2025年08月11日17時26分 / 提供:ニュースラウンジ
第107回全国高校野球選手権大会の出場辞退を発表した広陵高(広島県代表)の堀正和校長は10日に兵庫県西宮市内で会見を開いた。出場辞退を判断した理由について「大会運営に大きな支障をきたしている」ことと「生徒、教職員、地域の方々の人命を守る」ためと述べた。
冒頭は、先に記事にした広陵高校ホームページで、「第107回全国高等学校野球選手権大会」への出場を辞退する文章とほぼ同じ内容だったが一問一答では、言葉遣いは丁寧でも、何度も頭を下げる低姿勢だったが、「大会運営に大きな支障をきたしている」ことと「生徒が登下校で誹謗中傷を受けたり、追いかけられたり、寮で爆破予告があったり…生徒、教職員、地域の方々の人命を守る」ための出場辞退であり、SNS上に上がっている暴言・暴力に関しては、「こちらの調査ではそういった事実はない。あくまでもSNS上であり、誹謗中傷だと」考えていると何度も繰り返していた。
--出場辞退の判断にいたるまでの経緯は
堀校長 本校は大会に出場する際に、事案が生じた場合には、広島県高等学校野球連盟を通じて、その報告書を出しております。それを出して日本高等学校野球連盟から指導を受けた状況を踏まえ、大会に出場していいかどうかを判断し、今大会に挑んでまいりました。そういった中で、1件、報告していることと内容が違うんじゃないかといったことがSNSに上がりました。
その際に、途中経過の報告をその該当する生徒の親御様と本校の野球部の部長のほうで、やり取りをさせていただいていました。その途中経過の報告内容がSNSに上がって、それが途中である状況でしたが、見られる方は、それがすべてだと思われたと思います。それが、最終的に調査した結果は、本校が報告した内容でした。その違いが生じたことで、多くの問題が出たように思います。
その時に、日本高等学校野球連盟、朝日新聞社にもご相談させていただいて、本校としても声明文を出し、その事案が間違いないのであれば、それを受けて、日本高等学校野球連盟、朝日新聞社の方からも、大会本部からも声明文を出していただきました。
それで初戦を終えたその時に、私が確認したのが、全然報告を出していない事案です。この事案については1年生の時に退部した生徒が、そのまま学校生活を送り、それから1年経ったころに突然、こういうようなことがあったということがあり、すべて、それについては、聞き取り調査を学校で行いました。野球にかかわるような内容について、出てきたところの部分は全部細かく調査をしたんですが、その結果、野球に関わるような内容について、報告するような事実関係が出てきませんでした。
そして、それを受け、今現在、その子も大切な生徒なので、第三者委員会にゆだねて、その結果を待っている状況です。その状況を踏まえて、そこで何か事実が出ればすぐさま、日本高等学校野球連盟様にご報告を申し上げるのですが、事実が出てきていない状況の中では、大会に出場していいと判断して、この度、出場してまいりました。
しかし、先の一件目の件、それによるSNSでの大きな反響。さらには、今の結果の出ていない件について、いろんな誹謗中傷が出てまいりました。これにおいては大会運営に大きな支障をきたしている。同時に本校も一生懸命甲子園を目指して頑張ってきた学校でありながらも、高校野球の名誉、信頼を大きくなくすことになる。そして、我が事で大変申し訳ございませんが、本校にいる生徒が登下校で誹謗中傷を受けたり、追いかけられたり、寮で爆破予告があったり、そういったこともSNS上で騒がれています。校長として生徒、教職員、地域の方々の人命を守ることは最優先することだということを踏まえ、先に述べたことと合わせて、辞退に踏み切ることを決意しました。
--今年1月から今回の辞退に至るまで、いろんな流れがありました。改めて、校長としてどこでどのような対応をすればよかったというところはございますか。
堀校長 やはり1つ1つの事象を最後までいい形と言いますか、円満に終える、確かに両者が納得をして終える、そのような形を取ることが何より最優先だと、そこを校長として深く反省をしております。そこのことを職員に指導できなかったことは校長としての私の責任だと思っております。
--お話を聞いていますと、やはり誹謗中傷等が過熱する状況にあって、円滑な運営に支障をきたしている、そういう状況を問題視したということでしょうか?
