2023年05月28日18時00分 / 提供:新刊JPニュース
社会の分断が問題視されるにつれ、LGBTQやシングルマザーといった社会の中の様々なレイヤーが可視化され、それぞれの人々が抱えている生きづらさに焦点が当たるようになった。
誰もが何らかの形で生きにくさを抱えている現代で、「弱者男性」もまた取り残された存在としてクローズアップされることがある。幸福の尺度は多様化されたが、恋愛や結婚、十分な収入といった要素は依然として幸福の一要素ではある。そして、「自分らしく生きること」がどんなに重要視されようとも、人はどうしても周りと自分を比べてしまう。だから、これらの要素のいずれも手に入らない人は、疎外感や孤独感を抱きやすい。
■「弱者」でも「男性」であることで苦しみが相対化される
『男がつらい! - 資本主義社会の「弱者男性」論 -』(杉田俊介著、ワニブックス刊)は現代の弱者男性の生きにくさの本質に迫る。女性と男性。単純に比較すれば、日本では男性はあらゆる面で女性より有利な立場にある。収入にしても、働きやすさにしても、社会的な立場にしても、である。