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HPEが大量データのワークロード向けストレージサーバ「HPE Alletra 4000」

2023年02月03日06時00分 / 提供:マイナビニュース

日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2月2日、オンラインで記者説明会を開き、新しいデータストレージサーバ「HPE Alletra 4110」「HPE Alletra 4120」の2モデルの提供を開始した。
日本のデータ活用には、まだまだ余地がある

同社では、2023年からストレージ製品管理組織を従来のコアプラットフォーム事業統括から、データサービス事業統括に変更している。

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 データサービス事業統括本部長 兼 HPC・DATA&AIソリューション事業統括 本部長の根岸史季氏は「単なるデータの倉庫の販売組織からデータ活用インフラを提供する組織に生まれ変わり、日本のお客さまのDX(デジタルトランスフォーメーション)加速をサポートする」と意気込みを語った。

ただ、一方でデータ活用はDXの要ではあるものの、成功している企業は少ないと同氏は指摘。根岸氏は自社で行った企業におけるデータ活用成熟度(レベル1~5、レベルが上がるほど成熟していることを示す)の調査結果を引き合いに出し「企業のデータ活用成熟度はグローバルの平均は2.6だが、日本は2.1となっており、まだまだデータ活用を促進していく余地はある」と話す。

データ活用における技術的側面の課題として「困難な容量拡張」「分散(サイロ化)」「利用増加による性能劣化」の3点を挙げており、クラウドは性能・容量のスケーラビリティやような管理の点でデータ活用を促進しているものの課題があるという。

クラウドの課題としては、コスト、ベンダーロックイン、安全性が懸念されている。現実的な解として、同氏は用途・期間・コスト・安全を勘案してデータの配置を適材適所で行い、クラウドと連携できるデータ活用のインフラが必要だと述べて、それを実現するものがHPE Alletraというわけだ。根岸氏は「HPE AlletraとHPE GreenLakeにより、理想的なデータ活用基盤を提供する」と強調。

クラウドの当たり前を自社で実現するソリューション

HPE Alletra 4000は、一般的なサーバと比較してSSDやHDDを大量に搭載できる用途特化型サーバ。一般的なサーバであればSSD/HDDは2本~4本だが、新製品は20~48本搭載できる。

同製品の説明を行った、日本ヒューレット・パッカード データサービス事業統括ストレージ製品本部 エバンジェリスト/カテゴリーマネージャーの山中伸吾氏は「クラウドの当たり前を自社で実現するソリューションだ」と力を込める。

新製品は従来ブロックストレージ製品のみで構成されていたHPE Alletraポートフォリオを拡張するデータストレージサーバとなり、第4世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサを搭載。クラウドと同様の性能・容量のスケーラビリティを備え、管理が容易なデータ活用基盤を実現するとしている。

山中氏は「データストレージサーバは見た目はストレージだがサーバだ。従来からデータストレージサーバとしてはHPE Apollo 4200 Gen10 Plusを持っている。新製品は、さまざまなソフトウェアと組み合わせて大規模ストレージを構築できる。例えば、SDS(Software Defined Storage:ソフトウェア定義型ストレージ)の『Qumulo』と組み合わせれば最大100ノード、38PB(ペタバイト)の容量となり、3万8000人の従業員のPCデータ(1人1TBを想定)を丸ごと1個のフォルダで保存でき、それぐらいのスケーラビリティをオンプレミスで実現できる」と述べた。

HPE Alletra 4110は、NVMe対応オールフラッシュデータストレージサーバと位置付けており、1UのNVMe対応で第4世代インテル Xeonスケーラブル・プロセッサ(最大2個)とDDR5メモリー(最大3TB)を搭載している。

SFF規格のNVMe SSD(最大20本)搭載モデルに加え、新規格のEDSFF SSD(E3.S 1T最大20本)搭載モデルも用意。機械学習用データストア、分散データベース、NoSQLデータベース、高性能SDSなど、高速なデータアクセスが必要なワークロード向けに設計されている。

一方、HPE Alletra 4120はNVMe/SSD/HDD対応のハイブリッドデータストレージサーバ。2UのハイブリッドSSD/HDDで第4世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサ(最大2個)とDDR5メモリ(最大6TB)を搭載。

