2023年03月05日07時00分 / 提供:マイナビニュース
●芳根「春の新生活シーズンにふさわしい熱くて笑えるドラマ」
奥乃桜子氏の小説を実写化する日本テレビ系ドラマ『それってパクリじゃないですか?』(毎週水曜22:00~)が 4月にスタートする。主演を務める芳根京子が演じるのは、飲料メーカー・月夜野ドリンクで、開発中の飲料に関する重要な特許をライバル会社に奪われる事件が発生し、情報漏洩の疑いをかけられた開発部員・藤崎亜季。調査のために親会社からやってきた知的財産のプロであるエリート上司・北脇雅美を、重岡大毅(ジャニーズWEST)が演じる。
このたび、特許を取り戻すために奮闘する凸凹コンビを演じる芳根と重岡が囲み取材に応じ、互いの印象や作品の見どころを語った。
――今作で演じる役どころを教えてください。
芳根:私が演じる飲料メーカー開発部の亜季は、ある出来事をきっかけに知的財産のプロである北脇さんと出会い、大切な仲間たちと作ってきた大切な商品をどう守っていくか考えることになります。亜季は直感で行動するタイプで、頭で理解できても心のどこかで腑に落ちないとモヤモヤが残ってしまう性格。愛情と情熱あふれる情にもろい女性で、対照的な北脇さんとの凸凹コンビぶりが見どころになると思います。春の新生活シーズンにふさわしい、明るく元気で熱くて笑えるドラマです。
重岡:僕が演じる北脇は亜季と真逆のタイプ。人情よりルールや理屈を重視して重箱の隅をつつきまくる姿が、一見嫌な奴に感じさせるかもしれません。でも誰かが大切に作った汗と涙の結晶のようなアイデアやデザイン、そういった知的財産を守るためには、ときに非情になったり冷徹になったり、情に流されないことが必要だと考えている、そんな人間です。芳根さんも言っていた通り、春はスタートの季節なので、見ていただく皆さんに「仕事は大変な一面もあるけれど、楽しくてやりがいのあるものだ」という情熱を届けられるような、明るく前向きなドラマにしたいです。
――初共演のお2人ですが、会う前のイメージと、実際に会ってみての印象を教えてください。
芳根:テレビで拝見していて、笑顔が素敵な方だという印象を持っていました。今作の打ち合わせでプロデューサーチームに重岡さんのことを聞くと「歯が多い」と (笑)。
重岡:俺の印象の説明どうなってんねん!(笑)
芳根:あわせて「すごく頼れるお兄ちゃんだよ」とも仰っていました。今日お会いするのは2回目なのですが、すでにいいキャッチボールができている気がします。ドラマでも、初めは分かり合えない2人が前に進んでいく姿を演じられたらと思っているので、一緒にお芝居をするのがすごく楽しみです。
重岡:初めてご挨拶させていただいたときに、エネルギーのある方だと感じました。僕もエネルギーを持っていたい人間なので、お互いにエネルギーをぶつけ合って水と油のような凸凹コンビを演じていきたいです。芳根さんが主演で、スタッフの皆さんもすごく素敵なので、撮影前からいい作品になりそうだと感じています。僕は「ワンチーム」という言葉が大好きでことあるごとに口にしているのですが、その思いを今作でも大事にしたいです。
――それぞれの役どころへ、どのようなアプローチをしていこうと考えていますか。
芳根:打ち合わせをしている中で“普通”という言葉が頻繁に出てきました。振り切ったキャラクターは演じる側も楽なのですが、“普通”となると、そもそも人によって感覚が違って難しい。監督からは細かいリアクションや、生のお芝居も欲しいと言われているので、全神経を使ってすべてのものに反応していけたら、亜季という存在が完成するのではないかと考えています。自分と同じ直感タイプの亜季が引っかかるポイントには私も共感できるので、難しく考えず、作品に飛び込んでみるつもりです。あとは、対極の北脇さんを前にすることであふれ出てくるであろう感情を、私自身楽しみにしています。
重岡:僕は振り切った役よりも、身近に感じられるような役をいただくことが多いので、一度ご一緒したプロデューサーさんから、また新たな役どころでオファーをいただけてうれしいです。理屈っぽい北脇は、少し冷たくて嫌な印象を与えるキャラクターではありますが、そのイメージ通り上辺で話すのではなく、なぜ北脇はそんな人間なのか、という、そこにある理由を大切に演じたいです。あと大切にしたいのは、健康第一! アスリートのような気持ちで、体調を整えて撮影に臨みます。
●重岡「エンタメに関わっているからこそ、知的財産は身近」
――お互いを見て、演じる役にぴったりだと感じる部分や楽しみなところを教えてください。
重岡:真っ直ぐでピュアなところ、でも情熱があってハートフルなところがぴったりだと思います。
芳根:私は、北脇さんが真逆に見えるからこそ、重岡さんの新しい表情がたくさん見れるのではと楽しみにしています。『これは経費で落ちません』(19年、NHK)すごく好きだったんです。
重岡:あぁ! ありがとうございます!
