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『ライガー』はなぜ野生では生きていけないのか ライオン×トラの最強と最強から生まれる生物の現実を紹介

2024年11月08日18時25分 / 提供:ニコニコニュース

今回ご紹介するのはジオチャン(生物解説)さんがニコニコ動画に投稿した『ライガーが野生では生きていけない理由がこちら【解説】』です。

ライオンとトラのハイブリッドという最強×最強で生まれた大型肉食獣がなぜ野生では生きていけないのかについて解説しています。



この動画では地球モチーフのキャラクター、ジオちゃんが解説を務めます■ライガーとは? その生まれと生態について
ジオちゃん:
父がライオンで母がトラの雑種動物はライガーと呼ばれています。 この地球上で最も獰猛な頂点捕食者である2種の子。
両親よりもさらに大きく力も強くなるにもかかわらず 野生では生きていくことができません。
これは一体なぜでしょうか。そこで今回はライガーが野生では生きていけない理由について解説していきたいと思います。

現在ライガーの飼育数が最も多いのはアメリカだと考えられており、約30頭が知られています。
これに続くのが中国で約20頭です。

ライガーの両親は種が異なりますが、同じヒョウ属です。個体差はあるもののライガーはライオンのような黄褐色の体色にトラに似た縞模様がかすかにあります。
また、頭はライオンに似ており、オスには少量のたてがみが見られるものがいます。さらにライオンの親から斑点模様を受け継ぐこともあります。

ジオちゃん:
ライガーは両親よりも大きくなり、現存するネコ科動物の中でも最大で、オスの全長は3~3.6mに達します。
この大きさは、先史時代のスミロドンやアメリカライオンとほぼ同じです。
ヘラクレスと名付けられたライガーは体重が418.2kgもありギネスブックに現在生きている、世界で最大のネコ科動物として認定されています。

さらにアメリカビスコンシン州の動物保護施設Valley of The Kings Sanctuary And Retreatで飼育されていたヌークという名のオスのライガーが550kgを超えていました。

ジオちゃん:
ライガーはホルモンの問題により生涯を通じて成長し続けると誤って信じられていることがあります。
しかし、これは成長期にどんどん大きくなり完全な成体サイズに達するまでに時間がかかるだけのようです。

実際 ライオンとトラの両種と同様に6歳以上のライガーには成長が見られません。
ライガーは筋肉質で、ライオンやトラよりも力が強い上、ライオンと同じくらいかもしくは、専門家によってはライオンより早く走ることができると言われています。

このため、ライガーが野生化で大きなものを倒すことに関しては何の問題もありません。
また、メスのライガーでもオスのライオンを倒すことができます。

ジオちゃん:
ライガーは両親からそれぞれ、優位な性質を受け継いでいます。
ライオンは水が嫌いですが、ライガーはトラと同じように泳ぐことを好みます。

ジオちゃん:
それでいてライオンのようにとても社交的です。
飼い主のほとんどがライガーはとても人懐っこく遊び好きで仲間と一緒にいることを好むと言います。
これらの証拠はアフリカのサバンナでライガーがどんな危険に直面しても生き延びるのに十分なようです。
■強さと優しさと恵まれた体を持つライガーがなぜ野生では生きていけないのか
ジオちゃん:
野生においてライガーが生きていけないのは、まず1つ目に、そもそも野生下で生まれることがないということが挙げられます。

ライガーは、動物園や動物保護区で人間の飼育者によって作られた雑種で、飼育下にのみ生息しています。
これは両親の生息域が異なり、トラは主にアジアに、ライオンは主にアフリカに生息しているためです。

ジオちゃん:
過去に、インドライオンとベンガルトラはアジアのいくつかの国で共存していたことがあり、野生でオスライオンがメストラと交尾し、そこにライガーが生息していたという伝説があります。

しかし、現在インドのギル国立公園においてこの2種の生息域が重なっていることが知られていますが、この場所でこれまでに野生のライガーが発見されたことはありません。

ジオちゃん:
次に、健康面が挙げられます。
ライガーの寿命は通常13~18年ですが、20代まで生きることもあります。
シャスタという名のメスのライガーは、1948年にソルトレイクシティのホグル動物園で生まれ1972年に24歳で死んでいます。

これは、飼育下でのライオンやトラの寿命と同じくらいです。
しかし、ライガーは特に心臓、腎臓、視覚関係などの先天的な疾患や、後天的にも骨の発育不全、各種のガン、骨腫などの病気を患うケースが多く、成獣となる6歳前後まで生存できる個体は多くはありません。

ジオちゃん:
これに加えて、ライガーのみならずヒョウ属の雑種は非雑種よりも怪我や関節炎、神経障害の発生率が高い傾向にあります。
このような事態が相次ぐことからも倫理的に問題視され、21世紀現在では研究目的以外での飼育作成はほぼ行われていません。

ジオちゃん:
そして最後にライガーが野生で生きていけない理由として、不妊の問題があります。

オスのライガーは平均して成体のオスのライオンと同じレベルのテストステロンを持っていますが、ホールデインの法則に従って無精子症です。

ホールデインの法則は、異種間雑種において不妊や発育不全がよく見られる法則のことを言います。このため、ライガーのオスは全く繁殖力を持ちません。

メスのライガーは不妊ではないため、ライオンやトラとの間に子をもうける場合があります。
ライガーは長い間完全に不妊であると考えられていましたが、1943年にミュンヘンのヘラブルン動物園で15歳のライオンとトラの雑種がライオンと交配することに成功しました。

このメスの子は、健康状態が弱かったものの成体まで育てられています。
また 2012年には、ロシアのノボシビルスク動物園がライガーの母親とライオンの父親の子供であるライライガーの誕生を発表しています。この子はキアラと名付けられました。

しかし、さらに生まれた子はオス、メスともに生殖機能がないために以後の繁殖はできません。

このようなことからライガーは野生で繁殖し数を増やしていくことはできないと考えられます。

 

一見すれば最強×最強から生まれるライガーがなぜ野生では生きていけないのかについて紹介しました。元の動画ではライガーの反対で父がトラで母がライオンのタイゴンについての解説やライガーを取り巻く活動や法律についても解説されています。
この機会にぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

▼動画はこちらから視聴できます▼

ライガーが野生では生きていけない理由がこちら【解説】

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