2023年02月10日11時00分 / 提供:マイナビニュース
●今度は俺たちに任せてくれ!という気持ち
2021年から2022年にかけて放送された特撮テレビドラマ『仮面ライダーリバイス』の“その後”の物語として、Vシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』が2月10日より期間限定上映される。
本作の主役を務めるのは、平和維持組織「ブルーバード」で日々奮闘する五十嵐大二/仮面ライダーライブ(演:日向亘)と、彼の中に潜む悪魔カゲロウ/仮面ライダーエビル(日向二役)、そして弱き者、虐げられる者を救うため全身全霊をかけて戦う門田ヒロミ/仮面ライダーデモンズ(演:小松準弥)。かつてヒロミは危険なベルト=デモンズドライバーを使ったため肉体に多大なダメージを受けたのだが、そんな彼がいかにしてデモンズへの変身を可能にしたのか、その経緯にも注目したい。また本作では、ヒロミそっくりの姿をした謎の男ムラマサが登場し、ヒロミと激しく対立するスリリングな状況も用意されている。
映画公開を記念し、ヒロミ/ムラマサの2役を演じた小松準弥に単独インタビューを敢行。守るべき者に優しいほほえみを投げかけ、倒すべき敵には闘志をむき出しにする王道的ヒーローのヒロミを魅力的に演じてきた小松が、今回は真逆というべき冷酷・邪悪のイメージを備えるムラマサをどのように表現したのか。1年以上にわたり『仮面ライダーリバイス』という作品を一緒に築き上げてきたキャスト陣や、熱く応援してくれたファンへの感謝の気持ちや、日向亘とダブル主演を務めた本作にかける強い意気込みを語ってもらった。
――まずは、小松さんと五十嵐大二役・日向亘さんとの「ダブル主演」作品が決まったときのお気持ちから聞かせてください。
テレビシリーズ最終回の撮影が終わったあと、すぐ本作の撮影が始まるというスケジュールでしたから、『リバイス』の物語を僕と日向で引き継ぐぞ!という覚悟とプレッシャーを感じていました。(前田)拳太郎が1年間『リバイス』の主役として頑張ってきたから、今度は俺たちに任せてくれ!という気持ちでした。
――今回登場する、ヒロミと同じ顔をした「ムラマサ」は、ヒロミとは真逆でどこか近寄りがたい印象があります。
ムラマサの役作りについては、坂本浩一監督と望月卓プロデューサーと一緒に、どういう方向性でいくか話し合いました。台本を読むと一人称が「僕」で、ちょっと子どもっぽい印象があり、そこにサイコパス的な怖さを出してみたいと僕のほうから提案させていただきました。話し合いの結果、人間味のない無機質な要素を含んだキャラクターとして、ムラマサの役が固まっていきました。僕にとっては、ムラマサの武器が「刀」という部分がうれしかったですね。刀を使ったアクションをずっとやりたかったのですが、テレビシリーズや映画ではチャンスがなく、本作でようやく願いが叶いました。そんなこともあって、特別な思いを込めてムラマサを演じています。
――ムラマサがいかにして誕生したか、という部分にも興味が持たれます。小松さんがムラマサを演じる際、ヒロミ的な要素は盛り込まれていましたか。
ヒロミとの差別化というよりも、ムラマサという新しいキャラクターをどう演じようか、目的や性格を追いかけ作っていくうちに、ヒロミとかけ離れたサイコパス的キャラになっていった感じです。顔や姿がそっくりなので、何か浅からぬ関係だと考えられますが、まったくの別人に見えていればいいなと思います。
――日向さんと小松さんとのデュエットで歌われているオープニングテーマ「Come Alive」に合わせ、お2人がボクシングのスパーリングをしているPV映像が見られました。今回の曲を歌ったご感想や、ボクシングシーンについてのお話を聞かせてください。
日向とパンチを打ち合って、男同士の熱さを前面に押し出した映像になっていると思います。歌もすごくいいでしょう。以前に収録したキャラソン「Without you」(歌:五十嵐一輝/前田拳太郎・門田ヒロミ/小松準弥)はバラード調だったけど、もっと激しいロックナンバーも歌ってみたいと思っていたんです。日向とのダブル主演でスピンオフを作ると聞いたとき、2人で歌うテーマ曲とかあったらいいねと話していましたから、今回実現してすごくうれしかった。日向とはよく2人でカラオケに行って盛り上がっていたので、「Come Alive」もすごく楽しく歌うことができました。
――お話をうかがっていますと、小松さんがずっと『リバイス』の中でチャレンジしてみたかったことが、今回のVシネクストで次々に叶っているような気がしますね。
本当に、幸せな瞬間をたくさん感じさせていただきました。チャレンジといえば、日向の大二&カゲロウの芝居を見ていて、僕も2役をやってみたいとか、デモンズにふたたび変身して、しかも強化フォームになりたいとか、密かに思っていたことが本作で実現して、こんなにうれしいことはありません。
――ヒロミと行動を共にする少女・留美の存在も本作を語る上で重要です。ヒロミは留美から「おじちゃん」と呼ばれてちょっと嫌がっていましたが、実際、小松さんはまだおじさんの年齢ではないですよね。
