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「3DEXPERIENCE World 2023」が3年ぶりにナッシュビルで開幕!

2023年02月14日19時00分 / 提供:マイナビニュース

●ものづくりをはじめさまざまな領域のユーザーが集結
2023年2月12日(米国時間)、米国テネシー州ナッシュビルを舞台に、Dassault Systems(ダッソー・システムズ)主催の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2023」が開幕した。

3年ぶりの実地開催にユーザーが熱狂

同イベントは、ダッソー・システムズの機械設計用3D CADソフトウェア「SOLIDWORKS」や、3Dデータ管理やさまざまなソフトウェアとの統合をサポートするプラットフォーム「3DEXPERIENCE」などのユーザーや販売代理店、パートナー、社員などが一堂に会する年次イベント。2020年2月の実地開催を最後に、コロナ禍の影響でここ2年はオンラインでの開催となっていたが、今回は3年振りの実地開催となる。

今年の開催期間は2月12日から2月15日まで。会場は2020年と同じく、テネシー州ナッシュビルの「Music City Center」。カントリーミュージックの聖地として知られる同地域を象徴するコンベンションセンターで、総面積は約11万m2だ。

General Sessionには事業責任者やCEOなどが登壇

イベント開幕に際して行われた基調講演では、3DEXPERIENCE Worksの責任者(SVP)を務めるジャン・パオロ・バッシ氏、ダッソー・システムズCEOのベルナール・シャーレス氏などが登壇した。

○コロナ禍と環境性能への要求向上による社会変化を語るバッシ氏

バッシ氏は3DEXPERIENCEを取り巻く社会の変化について、数年にわたるコロナ禍と、環境性能に対する要求の高まりを挙げる。

コロナ禍は、サプライチェーンにおける多くのクライアントに対してマイナス影響をもたらしたという。また、熟練労働者の不足や原材料の高騰などにより、製造業におけるさまざまな課題が噴出した。「解決のためにはテクノロジーによる総合的なソリューションが不可欠」とするバッシ氏は、3Dの世界にAIやマシンラーニングを適用することで新たな価値が得られるとし、それらを可能にするために「データが非常に重要だ」と語る。

また、カーボンニュートラルやネットゼロへの要求が高まる中、バッシ氏は、バーチャルツインの活用によって環境に配慮した設計戦略を実現することができるとする。加えて、これらの要求を達成し循環型経済を実現するためには、すべての消費者が"利用者"へと転換し、各人が環境負荷を低減させる新たなモデルの構築を目指す必要があるとする。

●クラウド連携により革新を届ける新機能を追加提供へ
○シャーレスCEO「世界にとってのデザインを再構築していく」

シャーレス氏は、あらゆる分野におけるバーチャルツインの重要性を強調する。仮想空間でのコミュニケーションなどを可能にする形で普及するメタバースに対し、バーチャルツインでは現実世界の改善に向けたシミュレーションが行われる。その例として医療などライフサイエンス分野での適用を挙げ、人間の細胞やDNAの挙動に近いものをモデリングし、その変容をシミュレーションすることで、新たな技術を創出できるとする。

また、シャーレス氏もものづくりの現場における材料費の高騰に触れ、バーチャルツイン上で代替素材などのシミュレーションを行うことによって、リアルタイムで製造コストや納期の正確な予測を実現できるとしている。

併せて、学生の教育やスタートアップへのサービス提供に関しても注力していくとする。過去には3DEXPERIENCE Worksを利用して学生によって開発された海中廃棄物回収ロボットが賞を獲得した例もあり、「若い世代は新たなデザインを担っていく存在である」と語る。さらにさまざまな良いアイデアを持つスタートアップも多く存在する中、「すべてのデザインをオンラインで行えるプラットフォームを提供することで、新たな利用者にリーチし、新たなエコシステムを形成している」とした。
○ソフトウェアを利用する開発者たちのものづくりを紹介

SOLIDWORKSのCEOを務めるマニッシュ・クマー氏は、ダッソー・システムズが提供するサービスを利用する人それぞれがメーカーであるとの考えを示し、複雑化が急速に進むものづくりにおいて、その要求に応え最高のアセンブリを実現することを目指すとする。

またダッソー・システムズのバイスプレジデントであるスーチー・ジェン氏は、約700万人とされるユーザーコミュニティの中でも革新的な歩みを進める開発者4名と共に登壇。ウェアラブルロボット、チタンのマシニング技術、大型ロボット、そして心臓外科手術ソリューションと多岐にわたる適用例を紹介し、SOLIDWORKSや3DEXPERIENCEを活用した技術革新に関するプレゼンテーションを行った。

7月からすべてのSOLIDWORKSデータがクラウド利用可能に

また、「SOLIDWORKSコミュニティの全員が3DEXPERIENCE Worksを活用してほしい」と語るバッシ氏のプレゼンテーション内では、2023年7月1日より、SOLIDWORKSのすべてのシートをクラウド上の3DEXPERIENCEに接続可能にすると発表された。

この機能追加により、場所やデバイスにとらわれない作業が実現され、1つのデータに対して同時にコラボレーションすることが可能になるとする。この発表を受けて、会場からは歓声が上がった。バッシ氏は、「いつでもどこでもすべての人が同じデータを扱うことができることの価値を実感してほしい」と締めくくった。

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