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「闇集会」から「はや朝」へ――『久保みねヒャダ』10周年座談会<3>“ライブの醍醐味”と“今後”

2022年12月31日07時00分 / 提供:マイナビニュース

●ディストピア感があったライブ移行初期
漫画家の久保ミツロウ、コラムニストの能町みね子、音楽クリエイターのヒャダインによるフジテレビ『久保みねヒャダ』シリーズが、12月で10周年を迎えた。3人が独自視点のトークと世の中への鋭いツッコミを展開しながら、音楽や妄想ドラマなどクリエイターならではの感性を発揮する企画が魅力で、2017年9月の地上波レギュラー放送終了後も、有料ライブで継続する人気コンテンツだ。きょう31日(27:15~)には、恒例の『明けましてこじらせナイト寿SP』が放送される。

そこで10周年を記念し、久保みねヒャダの3人と、演出・チーフプロデューサーの木月洋介氏による座談会を実施した。3回シリーズの最終回は、ライブの思い出やコロナ禍の苦境を回想。そして、3人と番組の今後についても言及した――。

○■地上波終了も復活「ライブで続けさせてください」

ヒャダイン:改めて考えると、1回レギュラー放送終わったのに、こうしてライブで続けられているのはすごいですよね。

久保:最終回で泣いてしまったのに、平然と続けてしまって…。

ヒャダイン:まず飛内さんからの手紙で泣かされて。

久保:結構私とヒャッくんが泣いてたよね。

能町:2人が泣くのが早すぎるんですよ。

久保:能町さんが泣けない(笑)。でも、Charaさんが来たときに泣きましたよね。

ヒャダイン:そしてライブになって。すごいですね、木月さん。「ライブで続けさせてください」でOKが出たんですね。

木月:「a-nation」とかこれまでの「こじらせライブ」の蓄積があって、お客が来てくださるという実績があったから、ライブをやろうとライツの部署の方々に乗っていただいて。

――地上波のレギュラーが終わると言われたときは、まだライブの話はなかったのですか?

能町:なかったですね。ただ、終わっちゃうと思って。
○■久々の槇原敬之ゲスト出演に期待

木月:ライブも最初の頃は、今みたいなセットもなかったですからね。

ヒャダイン:そうですよね。マジでディストピア感がありましたよね。

木月:闇集会でしたよね。

久保:衣装も用意できないって感じでしたよね。

ヒャダイン:そうそうそう。

能町:そうでしたそうでした。

木月:だから「エプロンを作ろう」とか言って。

ヒャダイン:エプロンだとごまかせるって(笑)

久保:ライブになって、毎回芸能人の方がゲストに来るようになりましたね。

木月:槇原(敬之)さんも来てくれましたよね。ぜひまた来ていただきたいです。

能町:マッキーはぜひ呼びたいですよね。

ヒャダイン:マッキーは出たい出たいって言ってますから。

木月:あと、向井さんもまた来てほしいですよね。

ヒャダイン:そうですね。

能町:向井さんは盛り上がりましたよね。

久保:すいません、向井ってどの向井さん?と思ったら、(頭の中に)向井千秋が出てきた。

――パンサーの向井慧さんです(笑)

ヒャダイン:向井くんはすっかりラジオスターですからね。今ストレスめちゃめちゃ溜まってるらしいですけど(笑)

●原辰徳タオルと岡村靖幸そっくりさんの涙
木月:実はライブは、2014年からやってるんですよ。鶯谷で。

久保:“だに”、良かったなあ。

木月:ここでやったのが下地になって、「a-nation」でやったり、アルタでやったりして、今のライブに生きてるんですよね。

能町:この間実家に帰ったら、「a-nation」のバッグをうちの親が持ってて、よくこんなの残してるなと思いましたよ。

久保:アルタでやれたのは本当に良かったですよね。

木月:アルタのスタジオを1回閉めるときに、アルタ側から何かやってもらえないかってお願いがきて。せっかくなのでアルタから生まれた番組『久保みねヒャダ』のライブを、アルタの技術スタッフ陣で最後にやらせていただいたんです。『いいとも』を32年やってくださって最終回にも出てた斉藤カメラマンも、『久保みねヒャダ』のこのライブを最後に引退されました。そのアルタと言えば、原辰徳タオルですよ(笑)

(一同笑い)

能町:なぜか原辰徳タオルを持ってた人がいたんですよ。

久保:最高のセレクトだったよね。

ヒャダイン:あと、エンディングで岡村(靖幸)ちゃんのそっくりさんが泣くっていう(笑)

久保:でも、何か分かるんですよね。アルタでああいうことができるということで、気持ちでいっぱいになるっていうのが。

ヒャダイン:得も言われぬグルーヴ感が出てましたよね。

木月:もうこの感じの画はアルタでないと二度と作れないですからね。この天井低い感じの密着感ある画。

ヒャダイン:「a-nation」の会場でやった小室(哲哉)さんが来てくれた回とか、実はあんまり覚えてないんですよね。

木月:最初に「Feel Like dance」を歌って出てきてもらったんですよ。3,000人の前で、小室さんとマーク・パンサーさんが出てきて、KEIKOさんのところを久保さんと能町さんが歌って。

能町:とんでもないことしてますね。

久保:3人でダンス踊ったよね。これを経験してるから、「私、でかいハコでライブやったことあるんだ」って言える。

能町:このとき「すき間ソング」も作ったんですけど、小室さんにお尻があって早く帰らなきゃいけないってなってて、作詞の最後がとんでもない英語で終わったんですよね。

ヒャダイン:ひどい和製英語で終わったんです(笑)

木月:「I want sleep」です。

久保:「to」がない(笑)

○■観覧客との化学反応、自宅リモートの苦難

――ライブになって、お客さんの前でやるのはいかがですか?

