2022年12月28日10時00分 / 提供:マイナビニュース
●「コントを楽しむ」原点回帰的な感じでわちゃわちゃ
やさしいズ・タイ、男性ブランコ・平井まさあき、サンシャイン・坂田光、空気階段・水川かたまり、そいつどいつ・松本竹馬による5人組コントユニット・コント犬。「コントだけで犬を養える生活を目指す」をコンセプトに2019年に結成し、定期的に劇場公演を開催してきた5人が、12月29日に東京・ルミネ the よしもとでベストネタライブ「コント犬~今日が貴方の犬バーサリー~」を開催する。5人にインタビューし、コント犬のやりがいや目標を聞いた。
――コント犬のやりがいや楽しさをどう感じていますか?
平井:コンビだと2人のネタになるので、多人数のネタはちょっと違う脳みそを使っているというか、違う筋肉と言いましょうか……普段できないような設定のネタができるのは楽しいですし、みんないろいろ遊んでくれるので、そんな発想もあるんだ、そんな顔できるんだという新しい発見があって、新大陸に向かうコロンブスのような心境です。
松本:くぅーーー(寝たふり)
平井:寝るんじゃないよ!(笑)
松本:ユニットコントは多人数ならではの展開や設定など、2人ではできないコントができる。僕は一番後輩なので、兄さんたちからけっこうパクってます(笑)。例えば、平井さんの演出とか、タイさんのセリフ回しとか、坂田さんの展開とか、かたまりさんの顔芸とか……。
かたまり:(「顔芸」発言に反応し)おい!
松本:皆さんとコントをやることで、こんな作り方があるんだと勉強になって、自分らのコンビに持ち帰って、今、そいつどいつが“男サンやさ段”になっています。
平井:そいつどいつがなくなってる!
松本:“男サンやさ段どいつ”か! 兄さんたちのおかげでパワーアップしています。
平井:「兄さん」って呼ばれたことない。いつも「平ちゃん」ですよ。仲良しすぎるので。
――坂田さんはいかがでしょうか?
坂田:コンビだといつも2人数で……。
平井:入り口がみんな人数から(笑)
坂田:普段できない多人数のコントは新鮮ですし、コンビだとストイックになりがちですが、コント犬はただただ楽しく、コントが好き、コントを楽しむ、という原点回帰的な感じでわちゃわちゃやっています。60分公演なのに30分くらい延びたときもあって、楽しくやれているのがいいですね。コントの設定はトークライブでお客さんからもらったりしていて、難しい設定になるときもありますが、やってみたら楽しくコントに落とし込めています。
――どんな設定でもなんとかなるんですね。
松本:俺たち5人ならいけますよね?
平井:ああ。
坂田:(走り出そうとして)あ、すみません、熱くなって走り出しそうに(笑)
――かたまりさんとタイさんはいかがでしょうか?
かたまり:人間だれしも生まれたときは1人数。
平井:人数から入るのはええねん!
かたまり:両親に出会い3人数になって、両親から巣立ちまた1人数に戻り、コンビを組んで2人数になって、コント犬を結成して5人数。作家の子も2人数入ってくれて、5人数ですけど7人数という感覚でやっていて、いつも有楽町の劇場でやることが多いので120人数くらいお客さんが……。最初1だったものが132くらいになってうれしいです。
――人数の話だけで終わりに(笑)。やりがいや面白さはいかがでしょうか?
かたまり:平井さんはコロンブスと言いました。僕はヴァスコ・ダ・ガマの気持ちです。新しいものを5人で開拓している楽しさがあります。
タイ:僕たちはのちに0になる未来を生きていて、その前に人類は1兆にも膨れ上がる勢いの未来があって、今が2で、5なんで、100です。
坂田:ふわっとしてる(笑)
タイ:怖かったです、人数縛りが続いて(笑)。コンビのネタではできないことができたり、気心知れたみんなだからできる感じというか、いい意味でちゃんとしすぎてないから生まれるものがあります。それまで知らなった長所も感じられて、みんなすごいところがいっぱいあるんだなと。僕もパクッてます。かたまりも「ひかちゃん(坂田)って即興やらせたらすごいっすね」って話していて、そういった新たな気づきもあります。例えるなら、ラモス瑠偉が監督のときのオールスターゲームみたいな感じです。
――それはつまり?