堀校長 言われる通りです。そのことと、もう1つは生徒、保護者、そして地域の方。やはり学校は、全校生徒、全教職員を私は守る責務があります。それを全うすることが何より最優先だという見地に立って決定をいたしました。
--SNS上の誹謗中傷というのは、広陵さんにとって、かなり誤解に基づくものも多いと受け止めていらっしゃるんだと思います。こういった状況で辞退するっていう決断をしなければいけなくなってしまったことについて、率直にどう思われましたか。
堀校長 先ほどもお話をいただきましたように、やはりそこに行くまでになぜもっと細かい、お互いが了解し合えるような対応、対処をしなかったのか、それについて私自身も、1つ1つの事案を細かくそこまで確認できていなかったこと、これが大きな問題だと思っております。
--第三者委員会が6月に設置されたと思うんですけども、その時点で疑いのあった監督やコーチ、その当事者の選手たちはグレーなので、広島大会に参加すべきではなかったというふうに考えてしまうんですけど、そちらについてはいかがですか。
浅田哲雄事務局長 これについては、第三者委員会で第1回目も2回目も、ご本人さんが申し出られた申告、内容が非常に不確定なものだったと。というのは、いつどこで誰がというような、その辺のところが全て確認できないような申告だったということで、学校でも聞き取りを行いましたが、なかなかその辺のところの聞き取りも十分できなかったというのが現状でございます。で、第2回目で、本人の口から委員の方にですね、自分の思いなり申告をされたというのが今の状況でございます。
まずは第1回目はですね、そういうことがあったいきさつなり何なりを学校の生徒指導担当の教員が委員の方に説明したと。それを受けて2回目の本人からの申告なりなんなりを受けたというような状況で、今2回目が終わって、今月末に3回目を行うという予定にしております。
堀校長 全面的に協力をしていきたいと思っております。
--資料にもあるんですけど、監督やコーチからの暴力、暴言、という部分に関しては確認はできている?
堀校長 いえ、確認はしておりません。確認はしましたけど、そういったことは一切ございません。
--寮の爆破予告というのはどのような形で出されたのでしょうか?
堀校長 ネットの方にそういったことがあがったという話を私も聞いております。まだ自分で確認できておりません。
浅田哲雄事務局長 警察の方から、今の内容について「こういったものが書き込まれているよ」と連絡があった。それも受けて警察もパトロールを強化する対応をしていただいております。
堀校長 申し訳ありません。私が当日こちらにいたもので、今答えられなくて申し訳ありません。
--これまで2005年の明徳義塾は大会前に辞退しました。今回は大会前からSNSでこうした事案が盛り上がっていたにもかかわらず、1試合終えたあとでの発表になったことについては?
堀校長 本校が事実確認が、新しいこと、報告しなければならないことや不祥事に関することが出てくれば、直ちに検討していると思います。それがなく、現在もそういうことが起こっての辞退では結果的にはありません。ですが、大会運営に支障をきたしたこと、そして高校野球の信頼を、これ以上いけばもっと失うようなことをやってしまうこと、さらには自校の生徒や教職員の人命に関わることが起きてしまうんではないか、そういったことが最終的な決断です。思いもそこがすべてです。
-- SNS上ではカップラーメンの件と、大会の開幕のタイミングに合わせた別の被害のようなものがありましたが、いずれも第三者委員会を設置されているのでしょうか?
堀校長 それは第三者委員会は設置しておりません。これについては、相手方の親御様が被害届を警察に出されて、それについて、学校も全面的に協力しています。今、協力して結果を待っている状況であります。それは1件目も2件目もです
--いずれも第三者委員会を設置していない?
堀校長 第三者委員会は2件目だけです。1件目は本校においては、基本的には調査はすべて終わっていると思っていますので。
--冒頭で監督やコーチから暴力事案があったとお話しされましたけど?
堀校長 それは現在、それがあったわけではありません。それはあくまで、誹謗中傷とか、SNS上に上がっているということです。私の説明が十分でなかったと思います。それが上がっているゆえに、それらのことも含めてということです。ですから事実があったということではありませんので、よろしくお願いします。
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