をおかけしていますことを深くお詫びを申し上げます。
朝日新聞社といたしましても、暴力や暴言、いじめ、部活動での指導者と選手、あるいは、選手間の理不尽な上下関係を撲滅していきたいとの姿勢を強く、改めて心に刻み大会運営を行ってまいります。
連日、熱戦が続いており、大会は知友版に差し掛かっております。今後も温かい目で選手たちを応援していただきますよう、なにとぞ、よろしくお願いいたします。
なお、皆様もご存じの通り、SNS上で個人を特定したり、事実かどうかわからないことをもとに誹謗中傷が繰り返されるような行為についてはくれぐれも慎んでいただきますよう改めてお願いを申し上げる次第でございます。
私からは冒頭としては以上でございます

寶会長
大会副会長の寶でございます。
まずはじめに、第107回全国高等学校野球選手権大会に出場しております夏季代表校を不安にさせている、心配を与えているということにつきまして、学校応援団のみなさん、球場やテレビ、ラジオ、インターネットで観戦いただいているみなさん、大会に関係する全ての皆さんに対して、ご心配、ご迷惑をおかけしております。主催者として、日本高等学校野球連盟会長として、深くお詫び申しあげます。
広陵高校は今回の一連の事態を重く受け止められ、大会出場辞退という決断をされました。野球部については、不祥事件の再発防止、指導体制の抜本的な見直しなど、今後の在り方を検討していくという風におっしゃられております。
現在、第三者委員会が調査中の事案も含めて、同校の今後の動向を注視していきたいというふうに思います。日本学生野球憲章では「一切の暴力を排除し、いかなる差別も認めない」としています。日本高野連、都道府県高校野球連盟、加盟校はこの理念に基づき、日々活動しています。今回のような事案をきっかけに、改めて、暴力を一切認めない姿勢を全国の加盟校に強く求めていきたいというふうに考えております。
日本高野連としては、広陵高校が目下報道等されている件への真相究明を進め、誰もが最も納得するような形で本件が解決する事を願っております。そして、いま一度、暴力や暴言、いじめなどがない健全な高校野球を追求してまいりたいと存じております。
それから、未成年の高校生の立場を慮ることも大変重要だと考えておりまして、その面でも、よろしくご指導ご協力をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

一問一答は次の通り。

--大会期間中でのこういったことについて、高校野球のイメージ低下が懸念されることについてどういうふうに感じていらっしゃいますでしょうか?
角田会長「おっしゃる懸念は確かにあるかなぁと思っていますが、多くの高校野球を一生懸命やっている全国の皆さん。ならびに今回の選手権大会で、頂点を目指して頑張っていらっしゃる皆さん、多くの皆さまは、こういったこととほぼ無縁であると私は確信しておりまして、そういう意味におきまして、本質的に夏の高校野球の価値、社会的存在意義のようなものは変わらずにいると思っております」
宝会長「暴力事件や不祥事が発生してしまう土壌、原因はなくしていかないといけないんだろうなと思っております。学校のガバナンスというところも考えていってもらわないといけないですし、我々のほうもそういったものがうまくいくよ上に進めてまいりたいと思っています。今回、大変な事象でしたけれども、学校として一つのけじめの形として辞退を選ばれたのかなぁと思っております」

--1回戦を戦った後での出場辞退ということで、より混乱が大きかったと思うんですけど、それについてはいかがですか?
寶会長「できうれば試合をする前に辞退ということになればよかったんですけど、試合当日に新たな事案が発覚したということでしたので、(辞退の判断が間に合わずに)やらざるを得なかったということになりました。対戦校の旭川志峯にもご迷惑をおかけしたことになりますし、県大会の段階でも、対戦校は広陵高校に負けて敗退していったわけですから、そういった意味でも結果として残念なことになりましたので、こういうことがないよう今後、二度と起こらないように加盟校と都道府県連盟と日本高野連と一体となってやっていきたいと思っております」

--この時期までかかったという審議のやり方についてはいかがですか?
寶会長「加盟校に何か小さなことでも事案があれば都道府県連盟に報告書を出していただき、報告書をまとめて日本高野連に出していただく。われわれは週一回やっております審議書委員会でその報告書に基づいて裁定を下すわけです。よほどひどい案件になりますと学生野球連盟の審査会のほうで審査してもらうんですけど、そういう段階を経て、1月の事象について4月までの間にそれなりの裁定はしていたわけです。その後、第2、第3の事柄が浮上してきたものですから、しかも、試合当日あたりに浮上してきたものですから、一回目の事象については余裕がありましたけど、それ以後のことについては、報告書に上がっていなかったことについては対処しようがなかったというのが正直なところですね」

