2023年01月28日11時00分 / 提供:マイナビニュース
●官能的なシーンは「表情」「役としての思い」を大事に
俳優の瀬戸利樹と中田圭祐がW主演を務めるABCテレビのドラマ『僕らのミクロな終末』( 毎週日曜深夜24:55~全8話 ※関西ローカル、見逃し配信あり)があす29日にスタートする。原作・丸木戸マキ氏×監督&脚本・三木康一郎氏という『ポルノグラファー』シリーズのタッグで人気コミックを実写化する今作は、過去に恋愛関係にあった2人の地球滅亡までの10日間を描く、もどかしくて愛おしい終末ボーイズラブストーリー。
ある日突然「巨大隕石落下によりあと10日で地球が滅亡する」ことがニュースで知らされた仁科真澄(瀬戸)は、残された時間を静かに過ごそうと母校の大学図書館を訪れる。そこで偶然、大学時代に自分を裏切った日下部律(中田)と再会。二度と会いたくなかった相手だが、地球滅亡までの時間をともに過ごそうと誘われ、互いの負った痛みや傷に向き合うことで心と身体の距離を再び縮めていく。
今回は瀬戸と中田に今作の見どころや現場での裏話についてインタビュー。「もし地球が滅亡するなら愛した人に会いに行くか?」「主人公・真澄からそんな相談を受けたら?」というテーマでは、「背中を押します」という応援派の中田を、瀬戸が「幸せが確約されていないのに無責任じゃない?」と責め始めるなど白熱した恋愛トークが繰り広げられた。
○■撮影3日目で官能的なシーンに挑戦
――放送を前にすでにクランクアップを迎えているとのことですが、今作への出演が決まったときの心境と、撮影を終えての思いを教えてください。
瀬戸:官能的なシーンも含め、僕にとって挑戦といえる作品だったので、やるからには後悔なく素敵なものにしたいという気持ちで臨みました。悔いなくやりきれたと思っています。
中田:僕も今できることをすべてぶつけた作品になりました。律は真澄や女の子たちを翻弄していくというすごくかっこいい役どころで、僕にできるかなと不安もありましたが、監督と相談しながら律の色っぽさや艶っぽさを所作の1つひとつに込められるよう頑張ったつもりです。
――官能的なシーンも見どころの1つだと思いますが、力を入れたポイントや難しかった点を教えてください。
瀬戸:撮影が始まって早くも3日目で官能的なシーンがあったので、その後の撮影では恥ずかしいものがなくなって作品の世界に没頭できるようになりました。
中田:あのシーンの撮影でお互い一皮むけたよね。
瀬戸:頑張ったポイントは表情です! 地上波放送での描写に制限がある中で、表情の見せ方にこだわりました。
中田:僕は真澄への気持ちを大事に芝居の1シーンとして臨みましたが、映像としてキレイに見せなきゃいけないという作業は難しかったです。「こうしたらどうだろう」と相談しながら、利樹と二人三脚で真剣に向き合ったからこそ撮れた画になっていると思います。
瀬戸:自分たちの動きが大きすぎると表情がブレてしまうので、ブレない画にしつつ動いているように見せるという点が難しかったよね。
中田:ちゃんと映像として仕上げなきゃいけないという難しさが勉強になりましたし、官能的なシーンはすごくやりがいがありました。
○■互いの魅力的なところは“目”
――今回の共演で感じたお互いの魅力的なところを教えてください。
瀬戸:目が素敵だなと思っていました。吸い込まれるような目をしているので、見つめるシーンではつい見とれてしまって。僕の芝居も変えてくれるような目でした。
中田:僕も目です。真澄を演じているときの優しい目や潤んだ目に自分の芝居を引き出してもらっていました。あと視野が広くて、1人ひとりをちゃんと見ている人だという印象が強いです。オフはふにゃふにゃなんですけど、オンの利樹はすごくかっこいい。素敵なギャップです。
――過去に一度共演されていますが、そのときの印象は。
瀬戸:今回と同じように地方に泊まり込んで撮影していたのですが、劇中にあまり絡みがなく、仲良くしていたグループも別々だったので交流が少なかったんです。
中田:休みの日に遊びに行ったことがちょっとあったかな、くらいだったよね。今回3、4年ぶりに共演することになって、僕はこういったジャンルの作品が初めてだったのですが、利樹は経験者ということで、リードしてもらおうという気持ちでした。身を委ねよう! と。
瀬戸:(笑)。当時圭祐にはしっかりした人だという印象を持っていたのですが、意外とふにゃふにゃで。
中田:お互いふにゃふにゃでね(笑)。
瀬戸:見た目も僕よりはるかにクールっぽく見えるのに。でも2人そろってふにゃふにゃはまずいと思って、僕がもうちょっとしっかりしないとと現場で気を引き締めました(笑)。でもやっぱり同い年だから、すぐ打ち解けましたね。
中田:撮影3日目に裸で抱き合ったしね!(笑)
●瀬戸の寿司占い、「つぶ貝」が好きな中田の結果は
○■現場では“寿司占い”が大盛り上がり
――現場で見たお互いの印象的なエピソードを教えてください。
瀬戸:誰にも聞こえないような小さな声で「こうやればいいのか」「なるほどね」とボソっとつぶやいていたところですかね。心の声がよく漏れ出ていました(笑)。
中田:現場にいるときはいろんなことを考えているので、無意識に声に出ていたみたいです。利樹は、現場でよくボケていました。誰かに向かって話しかけるのではなく空間に対してボケるので、皆いつも「ツッコんだほうがいいのかな」って悩まされるんです(笑)。ツッコむと、うれしそうな顔をするときもあれば「ん?」とつれない反応のときもあって。
――瀬戸さんにとっての正解は。
瀬戸:正解はその日の気分です(笑)。
