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古の沖縄の姿が残る竹富島で1泊してきた 第2回 竹富島で「満天の星空」を求めて散歩に出たら

2023年02月22日07時34分 / 提供:マイナビニュース

沖縄本島から南西に約430km、そこには大小19の島々からなる八重山諸島がある。東京の寒さが佳境を迎える2月初旬、筆者は竹富島を訪れた。

八重山諸島は、日本国内でも有数の星空の綺麗な地域。美しい星空の保護を目的に米国で設立された"国際ダークスカイ協会"も2018年3月に八重山諸島の西表石垣国立公園を「星空保護区」に選んでいる。というわけで夕食後、星空に詳しい望月達平氏を招いた。同氏は普段、西表島で観光客に向けた「星空ナイトツアー」を展開している人物だ。

しかし、この日は生憎の曇り空...。実は沖縄地方の冬場は悪天候の日が多く、望月氏の「星空ナイトツアー」も1週間に1回開催できれば良いほうだという。外灯の乏しい宵闇のなか、取り敢えず西桟橋まで出て「晴れていればどのあたりに星が出るのか」を聞いた。

「八重山諸島では、夜空に輝く全88星座のうち84星座が観測できます」「南十字星は夏季シーズンであればこのあたり、冬季にはこのあたりに見えます」といった説明に、想像が膨らんでいく筆者。もし満天の星空を眺めることができたら、どんなにか綺麗なことだろう...。雲がうらめしい。しかし「西表島とは違って高い山がない竹富島では、雲が空に留まることがありません。だから朝には雲が散っていて、星が見える可能性もありますよ」という望月氏の言葉を信じ、ここは早起きして「星空モーニングツアー」を決行しようと心に決める。

果たして早朝。わずかながら雲の切れ間から星が見えた!!

しかし、それもほんの束の間。無常にも雲が立ち込めて星を隠してしまった。残念……。このあと、何人かで集落内を早朝散歩することにした。それにしても静かな島だ。動物や昆虫が大合唱していた西表島とは、キャラクターがまるで違う。

しんと寝静まった集落を、こうしてそぞろ歩くと、なにか妙に興奮するものがある。新鮮な朝の空気を吸い込みながら、心地良い南風に吹かれながら。

さて日がのぼると、あちらこちらで朝の掃除がはじまった。聞くところによると竹富島では毎朝、竹ぼうきで住まいの周りを掃き清める習慣があるらしい。道端で話を聞いたのは、84歳の卯(うさぎ)年生まれの女性。末っ子の孫が20歳を迎えた、というところから子どもの話になった。

「島の子どもは優秀なんですよ。というのも、ひとクラスに何人も生徒はいませんからね。学校の授業が、そのまま家庭教師のような感じになるんです。島の子らは皆んな『必ず大学まで行くんだ』と言ってますね。都会に出たい、というのもあるんでしょう。立派になって島に帰ってきて、仕事に従事する子どもも多いんですよ」。

この通りも夏になると花だらけになるんです、香水のような良い匂いに包まれますよ、と嬉しそうに話す女性。よし、夏になったら再び来よう。そして次こそ、満天の星空にお目にかかれますように。

取材協力: 竹富町

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら

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