旬のトピック、最新ニュースのマピオンニュース。地図の確認も。

近未来テクノロジー見聞録 第274回 ほぼ水で構成された超軟質液体ロボット「Aquabot」とは?

2022年12月30日07時58分 / 提供:マイナビニュース

2022年12月14日、香港大学と米ローレンス・バークレー国立研究所は、水が主成分の超軟質液体ロボット「Aquabot」を開発したとプレスリリースで報じた。では、このAquabotとはどのようなものだろうか。どのような展望があるのだろうか。今回は、こんな話題について紹介したいと思う。
水が主成分のロボットはどう作られたのか?

冒頭で「水が主成分の超軟質液体ロボット」と述べたが、Aquabotは、ほぼ完全に水、もしくは液体で作られたロボットのことだ。これは、水中3Dプリンタで作られるという。水中3Dプリンタを使う理由の1つは、水中3Dプリンタが柔らかい材料を造形するのに適していることが挙げられる。そして2つ目の理由が、水性二相系(aqueous two-phase assemblies, ATPS)を使うことで、液体の相分離が可能になるからだ。そして彼らは、この構成する液体の濃度や水中3Dプリンタのヘッドスピードを変えることによって、Aquabotのサイズや形状を変えることに成功している。

以下の図をご覧いただきたい。最小単位のナノサイズのパーティクルや、パーティクルが集合した構造、そして蛇のような形状も作成が可能だ。また、最小単位のパーティクルのような形状の内部にさまざまな液体の相を作ることも可能なのだ。

例えば、このAquabotに磁性を持ったナノ粒子を付与すれば、磁場によってさまざまな動作をコントロールすることができる。あるいは導電性ポリマーを組み込めば、生物学的電気回路や論理的イオン選択チャネルの構築が可能だ。また軟性を持つため、細い管の中を移動することもできるという。

いかがだっただろうか。すごいテクノロジーを出会うことができたと感じる。このテクノロジーは、例えば人体の血管内部などの非常に細くて狭い血管などを通過できるので、アクセスが困難な手術や治療に活用することもできるだろう。そう遠くない未来に実用化されていることを期待したい。

齊田興哉 さいだともや 2004年東北大学大学院工学研究科を修了、工学博士。同年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社し、2機の人工衛星プロジェクトチームに配属。2012年日本総合研究所に入社。官公庁、企業向けの宇宙ビジネスのコンサルティングに従事。 現在は、コンサルティングと情報発信に注力。書籍に「宇宙ビジネス第三の波」、「図解入門業界研究 最新宇宙ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」など。テレビ、新聞、Webサイト、セミナー・講演も多数。 この著者の記事一覧はこちら

続きを読む ]

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ネタ・コラムカテゴリのその他の記事

地図を探す

今すぐ地図を見る

地図サービス

コンテンツ

電話帳

マピオンニュース ページ上部へ戻る