中田:昨日こうだったから今日もこう、という正解のパターンがないんですよね(笑)。
瀬戸:僕も少しひねくれているので、「昨日ツッコんでこなかったら、今日はツッコんでくるんだろうな」とボケるときにいろいろ考えたりしていて。
中田:そんなところも含め、利樹は現場のムードメーカーでした。「寿司占い」をやってくれたり。
瀬戸:出た!(笑)
――寿司占いとは。
瀬戸:一番好きなネタで性格が分かるという自己流の占いです。
中田:僕は「つぶ貝」が一番好きなんですけど、「おじさんくさい」という結果でした(笑)。
瀬戸:ただの印象なんですけどね(笑)。
中田:キャストの皆を占ってくれたのですが「確かに!」「そういうところあるかも!」と皆で大盛り上がりしました。
瀬戸:今思うと皆が僕に付き合ってくれていただけかもしれません(笑)。
○■もし地球滅亡がするなら愛した人に会いに行く
――主人公・真澄はかつて一番愛した律と再会し、裏切られた苦い過去を抱えながらも地球滅亡までの10日を共に過ごすことになります。もし真澄から律についていくべきかどうか、相談を受けたらどう答えますか。
瀬戸:「やめなよ」と止めます。でも地球滅亡まで10日という状況だと、たとえ過去に裏切られていたとしても、一番愛した人にまた会いたいという気持ちを抱いてしまうと思うんです。自分を変えてくれた人でもあるし、自分のすべての基盤を作った人でもあるし……。
中田:僕は「行くところまで行ったほうがいい」と背中を押します。
瀬戸:応援するの?
中田:真澄の人生にとって、いい思い出になるかもしれないから。
瀬戸:また裏切られるかもしれないのに背中を押すの? 幸せが確約されていないのに? 無責任じゃない?
中田:いや、その、無責任だとは思うけど……!
――突然めちゃくちゃ責められていますね(笑)。
瀬戸:(笑)。
中田:「やめたほうがいい」と言っても止まらないと思うんです。本当は「ついていきたい」と気持ちは決まっていて、背中を押してほしいんじゃないかなと。相談ってそういうものですよね。悔いのないようぶつかってもらって、その後にケアできれば。
瀬戸:地球滅亡10日前だから、もうケアすることもできないけどね(笑)。
中田:そうだった(笑)。10日で地球が滅亡すると思うと、なおさら「行ってこい」だな。
――お2人が真澄の立場でも、最後は律のもとへ行きますか。
瀬戸:行くと思います。
中田:行っちゃうと思います。
瀬戸:きっと99%の人がそう答えるんじゃないかな。
――最後に今作の見どころと視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
瀬戸:地球滅亡までの10日間で何ができるか、誰と過ごしたいのか、お金は使い切るのか使い切らないのか、価値観は人それぞれ違うと思います。自分だったらどうするだろうかと考えることもできますし、真澄はきっと多くの方に共感していただけるキャラクターだと思いますので、放送を楽しみにしていてもらいたいです。
中田:僕はBL作品に出演させていただくのが初めてなのですが、今の時代にすごくマッチした作品になっていると思います。人が人を愛することに性別や年齢、国籍は関係ない、ただ「この人が好きだ」という思いがすごく素敵なものなんだと、人を愛することの大切さに気づかせてくれたかけがえのない作品です。皆で魂を込めて全力で作り上げたので、1人でも多くの方に見ていただけたらうれしいです。
■瀬戸利樹
1995年10月7日生まれ、千葉県出身。2014年にテレビドラマ『弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』で俳優デビュー。翌年、『ストレイヤーズ・クロニクル』で映画初出演を果たし、2016年、『仮面ライダーエグゼイド』に、鏡飛彩/仮面ライダーブレイブ役で出演し、人気を博す。近年の出演作に、ドラマ『偽装不倫』(19年)、ドラマ『シンデレラはオンライン中!』(21年)、『推しの王子様』(21年)、『先輩、断じて恋では!』(22年)、『サンドナイツがプロ野球選手だけの居酒屋はじめました』(23年)、映画『老後の資金がありません!』(22年)など。2023年は舞台『「FLAGLIA THE MUSICAL」~ゆきてかえりし物語~』(2月3日~9日、東京・日本青年館ホール)への出演が控えている。
ヘアメイク/窪田健吾(aiutare)、スタイリスト/甲斐修平、衣装提供/パーカー:amok
■中田圭祐
1995年11月27日生まれ、神奈川県出身。2014年にモデルデビューを果たし『MEN'S NON-NO』専属モデルとして活躍。2016年にドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』で俳優デビューを果たした後、『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(18年)、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(20年)、『サレタガワのブルー』(21年)、映画『あの頃、君を追いかけた』(18年)、『シグナル100』(20年)、『らせんの迷宮~DNA科学捜査~』(22年)、『明日、私は誰かのカノジョ』(22年)、映画『ブルーヘブンを君に』(21年)、『耳をすませば』(22年)などに出演している。公開待機作に主演映画『さよならモノトーン』(2023年秋公開予定)がある。
ヘアメイク/根本佳枝、スタイリスト/Lee Yasuka