--結果として大会が混乱することになった。事前に防ぐのは難しかったんですか?
寶会長「いまの審査のやり方というのは、学校からの報告に基づいて、本当に細かなことまで報告してもらっているので、年間1000件以上になるんですけど、そういったところは徹底しているんですけど、報告書に上がってこないようなことは、われわれも事実として認定できていないところなので。審査のやり方については今のところ最善のやり方だと思っているが、ひょっとしたら改善の余地はあるかもしれない」

--審査のやり方を変えていくということは考えないんですか?
寶会長「それは、学生野球全体でやっていますので、大学野球と高校野球と合わせてやっていますので、学生野球協会ともご相談して改善の余地があれば、改善していきたいということです」

--広陵高の話を聞く限りでは、(辞退の理由は)暴力行為があったこともありますが、それと同じぐらいに、その後、真偽不明の情報がSNS上の誹謗中傷などが大会運営に支障があるということで事態を届けられたということですが、そういうことを理由に辞退するということについてはいかがでしょうか?
寶会長「そういう情報が出てくることが、学校としての対応に不十分なところがあったのかもしれない。そういう反省も含めて、学校として一つのけじめとして出場辞退を選ばれたというふうに思っていますけど」

--高野連として広陵高校としての対応に望むところは何があった
寶会長「学校の体制もあるでしょうし、いろんな環境条件あるでしょうから、われわれが学校の中のことについて、とやかく言うことはできませんけど。事案があったら徹底的に調べて報告書をあげてもらうという形を全国の加盟校に求めたい」

--主催者図和として、直接関与していない生徒や学校関係者を守るために、どのように事件を振り返るのか。今回こういうことがあって、今後こうするべきでないかというお考えがあれば…
寶会長「部員の中にも全然、関与していない人もいるでしょうし、対戦校も迷惑受けているわけですよね。高校生という成長期、肉体的にも精神的にもまだ発展途上の時期の生徒さんたちですから、いろんなことが起こりえますけど、ある意味、温かく見守ってあげたいし、厳しくも指導したい。そういう生徒さんたちですから、周りも十分に配慮してやらないといけない。大会の運営においても、先ほども申しましたけれど、未成年である高校生の立場を慮りながらやさしくもあり、厳しくもあり、指導していかないといけないというふうにおもっております」

--批判が集まった理由には今回の事案が基準に則って行動されていなかった(1月の事案が暴力事案なのに厳重注意だった)ことと、学校の調査の正当性が上がっているのかなと思いますが、このあたりのルールを見直していくというお考えはありませんでしょうか。
寶会長「学生野球憲章に則っている裁定ですから、学生野球協会とも相談しながら考えていかないといけないと思います」
角田会長「私の立場で申し上げますと、6月にスポーツ基本法が改正されまして、そこで暴力はもちろん、暴言やハラスメント的なのことも含めて、さらにSNS等の誹謗中傷への対応に努めなければならないということで、初めて明確に法規制の中に入ってまいりました。これは高校野球に限らず、あらゆるスポーツで国も、地方公共団体もスポーツ団体もそのように変えていかないといけないと法律の改正がありましたので、その施行も含めまして、私たちも高野連のみなさまと一緒になって、その法律を受けまして、どういうことがさらにでき得るか、今回も含めて契機の一つとしてともに歩んでいきたい」

--SNS上で真偽不明の情報が飛び交ったことによって、(広陵高校が)辞退に追い込まれた側面もあると思いますが、今後のことを考えたときに、 NS上での誤情報等で参加校が辞退するということが今後につながらないかという懸念も今年が含めた起きうる懸念もあると思いますが、その点に関しては、どういうお考えでしょうか。
角田会長「ファクトベースが何かというところをかなりの角度できちんと把握したうえでないと、判断するのは難しい状況ですよね。そこがスピード感をもってSNSは進んでいくので、SNSのスピード感に対応できる体制づくりは真剣に考えないといけないと考えております」
寶会長「誤った情報、フェイク的な情報もあると思うが、情報が流通することは決して悪いことではない。今まで握りつぶされていたことが明らかになることや、従来被害者が泣き寝入りしなければいけなかったようなことがなくなっていくこともあると思う。悪い面ばかりではないと思うが、誤情報、フェイク情報には気をつけないといけないし、篠田社長もおっしゃったように、我々も情報の洪水の中で、迅速に対応していかないといけないのも確かなので、従来のように手紙やFAXでやり取りしていたのではなく、夜中に世界中に情報が飛び交うより中ですから、そういう事態の変化に社会全体が対応していかないといけないんだろうなぁと思います」

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