LFF規格のSSD/HDDを最大28本(前面24本+背面4本)、SFF規格のSSD/HDDを最大54本(前面48本+背面6本)の搭載が可能。1台(2U)で最大829.44TB、1ラック(42U)で最大17.4PB搭載(SFF 15.36TB SSD利用時)でき、データレイク、SDS、統合データ保護、ディープアーカイブなど、大量のデータを管理・保存が必要なワークロード向けに設計されている。両モデルともに、最大1枚のGPUとFPGAの搭載を可能としている。

SDSとの組み合わせで幅広い拡張が可能

ユースケースは、大量のデータを取り扱うワークロードとしてリアルタイムデータ処理、ランサムウェア対策、コンプライアンス対応とeディスカバリー(電子証拠開示)、ビデオ監視、医療画像、機械学習のトレーニングと推論、バッチ分析、即時共有用コンテンツのリポジトリ、データの統合とオフロードなどを想定。

特に山中氏はSDSとの組み合わせについて重点的に説明した。同氏は「SDSは、ソフトウェアの力を利用して複数サーバ内のディスクを束ね、単一の大きなストレージ領域を作成する」と説明する。

SDSの技術的なメリットとして同氏はスケーラビリティを挙げており、一例としてディスクを追加する際に従来型ストレージは筐体に空きがあれば対応可能だが、空きがない場合は筐体自体を変更しなければならない。その点、SDSはサーバを追加していくことで容量拡張が可能であり、数十TBからPBまで幅広く拡張を可能としている。

また、ユーザーが増加してサーバの処理能力が不足した場合、従来型ストレージは1個のデータ保存領域に対してい1台のサーバしか接続が不可能であり、処理能力を像上するためのサーバの増設は不可能となっている。山中氏は「SDSは、サーバを追加していくことで処理能力の増強が可能だ」とメリットを説く。

SDSは動画作成・編集や大量の画像・動画データ、研究データの分析などメディア企業、製造業・製薬研究所などが利用するQumulo、汎用ファイルサーバ、バックアップ、ランサムウェア対策が可能なCohesity、大量の非構造がデータを保存できるオブジェクトストレージのScalityなどを将来的にサポートを予定している。なお、QumuloとCohesityについてはHPEが保守を一括提供し、障害切り分けも実施する。

さらに、HPE Completeプログラムは同社とソリューションベンダーが共同事前検証済みのサードパーティソリューションの利用を可能としており、HPE製品として購入でき、保守やサービスも対象になる。

導入・監視・管理は、HPE iLOサーバ管理ソフトウェアに加え、パブリッククラウドの管理と同じく、クラウド上の管理コンソール「HPE GreenLake for Compute Ops Management」を通じて行うことができ、同社のProLiantにも搭載している。

HPE GreenLake for Compute Ops Managementは、HPE ProLiant Gen10以降のHPEサーバで利用(一部モデルを除く)でき、サブスクリプションで月額単位から提供(提供谷は1年から)し、最大90日間利用が可能な評価版サブスクリプションを無償で提供するという。

加えて、HPE GreenLakeにより従量課金制のas a Serviceとして導入することができるため、初期投資やITリソースを節約しつつ、プロジェクト開始を早め、ニーズに応じて財務面の柔軟性と経営のスピードアップに役立てることができるという。

そのほか、ゼロトラストセキュリティの考え方をふまえた設計にしており、基板上の半導体チップから動作するソフトウェアまで、また出荷される工場からクラウドまで、さまざまな状況を想定したセキュリティ機能を実装している。

ファームウェアの改ざんなどをチップレベルで検知する「HPE Silicon Root of Trust」をはじめ、物理ベゼルロック、論理構成ロック、セキュアブート、連邦情報処理標準のFIPS 140-2のSmart EncryptionおよびSelf-Encrypting Drives、Secure Erase をサポート。

なお、価格はHPE Alletra 4110が501万200円(税込)、HPE Alletra 4120が397万9500円(同)となり、両モデルともに3月中旬の出荷開始を予定している。

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