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近未来テクノロジー見聞録 第287回 UCIがフィナステリドやミノキシジルに代わる新たな発毛成分を発見!

2023年01月16日08時03分 / 提供:マイナビニュース

2022年6月30日、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)は、フィナステリド、ミノキシジル以外の強力な発毛成分を発見したというプレスリリースを発表した。では、この新しい成分とはどのようなものだろうか。今回は、こんな話題について紹介したいと思う。
発見したフィナステリド、ミノキシジル以外の発毛成分とは?

では、UCIが発見した強力な発毛成分とはどんなものだろうか。それは、「SCUBE3」と呼ばれるシグナル伝達分子だという。今回のUCIの研究成果は、SCUBE3が毛乳頭細胞の成長を促進するメカニズムを特定したというものだ。

髪の毛は、毛母細胞の細胞分裂によってできた細胞の蓄積によってできている。そして、その毛母細胞の細胞分裂に栄養や指令を与えるのが、毛乳頭細胞だ。毛乳頭細胞は毛根の中央部にあり毛細血管と繋がっていて、血液から栄養を届けている。SCUBE3は、毛乳頭細胞から毛母細胞への栄養や指令の伝達を活性化させるのに役立っているというのだ。

研究チームはマウスによる実験を実施しており、その結果SCUBE3が過剰な毛髪の成長を促進する可能性があること、そしてSCUBE3がこれまで知られていなかったシグナル伝達分子であることを特定したという。

現在は薄毛治療に効果があるとして、フィナステリドとミノキシジルの2成分を含む商品が医薬品として販売されている。なかでもフィナステリドは、男性のみ使用が認められている。しかしながらその課題として、これらの成分は効果を持続させるために毎日の服用を必要とする。SCUBE3は、このような課題を解決してくれる次世代の育毛剤になる可能性があると期待されているのだ。

なお、この研究成果は『Developmental Cell』にてオンラインで掲載されている。

いかがだっただろうか。日本では数多くの男性が薄毛で悩んでいるというデータがある。今回の発見は、彼らの悩みを解決してくれる大きな進歩になるかもしれない。またUCIは、SCUBE3の育毛剤に関する仮特許出願を提出しているという。2014年時点の古いデータではあるが、薄毛マーケットの市場は約4,414億円規模だとされている。今回の研究成果も、今後ビッグビジネスになる可能性が高いだろう。

齊田興哉 さいだともや 2004年東北大学大学院工学研究科を修了、工学博士。同年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社し、2機の人工衛星プロジェクトチームに配属。2012年日本総合研究所に入社。官公庁、企業向けの宇宙ビジネスのコンサルティングに従事。 現在は、コンサルティングと情報発信に注力。書籍に「宇宙ビジネス第三の波」、「図解入門業界研究 最新宇宙ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」など。テレビ、新聞、Webサイト、セミナー・講演も多数。 この著者の記事一覧はこちら

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