ここ数年で、落ち着きがなかったり、不注意が多かったり、対人関係が苦手だったりといった「発達障害」の特性についての認知が広がってきた。書店でも発達障害についての書籍は数多く扱われている。
一方で「知的障害」については必ずしもそうではない。知的障害とはどんな障害で、どう定義されているのか、知らない人は少なくないはずだ。
◾️世の中に知られていない「境界知能」の生きにくさ
厚生労働省では、知的障害について「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義している。(令和5年7月時点)