久保:楽しいですよね。歌作るときにアイデアを言ってもらえたたりしますし。私が一番それを一番感じたのは、池袋の歌を作ったときに、「君」に置きかわる何かフリッパーズっぽい言葉ないかなって言ったら、お客さんから「子猫ちゃん!」って来て「それだー!」って(笑)

ヒャダイン:お客さんとのそういう化学反応はありますよね。

能町:あと、バンドのジャケ写っぽい写真を撮りたいときに、お客さんからドラマーっぽい顔の人をスカウトしたこともありました。

ヒャダイン:10月のライブでもいましたよ、ドラマーの方。

能町:ずっと来てくれてるんだ、ありがたいですね。

ヒャダイン:ホールツアーも行きましたよね。仙台と豊橋と浅草。でも、やっぱりリモートのときはしんどかったですもんね。2020年。

能町:自分のテンションが上がらないから。

木月:最初はそれぞれの家からやってましたもんね。

能町:家はキツかった…。でも、この番組に限らず、他のテレビもみんなそれやってましたもんね。よくやってましたよね。

ヒャダイン:1回当時の1日のテレビを、BSで流してほしいですよね。そのとき、ニュースで「感染者数100人突破」とか言ってるんですよ。

能町:(小池)百合子がお台場のレインボーブリッジを真っ赤にしたとき、都内の感染者数は12人ですから。

一同:うわー!

――「東京アラート」ってやつですよね。

ヒャダイン:未来の自分がそこに行ったら卒倒するんだろうな。

●千葉雄大も含めて「互助会」の関係に

――この10年で、お三方の関係性に変化はありますか?

能町:でも、仲良くなったよね(笑)

久保:途中からLINEグループができて。

能町:最近は何か気になる芸能ニュースとかがあると、まず久保みねヒャダLINEに投げるっていうのができてます。全員のお互いの家にも行ってますよね。千葉(雄大)くんちにも行ってるし。

久保:でも、いきなり「友達っぽいことしようぜ」っていうのではなく、時間をかけて機が熟した感じで移行していった気がします。それで、ケンカすることもなく。

ヒャダイン:1回もないですね。

能町:ケンカはないですね。

久保:でも3人のLINEグループだから、2人で先に会話が出来上がってるときに一瞬見たけど、こっちがちょっと忙しくて参加できないときに、「ちょっと感じ悪いかしら」と思うこともあるけど。

ヒャダイン:こっちも全然ありますよ。

能町:なんかやってるんだろうなと思って、別にそのままスルーでもいいし。

木月:「互助会」みたいなものだとおっしゃいますよね。

ヒャダイン:そうそう、互助会ですよね、千葉くんも含めて。だから、『はやく起きた朝は…』(※)に近づいてきてるんですよ。

(※)…磯野貴理子、松居直美、森尾由美によるトーク番組

――あの番組もライブやってますから。

ヒャダイン:歌とか歌ってるんですよね。

久保:もう本当に『はやく起きた朝は…』を見るたびに、未来の自分のような気がしてならない。この間見てたら、3人で老眼の話をずっとしてて、もうタイムリーすぎる…と思って。私たちが錦鯉さんをゲストに迎えたときと全く一緒ですね。

ヒャダイン:錦鯉さんとの老感はすごかったですね。最後ほんとつらい気持ちになっちゃって、救いようもない、光もない感じで(笑)

久保:あの先に知恵みたいなものがあると、『はやく起きた朝は…』になれるんですけどね。

木月:でもお客さんも同じ世代で付いてきてくれて、一緒に年を取っていけるといいですよね。

――視聴者からのお便り読んで、自分に人生に置き換えて泣いちゃうとか、そのうちあるかもしれないですね。

能町:あの3人もいろいろありましたからね。番組で離婚についてお話ししたり。

ヒャダイン:だから僕もいつかピンクハウス着ようかなと思って。

能町:森尾由美役なんですね(笑)

○■この時代にテレビ発信のを愛してくれる

ヒャダイン:こんなテレビなんてどうでもいい時代に、テレビ発信のものを愛していただいているというのが、すごいですよね。

久保:貴重ですよね。オンラインになって、地方でなかなか来れないとか、会場に行く時間を割けないって人にも届いてくれるのはいいなと思いますね。でも、「私が支えてあげなきゃ」ってお金切り崩してくださる方がいるか分かりませんけど、いつでも休んでいいですから。私らは勝手に生き続けるからやりたいですけど、全ては港(浩一・フジテレビ)社長次第ですね。

――地上波が終了するときに、港社長が木月さんに「あのパッケージは絶対残せよ。お前のためでもあるし、フジテレビのためでもある」と言ったそうですから。

久保:でも『久保みねヒャダ』という部屋から外に出たら、通用しないのかな。井の中の蛙なのかなってって思ったりもします。

ヒャダイン:それは誰とやるかの掛け合わせじゃないですか?

久保:私はいつ「あなたはもう足手まといなんで、こちらへ」って言われたら、「はーい」って抗わずに去る側の人間かなと思ってるので。

ヒャダイン:今はテレビ以外にも、YouTubeとかNetflixとかがある時代ですから。

久保:でもテレビ番組表を見ると、テレビって面白いなといつも思っちゃうんですよね。結構いろんなものを見逃してる感じがあるんですよ。

ヒャダイン:この間、NHKで『拾われた男』ってドラマ見てたんですよ。すっごい面白くて、演者も豪華で撮り方もすごい丁寧で、めちゃめちゃいいドラマだなと思って最後のクレジット見たら、「制作 NHK ウォルト・ディズニー・ジャパン」って出てたんですよ。本当に声が出て「資本~!」って言っちゃいましたもん。

久保みね:資本~!(笑)

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