芳根:今回は全然違う役ですが、胸に秘めた情熱は同じなのかなと思っています。
――楽しみなシーンを教えてください。
芳根:北脇さんの台詞が大変そうで……(笑)。
重岡:本当にそうなんです(笑)。
芳根:私はこの1・2年、“できる女性”の役が多くて、説明する側だったんです。説明を受ける側を演じるのは久しぶりなので、いかにお芝居でポップに消化できるかというところが、私にとって挑戦だと感じています。
重岡:僕は物の説明が苦手で。
芳根:物の説明ばっかりですよ(笑)。
重岡:論破されることが多くて。
芳根:論破する側ですよ(笑)。
重岡:そうなんです!(笑)北脇は「これがこうなったらこうなりますよね、だからおかしいですよね、何か間違っていますか?」と、言葉を使って相手をねじ伏せていくのですが、いつも「ぐぬぬ」と言わされている僕が言わせる側になる、普段の自分と逆の立場になれるのがお芝居の楽しさの1つですよね。ただ、昨年30歳になったのですが、悲しいことに年々台詞を覚えるのが遅くなってきている気がして。気持ちはまだまだ若いんですけどね……。
芳根:現場で一緒に台本を読みましょう。
重岡:いーや、絶対に覚えていく!(笑)時間を上手に使って頑張ろうと思います。
――今作で扱う“知的財産”について、面白さを感じた部分はありますか。
重岡:パクリとパロディの違いを聞いたとき、「なるほど」と思いませんでした?
芳根:自分でも調べてみたんです。そしたら、言ってることは理解できる、でも……! と、もどかしい気持ちにもなって。
重岡:煮え切らない部分がありますよね。
芳根:初心者である亜季もそんなところに引っかかっていくので、視聴者の方には、亜季と同じ目線で楽しく学んでいただけると思います。知的財産と聞くと難しそうなイメージを抱きますが、実はすごく身近なことなんです。ペットボトル1つとっても、作り方やデザイン、たくさんのジャンルの権利が詰まっていて。知ると次の日誰かに話したくなるような知識を得られる作品です。
重岡:僕はエンターテインメントのお仕事に関わらせていただいていて、感動してもらおう、震えてもらおうと、汗をかいて恥をかいてものづくりをしています。言わば作品は自分の一部。それを侵害されたり、認めてもらえなかったり、いろんなルールやしがらみで、自分や誰かを幸せにするはずのものがそうならなかったり。そんなことが起きたら悲しいですし、「これが世の中の決まりだ」と言われても「でも」と言いたくなりますよね。今、作品を通して学んでいるところですが、知的財産は、思っている以上に身近で良いテーマだなと実感しています。
■芳根京子
1997年生まれ、東京都出身。13年に『ラスト・シンデレラ』で女優デビュー。14年にNHK連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集め、15年『表参道高校合唱部!』でドラマ初主演。16年にはNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインを務め、以降もドラマ『海月姫』『チャンネルはそのまま!』『コタキ兄弟と四苦八苦』『君と世界が終わる日に』『コントが始まる』『半径5メートル』『真犯人フラグ』『オールドルーキー』、映画『累 -かさね-』『居眠り磐音』『記憶屋 あなたを忘れない』『Arc アーク』などに出演する。
■重岡大毅
1992年8月26日生まれ、兵庫県出身。06年10月にジャニーズ事務所に入所。TV、CM、ドラマなどで活躍し、14年にジャニーズWESTのメンバーとしてCDデビューを飾る。これまでの主な出演作品に、ドラマ『SHARK〜2nd Season〜』、『ごめんね青春!』、『これは経費で落ちません!』、『知らなくていいコト』、『悲熊』、『教場II』、『#家族募集します』、『雪女と蟹を食う』、映画『溺れるナイフ』など。公開待機作に映画『禁じられた遊び』(23年9月8日公開予定、W主演)がある。