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30周年を迎えたNTFSとReFS再サポートへの期待 - 阿久津良和のWindows Weekly Report

2023年01月29日16時00分 / 提供:マイナビニュース

Windows 11 Insider Preview ビルド25276(本稿執筆時点の最新はビルド25284)において、ReFS(Resilient File System)のサポートが復活したと多くの海外ITニュースサイトが報告している。

筆者の環境では確証に至らなかったが、ローカルストレージでファイルを管理する消費者に光が見えてきた。ReFSはWindows 8.1・Windows Server 2012時代に実装したものの、NTFSが実現する機能は実験的段階を理由に削除され、非ブートドライブでの使用に限定されていた。筆者も記憶域プールの作成時に使用しようと思案していたが、2017年のWindows 10 Fall Creators Update以降は、Pro for WorkstationおよびEnterpriseエディション固有の機能となった。

ReFSは現在のNTFSに続く新たなファイルシステム。信頼性の向上や復元力の強化、NTFSと一部の互換性を実現させた。筆者もWindows Server運用時は一部のストレージにReFSを適用してみたが、ボリューム単独で使用しても利点は少なく、OSリニューアルに合わせてNTFSに切り替えている。

ファイルシステムといえば、最終的にWindows Vistaへと至ったWindows LonghornのWinFS(Windows Future Storage)を思い出すユーザーも少なくないだろう。リレーショナルデータベースでオブジェクトを管理し、厳格なアイテム管理を可能とするが、当時のPC性能では負担が大きかった。概念の一部は別のMicrosoft製品に用いられたが、最終的に開発はキャンセルしている。

サポートしたOSのリリースタイミングからも分かるように、ReFS自身も紆余曲折の道のりを歩んできた。筆者自身はReFSバージョン3.7をサポートするWindows Server 2022を検証していないのだが、互換性に代表されるいくつかの問題を抱えている。ただし細心の注意を払って運用すれば、前述したようにファイルの格納先として利用可能。今後のWindows 11 ProでReFSが使用できるかどうかは不明だが、ファイルサーバー化したWindows 11を自宅で走らせている場合は動向を注目すべきだ。

今回、Windowsファイルシステムを改めて調査したところ、最初にNTFSをサポートしたOSはWindows NT 3.1だ。ちょうど今年(2023年)は30周年にあたる。前述のように、Windows 11 Insider PreviewでReFSのサポートを発見できても、従来と同じくPro for WorkstationおよびEnterpriseエディションに限定される可能性は否定できない。圧縮や暗号化、およびリムーバブルメディアへ適用できない現状を差し引いても、データの可用性と拡張性が大幅に向上したReFSは魅力的だ。ReFSに関心を持たれたら、Microsoftの公式ドキュメントに目を通してみるとよいだろう。

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら

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