タイ:いつもの単独ライブが試合だとしたら、コント犬はお祭りだけれども絶対勝とうという感じ。本気でやりつつ楽しんで、いい意味で遊びがある。だからいつもは見られない一面も見られて、平井はコントにすべてを注ぐような人間だと思っていましたけど、コントの出オチを欲しがりすぎてスカートをまくしあげてパンツを見せるという、ちゃんと大阪のギンギンの人なんだな思いました。
松本:変態ですよね。自分で作って自分で壊して(笑)
タイ:このメンツだからそういう姿も見られるんだろうなと思います。
●冠番組、沖縄・ラスベガスでのライブ…広がる野望
――松本さんとタイさんが皆さんのいいところを盗んでいるとおっしゃっていましたが、ほかのお三方もコンビに還元できているなと感じますか?
平井:意識していないところであるような気がします。2人のネタだけを作り続けるより、5人のネタを作ったあとにまた2人のネタを作るのとでは、奥行きが違うような気がします。
松本:すべての道はローマに通ず?
平井:ローマにも火星にもつながっている。
坂田:演者としてめちゃめちゃ筋肉がついている気がします。普段やらないようなキャラクターをやったりするし、当て書きみたいな感じで書いてくれるときもあるので、長所を伸ばしつつ、やったことないキャラにも挑戦して、鍛えられているなと。演技力・演者力の“精神と時の部屋”状態で、常にスーパーサイヤ“コント”人状態になっている感じです。
――『ドラゴンボール』に例えて(笑)。スーパーサイヤコント人状態って、コント師として最強な感じですね。
坂田:だいぶ仕上がっています! ここからさらに強くなっていきたいと思います。
かたまり:僕も(コンビに還元できていることは)多大にあると思います。久しぶりに会った地元の友人や親族からも顔つきが変わったと言われるので。進研ゼミですね。鍛えられている場所。楽しく成績が伸びて、恋愛もうまくいって。
――『キングオブコント』の優勝にも、結婚にもつながったと。
かたまり:間違いないですね。だからみんな(ユニットコントを)やったほうがいいと思います。
松本:でもコント犬をやっているときに離婚していますから。コント犬で結婚して離婚して、もう1回結婚しました。
――コント犬としての目標も教えてください。
タイ:全員がコントだけで犬を養える生活費を稼げるようになるというのがゴールです。
――結成当時のコンセプトそのままに、売れるというのが目標なわけですね。
タイ:はい。
松本:コントだけでというのが重要で、テレビスターになって売れるのではなく、単独ライブなどコントだけで犬を養える生活に。コントで一生暮らしていけるようになりたいですね。おじいちゃんになってもずっとコントを。
タイ:家族もいて犬が養える生活を。
坂田:中3の息子が「お父さん、ブラジルにサッカー留学行きたいんだよね」と言ったときにコントの金だけで行かせたいですね。
――かっこいいですね(笑)
坂田:コントで買った指輪でプロポーズしたいですね。コントよりも俺のことを好きな女にいつか……。
――まだプロポーズの予定は!?
タイ:振られて家を追いだされたばかり……。
坂田:コントめっちゃ頑張ったのに! この間、同棲していた彼女に振られました。まだ(幸せは)先かもしれません。
――活動としてはライブを何よりも大事に考えられているということでしょうか。例えば、コント犬の冠番組という目標などは?
タイ:テレビでコント犬ができるならやりたいです。
松本:テレビで『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『笑う犬の冒険』を見て育ったので、このメンバーでそういう番組ができて、テレビでユニットコントができたら最高だなと思います。あと、ツアーで沖縄に行きたいです。仕事として行き、次の日はオフにしてもらって、僕と平井さんは沖縄の海でダイビングしたいです。
坂田:ラスベガスも行きたいですね。カジノがしたいです。
――それもツアーとしてですか?
坂田:はい、海外ツアーで。夢が広がりますね!
■「コント犬~今日が貴方の犬バーサリー~」
「コントだけで犬を養える生活を目指す」を目標に集まったコントユニット・コント犬のライブ。12月29日に東京・ルミネ the よしもとにて開催(19:30開演/21:00終演予定)。2020年から作り続けているコントからベストネタを披露する。オンライン配信も実施。