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Celonis、2023年中に自然言語によるプロセスマイニング機能のパイロット版

2023年06月14日10時35分 / 提供:マイナビニュース

Celonis(セロニス)は6月13日、年次イベント「Celonisワールドツアー」の日本イベントを開催し、同社が提供するプロセスマイニングのプラットフォーム「Celonis Execution Management System(EMS)」の新製品を発表した。

同イベントではメディア向け説明会が開かれ、新製品やLLM(大規模言語モデル)を活用した機能の詳細が明かされた。
質問に紐づいた分析結果を自動表示する「Celonis Business Miner」

今回、日本のユーザー向けに一般提供を開始する新製品として紹介されたのは、「Celonis Business Miner」「Intelligence API」「End-to-End Lead Times App」の3つだ。各製品の利用料金は、企業内で使用するユーザー数や扱うデータ量に応じて個別見積もりとなる。

説明会の冒頭で、Celonis 代表取締役社長 村瀬将思氏は、「当社はソフトウェアベンダーではなくバリューパートナーを目指している。企業のビジネスプロセスを変えることで組織の非効率性を無くし、企業が新しい価値を生む手助けをしたい。経営者が見てもわからない非効率性、すなわちサイレントキラーをあぶり出すのが当社の製品だ。本日発表した新製品は、いずれもプロセスマイニングをより良く使うためのものだ」と述べた。

Celonis Business MinerとIntelligence APIは、同社が掲げる「プロセスマイニングの民主化」を推進するための新製品となる。Celonis Business Minerは、昨年の顧客・パートナー向けのユーザーカンファレンスで発表されたもので、買掛金、売掛金、購買・調達、受注管理などさまざまな業務のプロセスについて、Q&A形式でプロセスマイングを行うための分析環境を提供する。

同製品では、「●●のプロセス分析はどうなっているか?」など、あらかじめ質問が用意されており、ユーザーがそれらを選択することで質問に紐づいた分析結果が自動的に表示される。

Intelligence APIは、企業全体で使用されるサードパーティアプリケーション内にCelonis EMSの機能を組み込むためのAPIを提供するものだ。同製品は先行して2023年3月から一般提供を開始している。同製品を活用することで、Power BIで大規模なレポートの作成をしたり、Slackでプロセスのインサイトに関するインスタントコミュニケーションを行ったりするほか、ServiceNowでプロセスマイニングをトリガーとしたアクションを実行することもできるという。
オブジェクトに紐づいた分析が可能な「End-to-End Lead Times App」

End-to-End Lead Times Appは、同社が開発したプロセスマイニング手法であるオブジェクトセントリックプロセスマイニング(OCPM)をCelonis EMS上で実行するためのアプリケーションとなる。

Celonis EMSでは従来、アクティビティ、タイムスタンプ、ID、属性データを基にイベントを管理・分析し、IDには単一のケースが紐づいていた。OCPMでは、ビジネスプロセスを動かすために必要なさまざまなモノ・コトを表す「オブジェクト」をIDと紐づける。これにより、ケースで捉えていたビジネスプロセスを、オブジェクトという単位で捉えられるため多角的な分析が可能だという。

Celonis バリューエンジニアリング本部 部長の寺田有汰氏は、「例えば、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(仕入債務の支払いから売上代金が回収されるまでの期間)の分析において、従来は受注のリードタイム、購買の単位、在庫の棚卸しなど異なるプロセスを別々に分析していたが、OCPMでは各プロセスを統合して、単一のデータモデルでエンド・トゥ・エンドの分析が可能だ」と説明した。

また、同製品ではプロセス分析のノウハウを集約した「オブジェクト・セントリック・データモデル」を編集・拡張可能なテンプレートとして提供する。これにはプロセスにおける代表的なオブジェクトや、オブジェクト単位で実行される代表的なアクティビティ、オブジェクト間の相互関連性にまつわる情報、同モデル上で実行可能なアプリケーションが含まれる。

併せて、「Process Sphere」というプロセスマイニングの分析担当者向けの統合的な分析環境も提供される。従来はプロセスのパターンや分析モデリングの確認、グラフと分析画面の作り込みなどを別の画面を表示させる必要があったが、同環境ではそれらを1つの画面上で統合的に表示し、分析を行えるという。
業務プロセスに特化したLLMを自社開発

現在、Celonisでは、LLMを活用して、対話型でプロセスマイニングの分析を実行できる環境の構築を進めている。

「背景には、エンジニアでないビジネスユーザーが当社の分析プラットフォームを利用する機会が増えていることがある。そうしたユーザーは関数の実行に慣れておらず、スキル習得のためのトレーニングに費やす時間を確保するのも難しい」と寺田氏は明かした。

LLMを利用した機能としては、「●●のプロセスの今の状況を知りたい」などの自然言語での問いかけに対して、プロセスの実態を示すグラフや表を自動生成したり、分析結果を算出する際に使用したスクリプトが再利用可能な形式で提示したりするものを同社は想定している。

寺田氏は、「当社では、プロセスマイニングの民主化に繋がるよう、UI(ユーザーインタフェース)を高度化するためにLLMを利用する方針でいる。現在、開発を進めているLLM機能は当社が独自開発したAIを用いており、『●●の観点で分析結果を見たい』『●●の指標が見たい』など、プロセスマイニングの対象となる業務プロセスに特化した質問に対応できるような学習を進めている点が特徴だ」と語った。

2023年中にはCelonis EMSの英語版に、LLMを利用した分析機能のパイロット版が実装される予定だ。同社では、同機能をユーザーに解放することでビジネスユーザーによるニーズや利用実態などを把握し、今後のソリューション展開にも生かすという。

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