2024年04月09日20時00分 / 提供:新刊JPニュース
画家エドヴァルド・ムンクの『叫び』やレオナルド・ダヴィンチの『モナ・リザ』など、名だたる名画は実は「天気」と深い関係がある。『モナ・リザ』では、背景に水蒸気の効果を活かしていたり、『最後の晩餐』では、窓から差し込む太陽光の効果でキリストに目が行くようにしていたりする。そんな「天気」をキーワードに名画を見ていると思わぬ発見があるのである。
◾️「叫び」の背景に秘められたムンクの心理とは
『天気でよみとく名画-フェルメールのち浮世絵、ときどきマンガ』(長谷部愛著、中央公論新社刊)では、気象予報士・東京造形大学特任教授の長谷部愛氏が、天気の表現でわかる作家の出身地など、古今東西の名画やマンガを天気という視点で見直し、気象と名画の関係性や魅力、新たな発見を紹介する。
ムンクの『叫び』は、噴火の影響を受けた作品の一つであると言われている。『叫び』のインパクトは、人物の様子もさることながら、ドクドクと血のように流れる背景の赤にも目が惹かれる。ムンクは「日が沈んだ。空が突然血のようになった。大きな叫びが自然を通り抜けた」と書き残していて、赤の正体は、夕焼けであることがわかる。