2024年07月22日21時00分 / 提供:新刊JPニュース
アリの行列を観察すると、アリ以外の生き物が混じっていて、アリの巣にはさまざまな昆虫が居候していることがわかる。アリと共生する昆虫は、どんな目的でそれを行っているのだろうか。
■様々な目的でアリと共生する昆虫たち
『アリの巣をめぐる冒険 昆虫分類学の果てなき世界』(丸山宗利著、幻冬舎刊)では、アリやシロアリと共生する昆虫を専門とし、アジアにおけるその第一人者であり、九州大学総合研究博物館准教授の丸山宗利氏が、アリの巣の居候たちの正体とは、どんな目的で棲んでいるのか、アリはなぜ居候を追い払わないのかなど、アリと共生する昆虫の世界を紹介する。
日本全土に分布するクロクサアリは、体調4ミリメートル程度、数万頭の働きアリからなる巨大な巣を作るアリで、生きた木の根本を掘り進み、そこに共生菌と木屑でできた巣を作る。アブラムシの出す甘露を主要な餌とし、アブラムシの集まっている場所と巣の間に恒常的な長い道のりを作る。