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かまいたち山内、原動力は「家族」 父親になって強まった稼ぐ意識と漫画への思い語る

2023年01月07日07時00分 / 提供:マイナビニュース

●攻めたネタ作りを意識「置きに行ったらダメ」
2017年に『キングオブコント』で優勝し、いまや超売れっ子芸人となったお笑いコンビ・かまいたち。12月末時点でレギュラー17本と大活躍で、「売れに売れた」と山内健司は胸を張る。映画や声優など、お笑い以外の仕事にも挑戦。山内は漫画好き芸人としても知られ、漫画番組『川島・山内のマンガ沼』(読売テレビ)も放送されている。そんな山内イチ押しの漫画が『ガンニバル』だ。ディズニープラス「スター」で実写化もされた本作にハマったきっかけや、本作を読んで再確認した芸人として貫くべき姿勢、さらに家族への思い、今後の目標など話を聞いた。

累計発行部数210万部を超える二宮正明氏のサスペンスコミック『ガンニバル』は、都会から遠く離れた山間の“供花村(くげむら)”に、家族と共に駐在として赴任した阿川大悟を主人公とする物語。この村には「人が喰われているらしい」との噂があり、大悟はその真相を探る中で次々と不可解な出来事に遭遇し、狂気の淵へ追いつめられていく。

山内は、日常のありふれた設定の漫画より、パンチの効いた攻めた漫画が好きだそうで、『ガンニバル』はまさに山内好みの作品だった。

「普段から暴力系やグロい漫画を好んで電子書籍で読んでいたら、パンチの効きまくった表紙の『ガンニバル』がおすすめとして挙がってきて、1巻読んだら物語もパンチが効きまくっていたので全部読みました」

読み進めていくにつれて、パンチがあるだけではなく感動もあり、よりハマっていったという。

「最初はパンチの効いた描写だけを求めて読みましたが、人間関係や家族の話など設定がしっかりしていて、ストーリーにも引き込まれていき、こんなに壮大な感動的なストーリーになるんだと、最後まで読んだときはびっくりしました」

パンチの効いた物語が好きな理由を尋ねると、「映画もそうなのですが、日常であり得そうなことを漫画や映像で見る必要ないなというタイプで、『ゴジラ』や『アナコンダ』など、日常で絶対に体験できないことを漫画や映像で見るのが好きなんです」と答え、「『ガンニバル』は絶対に自分は体験できない未知の世界を描いている作品だったので読みました」と加えた。

攻めた作品を求める山内は、自身が生み出すネタも攻めたものを目指しているという。

「ネタを書く上でも置きに行ったらダメだなと。攻めに攻めて、苦手な人が出てくるかもしれないけど、好きな人は大好きになるようなネタを心がけています。『ガンニバル』でしか味わえない体験というように、かまいたちじゃないとできないネタをしないと意味がないと思うので」

その攻めの姿勢は、『ガンニバル』を読んで改めて強くなったそうで、「『ガンニバル』の行き切っている感じが素晴らしいなとすごく尊敬し、やっぱこうじゃないと見る意味がないよなと再確認しました」と語る。

●父親になって生まれた責任感「しっかり稼がないと」

大好きな『ガンニバル』がディズニープラスで実写化されると聞いたときは、驚いたという。

「ディズニープラスで? 何かの間違いじゃないかなと思いました。パンチが効きすぎていてドラマ化は厳しいだろうと思っていましたし、ディズニープラスということに一番びっくりしました」

そして、「だいぶ薄めないと無理だと思うくらいすごい漫画なので、どうするのかなと心配しました」という山内だが、完成したドラマを見て「全然薄めてないやん!」と再び驚いたという。

「漫画と比べても遜色ないくらいハラハラドキドキ、パンチの効いたドラマになっていました。原作ファンの方も納得するくらい原作に忠実で、原作を超えるくらいのクオリティだなと。みんな拍手喝采だと思います」

12月28日より配信がスタートしたドラマでは、主人公の警察官・阿川大悟役を柳楽優弥、供花村を支配する後藤家次期当主・後藤恵介役を笠松将、大悟の妻・阿川有希役を吉岡里帆が演じているが、山内は「皆さんすごくぴったりなキャスティングだなと思いました」と太鼓判を押し、「あと後藤銀役の倍賞美津子さんがぴったりすぎでした」と絶賛した。