劇中でもヒロミは「おじちゃんって……」みたいに抵抗を感じていましたが、僕自身は、中学生の(芹沢)凜ちゃんから見たらそうなのかなあ、って「おじさん」と呼ばれることに馴染んできました(笑)。SNSでも、第1話の放送時にヒロミが「変身失敗おじさん」と呼ばれてトレンドワードに入ったじゃないですか。そのとき大勢の方たちからイジってもらったのは、役者としてありがたかったです。仮面ライダーファンのみなさんがいう「おじさん」は親しみがこもった呼び名だと、ポジティブに解釈しています(笑)。
●強化フォームには憧れが
――芹沢凜さんとの共演シーンで、印象に残っていることがあれば教えてください。
可愛かったですね~。現場の人たちはみんなメロメロだったと思います。普段の凜ちゃんは年齢よりも少し大人びた印象があったんですけど、お芝居に入るとグッと子どもっぽくなったりして、感情のコントロールがすごく上手でした。とてもナチュラルに涙をこぼしたり、あの若さでどうしてこんなに上手いのかと何度も驚かされました。本当に素敵な女優さんでした。そんな凜ちゃんが、休憩時間にふと見せる無邪気な一面もよかったです。濱尾(ノリタカ)が「ジョージ・狩崎のライダーシステム」のサビのダンスを練習していて、僕もそれに付き合っていたところを、凜ちゃんが動画撮影していたんです。それはもう無邪気にキャッキャキャッキャはしゃいで。そのとき、彼女の等身大の中学生らしさを垣間見た気がします。あとは……凜ちゃんの宿題を手伝ったこともありました(笑)。
――テレビシリーズ中盤からは肉体的負担のかかりすぎるデモンズドライバーの使用を禁止されたヒロミでしたが、今回、晴れて仮面ライダーデモンズの強化形態「インペリアルデモンズ」に変身します。ひさびさにヒロミが変身したことについての思いを聞かせてください。
ふたたびライダーに変身することができた上に、強化フォームになれて、感慨深かったです。やっぱり強化フォームには憧れがありましたし、ヒロミがまた変身するのなら、デモンズ・スパイダーゲノムがいいなと思っていました。スパイダーの強化形態=ジャイアントスパイダーバイスタンプで変身すること、そして「威厳」や「皇帝」を意味する「インペリアル」という名前であることも、迷いなく自分の答えを見つけ、守るべき者のため「命を大事にして戦う」ヒロミの成長をうかがわせて気にいっています。インペリアルデモンズが劇中でどんな戦い方をするのか、という部分にもご注目ください。
――劇中、キャストのみなさんで遊園地に行き、楽しく遊ぶシーンがあるとうかがっています。このシーン、小松さん的にはどんな印象でしたか。
ただただ、みんなが素に戻って楽しんでいましたし、僕も楽しい時間を過ごしました。ジェットコースターに乗るシーンでは、凜ちゃんがすごく怖がってしまい、乗りたくない~って言ってたんです。そんなとき、花役の椛島光さんが自分も怖いのを我慢して乗り込み、凜ちゃんを勇気づけていたのが印象的でした。花もしっかり「お姉さん」していましたね(笑)。
――また、エンディングには『リバイス』メインキャストによるPV風映像が撮影されているそうですね。エンディング曲「Love yourself」をみなさん(#ナイスファミリバ)で歌われたこともあわせ、ご感想を聞かせてください。
「Love yourself」は僕たちにとって、大事な曲になりました。PV撮影のときに「本人のままでいい」って言われたのはうれしかったですね。役として演じるのではなく、普段のままのみんなで撮れたのは大きかったと思います。それでいて、1年以上演じてきたそれぞれの役がふいに現れる瞬間もあって、とても素敵な映像が生まれています。
――『仮面ライダーリバイス ファイナルステージ&番組キャストトークショー』で全国を巡り、東京(中野サンプラザ)で最終公演を迎えたときのお気持ちはいかがでしたか。
最初は実感がなかったんですけど、いよいよ最終日だという瞬間になって、1年間いっしょに戦ってきたキャストのみんなと兄妹・家族のような絆が生まれたこと、俳優を始めるきっかけが「仮面ライダーになりたい」だったこと、今までずっと応援してくださったファンのみなさんのおかげで無事ここまで走ってくることができたんだという感謝の気持ちなど、いろいろな思いがこみあげてきて、気づけば涙を流していました。
――Vシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』の見どころを聞かせてください。
『仮面ライダーリバイス』における、僕と日向にとっての集大成的作品です。人間が大切にするべきものは何なのか、信じるものは何なのか。目には見えず、形がないかもしれないけれど、心にとどめておくべくものがきっとある。そんなメッセージが作品の中に込められています。この作品をご覧になったみなさんの心の中にも「何か」が残ってほしいですし、『仮面ライダーリバイス』っていいよね……と思ってもらえたらうれしいです。