阿川と自身の共通点を尋ねると、「阿川はぶっ飛んでいるところがありますが、家族のことをすごく大事にしている。だけど、家族のためにやっていることが家族を不安にさせてしまったり。僕たちは今レギュラーが17本で、家族のために頑張ろうと思ってやっているのに、仕事が増えてほぼ家族といないという矛盾した感じになっていて、そこは阿川と重なるかなと思いました」と答えた。

「スーパー大金持ちになる」ことがコンビの終着点だというかまいたち。山内は家族が原動力になっているそうで、「仕事のモチベーションは家族です」ときっぱり。現在2人の息子の父親だが、「子供が生まれてからは特に、20歳になるまで育てられるくらいしっかり稼がないといけないという責任感が生まれ、それまでは頑張らないといけないなというモチベーションになっています」と語った。

続けて、どんな親子関係なのか尋ねると、「今のところうまくいっていると思いますが、嫁が注意するという役割で、僕はあまり怒らず優しくしていたら、最近なめ出している感じがあって。僕が迎えに行くと、『なんで来るんだよ!』ってイジってきたりするので、注意するときはちゃんと注意して、威厳を見せていかないといけないなと思っているところです」と明かした。

●漫画漬けの日々 漫画喫茶でバイトしていた過去も

漫画好きになったのは母親の影響だそうで、「母親が漫画が好きで『週刊少年ジャンプ』を読んでいたので、僕も小学校1年のときにはもう『ジャンプ』を読んでいて、そこからずっと漫画を買いまくっています」と説明。漫画喫茶でバイトしていた経験もあり、「漫画がタダで読めるということでバイトを始めて、休憩時間を使って漫画喫茶の漫画はほぼ読みました。少女コミック以外は」と話した。

バイトしていたときに、売上金を金庫に入れて扉を閉めようとしたときに指を挟んでケガするというハプニングも。だが、その瞬間に、それまでハマりすぎていたパチスロをやめようと決意し、その後の芸人としてのブレイクにつながったのだとか。

「スロットをやめることができたので指をケガしてよかったです」と笑い、「漫画喫茶でのバイトもいい思い出です」と懐かしそうに話した山内。また、数多くの漫画に触れてきたことはお笑いにも生きているようで、「いろんな設定とか勉強になっていると思います」と語った。

漫画に関する野望を聞いてみると、「いろんな漫画を読んでいますが、人におすすめの漫画を聞いて読んでみたら面白いということがまだめちゃくちゃあるので、全漫画を網羅したいです。誰におすすめの漫画を聞いても、『それ読みました』と言えるくらい全部把握しておきたいです」と漫画に対する強い思いを述べ、「空き時間や移動中はずっと漫画を読んでいます。最近は電子書籍で買っていますが、読みたい漫画がたまっていて、時間があれば漫画を読むという感じです」と漫画漬けの日々を明かした。

そして、大活躍の2022年を振り返り、「映画に出演させてもらったり、声優をやらせてもらったり、お笑い以外の仕事も経験させてもらった年でした。勉強になりましたし、いい思い出になりました」としみじみ。

いろいろな事件が起きる『ガンニバル』にちなみ、2022年に起きた山内にとっての“一番の事件”を尋ねると、NHKの音楽番組『Venue101』でMCを務める相方の濱家隆一が、タッグを組んでいる生田絵梨花と楽曲を配信リリースしたことを挙げ、「濱家が変な曲をリリースして、踊っていて。番組を見てなかったのでびっくりしました。それが一番衝撃でしたね」と相方をいじった。

最後に「来年はコンビでずっと目標に掲げているレギュラー20本にタッチしたい。それに向けて今いただいている仕事を頑張って、オファーを待つという感じです。直近でいうと2月2日に武道館で単独ライブをやるので、それをいい感じでやり終えたいなと思っています」と2023年の抱負を述べ、「レギュラー20本の芸人さんはいないと思うので、レギュラートップを狙いたいです」と力を込めた。

■山内健司
1981年1月17日生まれ、島根県出身。2004年5月に濱家隆一とお笑いコンビ・かまいたちを結成。『第28回ABCお笑い新人グランプリ』(07年)最優秀新人賞、『第43回上方漫才大賞』(08年)新人賞、『第33回ABCお笑いグランプリ』(13年)優勝、『キングオブコント2017』優勝などの受賞歴を誇り、『M-1グランプリ2019』第二位。『かまいガチ』、『千鳥かまいたちアワー』など多くの冠番組やレギュラー番組を持ち、個人でも『川島・山内のマンガ沼』に出演中。2023年2月2日に日本武道館で「かまいたち単独ライブin武道館『DESIRE』」を開催する。

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